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悪の組織の科学者を追いかける

前回初登場したアニマの話です。

よろしくお願いします。


 ピピピピッ

「んっ…」

 ケータイのアラーム音で眼を覚ますのは、『悪の組織』の科学者・アニマ。

 うるさく鳴くケータイを静まらせ、むくりと 起き上がったアニマは、カーテンを開けた。

「うむぅ…」

 朝日の眩しさに負けそうになる。

 だが、なんとか堪える。

 今日も、一日が始まる。



 寝ぼけ眼をこすり、冷蔵庫に向かう。

 二リットルのペットボトルに入ったお茶を、ラッパ飲みする。

 そして、次に取り出すのは、朝食だ。

 朝はあまり食べられないので、食べやすいヨーグルトが朝食として固定している。

 朝の情報番組を見ながら、ヨーグルトを食べた。

 朝食が終わると、学校へ行く支度を始める。

 歯磨き顔洗いをして、着替えをし、最近勉強中の化粧を薄くして、髪をとかして終わり。

 これでもう出掛けられる。

 今日の授業は二時限目からなので本当はもう少し家でゆっくりしていてもイイのだが、アニマは早めに家を出た。

 少しでも早く、少しでも長く、『悪の組織』に居たいのだ。



 元々人付き合いが苦手なアニマは、大学生になるまで友達と言えるような存在もおらず、独りで過ごすことが多かった。だが、大学では、そんな自分を変えようとして積極的に行動した。そして入ったのが、潰れかけていた謎のサークル『悪の組織』だ。最初は、軽い気持ちだった。いきなり大勢の中に溶け込むのは気が引けるからと、人が少なそうな所から慣れていこうとした。しかし、そこでアニマは、求めていた以上の出会いを体験する。

 アニマが独りなのは、出会いに縁がないからということ以外の理由があった。

 彼女は、実験や発明、解剖など少々変わったことに興味があった。それらの事を周囲から理解してもらえず、わかってもらえないならいっそと人を遠ざけるような態度をとっていたことも、彼女の孤独に拍車をかけていた。

 しかし、『悪の組織』のリーダーのカグラは、そんな自分でも受け入れてくれた。それも、ただの頭数としてではなく、自分という存在を認めた上で受け入れてくれた。

 それがアニマにとってすごく嬉しかった。

 明日を楽しみに思いながら眠る。

 今日をワクワクしながら外に出る。

 そんなことはアニマの人生で、初めてのことだった。

 少しでも早く、少しでも長く、『悪の組織』にいたい。

 一分でも早く、カグラに会いたい

 一秒でも長く、カグラと一緒にいたい。

 まるで違う世界を生きているように感じながら、アニマは早足で大学へ向かった。



 大学の部室棟、その中の一部屋が『悪の組織』だ。

 そこにアニマは、ひとりでいた。

「そりゃあ、そうだよね」

 朝からカグラに会えると期待していた自分に、アニマは呆れた。

 部室の中は、この前の騒ぎで破損した個所も多く、補修ついでに若干の模様替えをした。

 部屋に入るとまず、テーブルを挟んで二脚ずつ対面に置かれている来客用の席が眼に入る。壁側には書棚や冷蔵庫などが並んでいて、部屋の隅には仮眠できるようにマットレスが敷いてある。そして、正面の窓を背にして、事務机と椅子が置かれていた。

