第13話 激昂する博士(2)
とっさに爪でガードしたからかオレが受けたダメージはそんなに大したものではなかったものの、オレを受け止めたライオットが心配そうにオレの顔を覗き込んで来たからとびっきりの笑顔を返してやった。
「大丈夫だ!ありがとうな!」
俺の顔を見て笑顔が戻るライオット。
たまにはやせ我慢もしてみるもんだな。
人質も取り返したしもうここに用はない…って簡単に博士が逃してくれるはずもなく…。
博士はまた懐から例のスイッチを取り出していた。
何が起こるかは分からないけど今あのスイッチを押されたらヤバい!
オレは反射的に博士に向かって飛び出していた。
シャッ!
「ぐおっ!」
この瞬間を狙われるとは思っていなかったのか博士にオレの攻撃がヒットした。
バキャッ!
オレの攻撃で粉々に砕け散るスイッチ…これも特殊アイテムだったのか。
オレは着地してすぐに体勢を整える。
博士の奥の手を潰した所でまだ油断は出来ないぜ。
「よくも…この私に傷を…」
博士の声は怒りに震えていた。
オレがスイッチをはたき落とした時、手に傷を負ったのだ。
遺跡特殊アイテムを破壊する爪によって例の手袋も切り裂かれ使用不能になっていた。
これで多少はこちらも有利になった…のかな?
博士は身体を震わせながら指に指輪をセットした。
きっとあれも特殊アイテム!
オレの場合、特殊アイテムはほぼ外せないものばかりなのに博士の持つものは殆ど取り外し可能なものばかりだ。
何かズルい…それともこれが人と猫の違いなのか…。
おっと、感心している場合じゃない。
すぐ博士の反撃に備えないと!
「ゆ、許さんぞこの畜生めーっ!」
博士は指輪をはめた方の腕を大きく振り払った。
その瞬間に生じた衝撃波は前方の物体を容赦なくなぎ払う!
ズサアァァッッ!
「うあああああーっ!」
オレとライオットは間違いなく射程圏内にいてその衝撃波をモロに受けてしまった。
そしてその衝撃を緩和する術をオレ達は何一つ持ち合わせていなかった。
つまり…
オレ達二人は博士の放った衝撃波をモロに受けて…古城の屋上から吹き飛ばされてしまった!
この屋上から地上まで何mあるだろう?20m?30m?とにかくこのままだと二人共助からないっ!
いや、オレ一人ならまだ何とか…だけどライオットは無理だ!
オレは空中を泳いで落下中のライオットに追いつく。
ライオットは衝撃波を受けたショックで気絶している。
いくら子供とは言ってもライオットを庇いきれる大きさをオレはしていない。
落下スピードは上がっていく…容赦なく加速度をつけていく。
このままだと…何としても彼だけでも助けないと!
このオレの想いがオレの身体に眠る何かとシンクロした!
カッ!
その瞬間、オレとライオットは謎の光に包まれた…。




