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お茶に誘ったのはケーキが食べたかったからじゃなく相談したい事があるからだよ

 安くて美味しいカレーが、ある。

 チキンカツカレーや野菜カレーもメニューにあるが、財布に優しいレギュラーカレー。

 それがあるのは、とある大学の学生食堂。

 カツ丼や生姜焼き、麺類や日替わり定食、他にも色々とメニューはあるが、何を差し置いても紹介すべきは、このカレーだろう。

 お好みで辛さを調整する為に使う調味料も置いてある。

 ご飯に対してルーが少ないとか不満もあるが、まずイイとしよう。

 充分に満足できる味をしている。

 実際、この大学の学生であるハイジは、何の文句もなくこの学食を利用している。

 学生ではないクロやシロも、たまに食べに来ている。

 なにも不満はない。

 不満はないが、疑問はある。

 何でこんなにカレーは安いのとか、健康に気を遣ってサラダも食べると何で高くつくのとか、色々ある。

 だが、今はどうでもいい。

 実をいうと、カレーの話なんてどうでもいいのだ。

 ここが学食であること。そして、十数分前まで宿敵のような雰囲気を醸し出していた男と席を囲んでいること。あと、四人掛けのテーブル席で、肩をすぼめたハイジが、なんであんたらがそっちに並んで座っているの、と当然のようにカグラの隣の席に座らされているのに不満を感じていること。

 カレーの話よりも、これを伝えたかったのだ。



 久しぶりの学食。

 ここの大学の学生ではないクロとシロは、学生食堂に来て、少しテンションが上がっていた。

「なぁシロ、何食う?」

「どうすっかなぁ~、たまにはBセットとか?」

「うわぁ~、AじゃなくBにするところが、ひねくれているよね」

「うっせぇな。メニュー選びでひねくれも何も無いだろ」

「俺は、やっぱここ来たらカレーかな」

 昼時ではない食堂は、空いている。正午前後になると腹を空かせた学生たちで長蛇の列が出来るのだが、今はそれもない。

 何物にも遮られない、軽い足取りでクロとシロは席を立った。

「メシ食いに来たわけじゃねぇぞ!」

 不満を声にしたカグラだが、二人は無視して行ってしまった。



 いつもの学食。

 ここの大学の学生であるハイジは、今まで感じたことの無い居心地の悪さを感じていた。

 原因はおそらく、隣で醤油ラーメンを勢い良くズズズーッとすすっているカグラにあるだろう。それか、平常な気分でいられないのは、目の前でカレーにがっついているクロとシロに苛立っているからかもしれない。

「なんだ、ハイジは何も食べないのか?」

 シロに訊かれ、食事をしない少数派でいる事が負けのように感じたハイジは、「食べますよ」と語気を荒げた。

「私、お腹は空いていますから」

 そう言ってハイジが注文したのは『肉うどん』だった。それも百円増しの大盛り。

 おっさんくさい、と三人はツッコミたかった。が、黙った。



 それぞれの前に食べる物が置かれ、まるで食事会のようになっていた。

 だが、忘れてはいけない。

「福神漬け無いの?」

 カレーを食べているクロが言う。

 それではない。

「何が目的で、俺達を呼んだ?」

 シロが、確信に触れた。

 カグラが、何故クロ達を呼んだのか?

 シロからの質問に対するカグラの答えは、「積もる話も、まずメシを食ってからだ」だった。

「そうだな」と、クロとシロ。

 二人とカグラは食事を進めた。

「食べながらでもいいじゃないですか?」

 疑問に思うハイジだった。

 が、「話が伸びれば麺も伸びるだろ」と呆れるようにシロが言う。

「この麺類共が!」

 なんか不愉快だったので、ハイジは、急いで完食した。 


カグラの話は、もう少し続きます。

というか、このペースだと暫らくこの四人です。


早くて安くて美味いから、ハイジは肉うどんを注文しました。おなかがすいていたので、大盛りです。他に理由はありません。



考えてみたらサブタイトルが内容とあっていない…。

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