 その事務机は、カグラの席だ。

「ここに置くと、間取りが悪くなりますよ」

 部屋の模様替えを手伝ってくれた時、ハイジは言っていた。

 だが、「『悪の組織』の雰囲気として、そこだけは絶対譲れない」とカグラは主張した。

「調子に乗るな!」

「お前ごときが、部屋の隅で体育座りしていろ」

 ろくに手伝いもしないクロとシロも、異議を唱えた。

 しかし、「黙れ、カスクズ」とアニマは、カグラを擁護した。

「「ワンセットにされた!」」

「いいの、アニマちゃん?」

 このままではアニマの席がないと気にするハイジだったが、「はい。いいです」とアニマは、うるさいクロとシロを無視して、笑顔で答えた。

「あたしは、ここで」アニマは、来客用の席に座った。「ここならテーブルも広いですし」

 アニマにとって、いまさら個人の席などどうでもよかった。そんなものがなくても、素敵な居場所が出来たことが、アニマにはうれしかった。

――あたし、ここに居ていいんだ。それも、独りじゃない…

 改めて部室を見て、アニマは感慨にひたっていた。

 そして、来客用兼自分の席に座り、ニコニコと幸せそうな微笑みを浮かべながら『開いて見よう! 人体の不思議』という分厚い本を読んでいた。 



 本を読んでいると、時間はすぐに過ぎた。

 そろそろ一時限目の授業が終わるので、二時限目の授業がある教室に向かわなければならない。

 アニマは、部室の入口に鍵をかけて、教室に向かった。

 受けるのは、必修科目となっている英語の授業だ。一年生は、いくつかのクラスに割り振られ、授業を受けることになっている。

 そこでアニマは、予想外の人物と出会う。

「あれ、ハイジさん?」

「あ、アニマちゃん」

 前列の窓際に、ハイジの姿を見つけた。

「なんで?」

 不思議に思うアニマ。

 だが、ハイジは違うようだ。驚いているようだが、そういうこともあるかと現実を受け入れている。

「なんで って、偶然かな…? ほら、同じ一年だし、こういうこともあるよね」

「え、ハイジさんも一年だったんですか?」意外そうなアニマは、「え、おいくつですか?」と訊いた。

「18」

「えぇ! 私、勝手にハイジさんは年上だと思っていました。ほら、一緒に居たヤツらが幼稚だから、アレ等と比べて」

「ははっ」ハイジは、苦笑した。

 なんとも言えなかった。

 そこまで子供でもないよ、と実年齢より幼さを感じさせる上司二人をフォローすることはもちろん、私もわかっているはずなのになんとなくアニマちゃんが年下だと思っていた、とは言えない。

 小柄で幼顔のアニマは、中学生のように見えなくもない。

 本人を前にすると、やはり中学生ではないかと思ってしまう。慣れない九十分という長い授業中に眠ってしまう横顔を見ると、カワイイな、と胸をキュンとさせられる。

 しかし、先生にあてられて流暢に英文を読む姿は、とても中学生ではなかった。

 頭いいな、とギャップに驚かされるハイジは、先生にあてられた時、たどたどしく英文を読むのだった。



 高校までの時間割と違い、大学では一つの授業が九十分と長い。だから、二時限目が終わると、もう昼食の時間だ。

「ハイジさん、お昼一緒に食べませんか?」

「うん」

 二人は、学食に向かう。

 お昼時。キャンパス内にあるコンビニは、人であふれかえっている。何箇所かある学生食堂は、どこも長蛇の列を作っている。

 ハイジとアニマも、その列の中にいた。

 ゆっくりと進み、カウンターで注文し、その品を受け取って会計を済ませる。

 だが、肝心の座る席が見付からない。

 よく見れば、四人掛けの席に三人しかいない所や、座席に荷物を置いている人もいる。一人だけなら、もしかしたら座れるかもしれない。しかし、アニマはいま、ハイジと一緒に食事をしたいのだ。その為には、ちゃんと座席を確保しなければならない。

 どこかないかな、と探すアニマ。

「……あ」

「アニマちゃん、席みつけた?」

「はい…たぶん…」

 四人掛けのテーブル席を二人で使っているヤツらがいる。ちょうど二人分の席が空いているからと、そこに合席させてもらうこともできそうだ。しかし、「う~ん…」と悩んでしまう。知らない人と同じ席に着くことには、抵抗がある。だが、アニマは、その二人の顔を知っている。知っているからこそ、なおさら一緒に座りたくない。

