第2話 新しい特殊アイテム(2)
これでもうこの鈴は売る事は出来なくなった…その代わり何かいい能力が身についたならいいかな。
これが特殊アイテムの怖いところなんだけど身に付けるまで何の能力に目覚めるか分からないんだ…。
どんな特殊アイテムも必ずいい効果が現れるとは限らない…中にはバッドアイテムだってあるんだ。
例えばこの人間化アイテムだって人間が身につけたってまるで意味がない。
あ~あ、特殊アイテムの説明書とかあったら楽なんだけどなぁ。
噂では古代語のデータベースみたいなのがどこかにあって特殊アイテムのデータもそこに全部載っているって言うけど今までそう言うのが見つかったって話を聞いた事がない…やっぱりそれは都市伝説なんだろうか?
さぁて、このアイテムの効果は何だ?鬼が出るか蛇が出るか…。
オレは精神を研ぎ澄ませ体の異変が何かないか探ってみた。
特殊アイテムって言うのはこうやって感覚で探るのが能力を発見するのに一番手っ取り早い。
何かに目覚めても普通はすぐに何が目覚めたのか感知するのは難しい。
自分の才能にすぐに気付くのが難しいように特殊アイテムで身につけた能力も気付かなければ使えない。
精神統一…精神集中…っと。
…おおい!また先を越されたのかよっ!
…あの泥棒猫、遺跡体質だなんてズルいよな!
…発掘隊って何か特別に探しているアイテムがあるって言うぜ…
これは…誰かの心の声が…?
他人の心の声が流れ込んでくる…?
そうか、この鈴の能力がこれか。
しかし考えようによれば厄介な能力だなこれ。
人の心は疑いと裏切りと欲望に満ちている…。
ま、最初から分かっていれば人間不信にもならないか。
嘘が見抜けるようになったって言うのはそれなりにメリットだし。
結局今日の収穫はこの鈴以外は特にめぼしいものにはありつけなかった。
今日みたいに一日分食い繋ぐ程度のお宝で満足しなきゃいけない日もある。
日によっては全然収穫がない日だってあるくらいだ…。それに比べたら今日なんてまだマシな方さ。
ふぁ~あ…
今日は疲れた…新しいアイテムを身につけると体が慣れるまではすごい体力を消耗する。
悪人退治とか今度体調が完全復活してからでいいか。
それに最近はそんな吐き気を催すような悪にも出会ってないしな…。
そんな訳でもう眠いんで寝るわ…おやすみ…。
明日は金になるお宝が見つかるといいな…。