第8話 ベルファクトの正体(2)
「いい眺めだな…体制が整い次第すぐに解剖してやろう…」
冷酷にそう言い放つ博士の顔は邪悪そのもの。
この男は一度口に出した事はどんな事があろうと必ず実行する…そんな凄みに満ちていた。
「楽しみだよ…私も遺跡体質の猫を解剖するのは初めてだからね…」
博士はそう言いながら部屋を後にした。
オレ、万事休す…(汗)。
一方、逃げた子供達は無事城の外に脱出していた。
博士の興味が完全にオレに移った事で子供達は追手に追いかけられる事もなく脱出出来たのだ。
子供達はオレがすぐに城から出てくるものと思いしばらく待っていたみたいだがその様子が見られない事で状況が変わった事を理解した。
…ちゃん
…ネコちゃん!
声が聞こえて来た…どうやら子供達からだ。
…どうしたの?ネコちゃん!もしかして捕まっちゃった?
オレは子供達を安心させようとつぶやく。
「ちょっとヘマをしちまったが…何とかしてみせるさ…」
鈴の能力は心の声を聞くだけ…送受信の能力はない…そう思っていた。
だからそれは自分に言い聞かせるようにつぶやいたんだが…。
…ええっ?大丈夫!
…今どんな感じなの?詳しく教えて!
さっきのオレのあの弱気な言葉に返事が返って来ていた…。一体どう言う事なんだ?
取り敢えずオレは口に出さずに心の声で応答してみた。
理由はよく分からないけどこれでやり取り出来るなら何かいい案が思い浮かぶかも知れない。
(驚くなよ…ベルファクトはテクト博士だったんだぜ…)
…知ってる。だって僕達テクト博士の科学教室に呼ばれて捕まっちゃったんだもん…
そう言う事だったのか!あの時のテクト博士のすぐ調達出来るって言葉の意味は…。
確か博士の研究のひとつに遺跡体質者の研究があった…子供達を実験に使っていたのか…。
…僕、博士との実験で使ったアイテムをひとつ持って帰って来たんだけど、これ使えると思う!
(ま、待て!折角脱出出来たのにまた城に戻ってくるとか危険過ぎる!来るんじゃない!)
…ううん、僕らを助けてくれたネコさんが逆に捕まったんじゃ意味ないよ!絶対助けるから!
な、何て正義感に溢れたいい子供達なんだ。オニーサン、涙が出そうだよ。
こんな子供達を実験に使っていたなんて、テクト博士、許さないぞ!
…て、今の自分には手も足も出ないんだよな…(汗)。