 なのに、「あ、ハイジ」と向こうから声をかけてきた。

「クロさんシロさん。なんでここに?」

「食堂に居るんだ。理由は同じだろう」とクロ。

「ここ、学生食堂ですよ。御二人とも、学生じゃないでしょうに」

「え、このカスとクズ 違うんですか?」露骨に嫌そうな顔をするアニマは、「じゃあ、なんでここにいるんです?」と二人を指差しながら、ハイジに訊いた。

「大学は門戸を広く、俺達一般人が来てもいいだろう」当然のように、シロは言った。「ここのカレーが好きなんだ」

「なにも、この時間帯に来なくとも…」

「邪魔だから、帰れ」

「おぉ、チビ助。相変わらず俺達には冷たいな」

「誰、そのチビ助?」

 クロが訊くと、「ほら、この前の『悪の組織』の…」とシロが教えた。

「誰がチビ助だ!」怒るアニマ。

「俺らだってカスクズじゃありません」

「あんたらは自分で言っただろ!」

「ま、まあ、とりあえず座らせてもらおう」

 あまりうるさくしてしまうと周囲からの視線が痛くなるし、食堂側に怒られるかもしれない。そう考えたハイジは、この場を落ちつけようとした。

 しかし、

「どっちか移動しろよ」

 クロとシロが動かないことを、アニマが非難した。

「なんで?」

「なんで って、あたし、あんたらの隣に座りたくない」

「俺、シロの顔が見えなくなると不安になる」

「気持ち悪い!」

「クロ…それは俺も、ちょっとイヤだ…」

「……あっそ」

 しぶしぶクロは席を移った。



 食事中は、なんとも言えない微妙な空気だった。

「チビ助、もっと食わないと大きくなれないぞ」

「黙れ、クズ」

「チビ助、水飲むか?」

「うるさい、カス」

「優しさで声掛けたのに、この反応!」

「二人とも、ちゃんとアニマちゃんを名前で呼んでください」

「ハイジさん、こいつらは存在しないと思った方がいいですよ」

「「なんだと、チビ助!」」

 なんとも言えないが、ギスギスしている空気は良好ではないな、とハイジは思っていた。



 昼食の後、部室に戻ろうとしたアニマは「はぁ~」と溜め息をついた。

 本当ならハイジと楽しい食事になるはずだったのに、邪魔者達のせいで、なんか疲れてしまった。こんなはずではなかったのに、と気が重くなる。

「はぁ~」

 もう一度 大きく溜め息をつき、部室の前にまで来た。

 昼食後の三時限目は興味のある授業がなかったので何も履修していないが、四時限目には授業がある。そのため、九十分近く暇な時間があるのだ。

 時間割を作るのに失敗したかなと思うと、さらに気が沈む。

 だが、愚痴ってどうなることでもない。

 図書館や学食、キャンパス内に点々と置かれてあるベンチではなく、部室という居場所があるだけ喜ぼうではないか。

 そう気を取り直し、部室の扉の鍵を開けようとした。

「んっ…」

 その時、アニマは人の気配に気付いた。

 誰かが中にいると、気配で察する。さきほど出た時、鍵はちゃんと掛けたはずだ。では、誰が中にいるのか? 答えはもう決まっている、もうひとりの鍵を持っている、あの人だ。

