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第1話 猫のトレジャーハンター(2)

 とっとことっとこ…


 こう言う遺跡には罠があったりするのが定番だけどジ・オークスのはよっぽどでもない限りそんな罠はない。

 だからいつだって早い者勝ちなんだな。

 さて、足場に気をつけてっと。


 カラ…


 うっ…!やばいやばい…。

 思わず崩れかけの足場に足を乗せてしまった。

 いくらオレが猫とは言えこの高さから落ちたらちょっと無事じゃ済みそうもない…。

 慎重に慎重を重ねないとな…。



 くんかくんかくく…!


 うおぅ!


 すごいお宝を見つけたがこれは…。

 ここから直接取りに行けるルートが存在しない…道が崩れてしまっている…。

 どうにか迂回ルートを探して回り道してでも手に入れなくては…!

 前に何度もあったんだよ…お宝を目の前にして道が繋がっていないせいで同業者に横取りされる事が…。

 鼻が良くてつい最短ルートを辿ってしまうんだよな…。

 あんまり能力があるってのも困ったもんだぜ…。


 周りを見渡してここまでに道のりを整理してみる。

 空間把握能力が試されるな…うん。

 ま、同業者ならこんなスキルは持ってて当たり前、標準装備なんだけど。

 とりえずまだ足を運んでいないルートからもう一度お宝を目指すぜ!


 この遺跡都市の遺跡は場所によって構造が全然違う…。

 あるエリアでは全体的に腐っていて崩れやすかったり、別のエリアではまだ当時のままのように強固だったり…。

 中には数千年前のシステムが未だに動いているようなところすらある…。

 仕組みの分からない頃はそう言うのは古代人の呪いだと言われていたんだっけかな…。


 この猫の耳はどちらかと言うと放置されて崩壊が始まっている部類のエリアだ。

 だから移動も慎重にしないといけない。

 折角お宝を手にれても帰りのルートが崩れたらそこで終わりだ。


 カララ…


 おおっと!


 何だこれ…道の痛みようが半端じゃないぞ…オレは猫だからここも渡れるけど人間の体重で踏み込んだら間違いなく崩壊する…。

 やはり同業者がやってくる前に事を急いだ方が良さそうだ…。

 オレは息を整えて神経を研ぎ澄ませる…。


 すうぅ…っ


 すたたたたたたたたたっ!


 秘技!風猫走りッ!

 これは風の様に素早く駆け抜ける技だ。

 折角2本足で行動出来るようになったのに少し癪だが猫本来の四本足で走る事で全体の荷重を分散させ崩落の危険のある場所でも道にあまり負担をかけずに通り抜ける事が出来る。

 その早さ、風の如しッ!


 ふぅ…


 なーんとか危険地帯を切り抜けられたぞ。

 目指すお宝は目の前だ。

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