第14話 反撃(2)
やがてフィールドは博士を取り込む…すると取り込まれた博士の様子が…段々苦痛に歪んでいく。
「ぐあああああっ!」
まず顔につけていた仮面が溶けていく…そして彼が身につけていた遺跡アイテムも次々と蒸発していくみたいだった。
仮面が溶けて現れた博士の素顔は苦痛に歪みまるで今までとまるで別人のようだった。
「ぐぉぉぉぉぉ!」
最早博士にまともな言葉を話せる冷静さはない。
そのままよろめいて屋上から足を踏み外してしまった。
博士は落下していったオレたちを確認するため屋上の端っこに寄りすぎていたのが仇になった。
その場所は博士自らが放った衝撃波で落下を止める物は全て破壊されてしまっていた。
つまりよろめいた博士の落下を止める物は何もなかった。
「ば、馬鹿なぁ…」
ああああ…
ああ…
あ…
オレの放ったフィールドに包まれたまま博士はこの古城の屋上から奈落の底へと落下していった。
どうやらあのフィールドは対象者の持つ特殊アイテムをみんな蒸発させてしまうらしい。
確か博士は時空跳躍アイテムを所持していたみたいだったがフィールドによって全てをなくした博士にこの自由落下を留めるものはもう何一つ存在していなかった。
…
しばらくして何かが潰れたような音が小さくオレの耳に届いた気がした。
オレはそれ以上深く考えない事にした。
とにかく!オレ達は勝った!もうその事実だけで十分だった。
安心して気が抜けたオレは謎のフィールドを形成した疲れが一気にやって来てその場に倒れてしまった。
しかしそれは何とも気持ちのいい疲労感だった。
夜空の雲はいつの間にか晴れて丸い月が辺りを淡く照らしていた。
博士が倒された事で手下たちは動揺した。
元々博士が金で雇った烏合の衆、頭が倒されればもう何の役にも立ちはしない。
手下たちはあの博士すら倒す大物が今度は自分たちを襲ってくると勝手に勘違いした。
それで手下全員取るものも取りあえず一目散に城から逃げ出した。
しかし手下たちを待っていたのはケイタロー警部たち警察だった。
最初に連絡を受けて古城に駆けつけたあの時に胸騒ぎを感じたケイタロー警部が部下に指示して城周辺を張っていたのだ。
オレがこの城に入ったと部下から連絡を受けて警部はすぐにすぐに体勢を整えていた。
そんな訳で博士の手下たちは全員綺麗さっぱり警察にしょっぴかれていった。
これにてベルファクト事件はケイタロー警部のお手柄として一件落着となった。
こうしてオレの長い夜は終わった。
騒ぎが終わったのを確認したケイタロー警部が屋上まで二人を救出しに現れオレ達二人は気を失ったまま警察に保護される事になった。