 その間、わずか二秒。

 一転して、アニマの気持ちは高まった。

 ドキドキと鼓動がうるさくなる。

 まあ待て、と落ち着かせようと頭を撫でるように、手グシで髪を整えた。

 ふぅと一息つき、扉に手をかける。

 抵抗なく横にスライドする扉。

 ゆっくりと扉を開ける。

 だが、中の様子が見えてくると、ダンッと叩きつけるように扉を開けた。

「なんでいる?」

 そこには、先程別れたはずのクロがいた。



「この前、ここに雑誌を置き忘れていたことを思い出してさ」

 来客用の席に座り、読んでいる週刊誌から眼を離すことなく、クロが答えた。

「鍵かかっていただろ」

「この程度の鍵なら開け方をシロに教わっている」ぱたんと本を閉じ、クロは決め顔を作った。「何でも屋をなめるなよ」

「不法侵入で訴えるぞ。この国の法律をなめるなよ」

「国の法律よりも社内規則だ」当然のようにクロは言った。「これ、あとでシロに貸す約束しているらしいから、ないと困るの」

「どこが社内規則だ!小学校の校則以下だ、そんなもん」

 出ていけ、と追い出そうとするアニマだが、これだけ読ませて、とクロが尻を浮かそうとしない。

 仕方ないので、少しの間だけ我慢することにした。

 しかし、居心地が悪い。

 知らない相手ではないが、そんなに会話したこともないし、男だし、ムカつくヤツだしと、ハイジの心中は穏やかではない。

 早く消えてくれないかな、アニマがそう思っていると、「なぁ」とクロが声をかけて来た。あいかわらず誌面から眼を離そうとはしないが。

「なに?」

「どうしてここに入ったの?」

 そう訊かれ、アニマは答えに詰まった。

 理由は、もちろんある。今までずっと一人でいた、そんな自分を変えるため。人が少なさそうな所が良かったから、ビラを見て。それに、今となっては、入った理由よりも居たい理由の方が大きい。ひとことで言えば、居場所が出来たから、だ。ここには自分を受け入れてくれる人がいる。それが嬉しくて、ついつい用もないのに足を運んでしまう。

 そのことをうまく言葉にしようとするアニマだったが、気恥ずかしくなり「おまえに関係ないだろ」とつっぱねた。

「関係なくはないよ。俺だって人材確保に一役買ったんだから」

「は?」

「だってビラを書くの、俺も手伝ったし」そうそう、とクロは声を高くした。「そういえばおまえ、あれ見なかった?『悪の組織を救うのはキミだ』ってやつ」

「あ」

 アニマは、心当たりがあった。というかたぶん、それを見て『悪の組織』に入ろうと思ったのだ。いわば運命のビラだ、今も大切にファイルしてある。

「そのキャッチね、下書き段階でシロにウケたんだけど、おたくのボスに『真面目に考えろ』って怒られてさ。こっそり一枚仕上げるのがやっとだったんだけど、誰か拾ったかな?」

 どうなったかな、あれ? と想像を巡らせるクロ。

 まさか自分が大切に保管しています、なんてアニマは口が裂けても言えない。

「知らない?」

「し、知るか!」

「ほんとに?」

「知らない!」アニマは、ムキになっていた。「というかさっさと出ていけ! 片割れはどうした?」

「シロならバイト。だから俺、いま事務所に行っても暇なのよね」

「だからってここでくつろぐな!」

 アニマは、クロを強引に追い出した。

 外に締め出されたクロは、そこでまだ雑誌を読んでいた。

「なあ」

「まだいた…」アニマは顔をしかめる。

「もう一個だけ、質問に答えて」

「答えたら消えろよ」

 アニマの許可を得てから、クロは「おまえ、自分トコのボス 嫌いなの?」と訊いた。

「はぁ?」

「だって言っていたぞ。おまえがなかなか自分と口をきいてくれない、って」

 クロは、なんとなく訊いただけだ。それこそ、どうして今朝は白米じゃなくパンを食べたのと、本当はどうでもいいと思っている事を訊ねるように。ただの気分、もしくは、いや毎朝パンだし、と答えが返って来たら、そうなんだ、という一言で済ませられるくらい気軽な質問だ。

 しかし、質問された方は、軽い気持ちで受け取れない。

 炊飯器が壊れてしまい、白米好きな自分にとっては死活問題なのだ。というか、なんで朝食のメニューを知っている。それ以上の困惑の色を、アニマは見せた。

「そ、それは…」べつに白米が嫌いになったわけではない。というか、むしろ好きだ。好きなのに食べられなくて困っている。このもどかしさ、どうにかしてくれ。

 アニマがうまく答えられないでいると、

「なに、やっぱ苦手? というか嫌い?」

 クロが質問してきた。

「っ……嫌いじゃ、ない…」

 アニマは、気恥ずかしさを感じながらも、自分の想いに嘘をつけず、声をしぼるようにして答えた。それでクロが何をどう思うかは、知ったことではない。勝手にしてくれ。そう少し自棄にもなっていた。

 だから、

「あ、そ…」

 と、どうでもよさそうにクロが言った時、アニマはどうしようもない苛立ちを覚えた。

 こっちが真剣に答えたのに、なんだ その気の抜けた反応は!

 そう憤慨したアニマは、扉を開け、自分が座っていたベンチをクロに向かって投げた。

 クロを退治した後、アニマは、部室で静かに本を読んでいた。

『THE・暗殺』

 なるほどと感心しながら、図書館から借りた本を読み進めた。



 本を読んでいると、あっという間に時間は過ぎた。気付けば、もう四時限目の授業が開始して十分以上たっている。アニマは、少し驚いた。こんなに時間が経つのも忘れるくらい本に集中していたのか。でも、面白かったなと、授業を一つサボっても罪悪感がまるでないくらいの満足感があった。

 満足した所で、いまさら中途半端に授業を聞く位なら帰ろうと決めた。

 夕飯は何にしようかな、と考えながら帰り支度を進める。

「一昨日食べたけどオムライスでいいかな」

 帰る頃にはメニューが決まった。

 しかし、帰ろうと扉を開けると、そこにアニマの行く手を遮るものがあった。

 それの存在に気付かなかったアニマは、「ふぐっ」とぶつかり、痛む鼻を抑えた。

 なんだ、いったい? 文句の一つでも言ってやろうかと、アニマはそれを見上げた。

 だが、言葉が出て来なかった。

「すまん、大丈夫か…?」

 そこにいたのは、カグラだった。

 一日待った人とようやく出会えて、しかもそれが急な事で、声がうまく出て来ない。あわあわと声にならない声の後、出た言葉は「部長…なにしに?」という問い掛けだった。

「いや、家だと怠けてしまうから、ここで課題をしようかなと」

「あ、そうですか…」

「アニマは? 帰るところか?」

「あ、はい」

 アニマは、おもわず頷いてしまった。

 すぐに今の反応を後悔する。

 ウソでもついて一緒にいればいいのに。なんで帰ると言ってしまったのだ。これでは帰るしかないじゃないか。ぜんぜん一緒にいられないじゃないか。

 抜けそうになる程に後ろ髪を引かれるのだが、アニマは部室を後にした。



「やっぱり避けられているのか?」アニマがいなくなった部室で、カグラは悩んでいた。自席について教科書とノートを広げたのに集中できない。「クロやシロとはわりかし話すみたいなんだよな。……また今度、相談してみるかな…」

 とりあえず今は目の前の問題に集中するか、そう思い視線を下げたカグラだった。が、すぐにガラガラッと扉の開く音を耳にして、顔を上げた。

 アニマが戻ってきた。

「どうした? 忘れ物か?」

「いえ…あの、部長」

「ん?」

「コーヒー、飲めます? あ、あの…自販機で買ったら当たって、よかったらどうぞ」

 早口にそう言うと、アニマは、カグラの席にブラックの缶コーヒーを置き、またすぐに出ていった。

「あ、ありがと」

 アニマがいなくなった扉に、カグラはお礼を言った。

 扉の向こうでは、ちょっとウソをついたアニマが、嬉しそうに帰り道を歩いていた。

 その手に、自分用に買ったカフェ・オレの缶を握って。


クロが雑誌を取り行ったのは、シロに言われたからです。

クロは、雑誌を貸すなんて約束忘れていたし、雑誌の内容も忘れていました。だから、シロに貸す前に、もう一度読み直しておこうと思い、悪の組織の部室で読んでいたのです。


どうでもいい裏事情でした。

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