表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
救世主の残念な日常  作者: 朝夢 瞬
7/7

ものすごい後悔~後編~

その対談は、三十分で終わった。

「まあ、救世主っていうのは、大変なんだな。」俺はため息を尽きながら言った。ミカはうんうんと、頷いている。

そうだ俺はミカに言いたいことが、あったんだった。


「ミカ、お風呂入ーーいや、変な意味じゃないから鎌を降ろせ。」ミカは少し迷っていたが、こちらを睨みながら鎌をおろした。ふぅ、迂闊に発言出来んな。

「粉だらけなんだから洗い流せばと言いたかったんだ。」ミカは自分の服をしばらく見ていた。

「着替えがない。」

「それなら、問題なーー。だから変な意味じゃねぇから。妹が置いていった服があるんだよ。」

「妹・・・居るのか?」ミカは妹に興味をしめしたようだ。

「あぁ、かなり生意気なやつがな。でも今は両親引き連れ、外国の高校に行ってるよ。」

「そうか。妹はこんな兄を持ってかわいそうだな。」ミカはとても同情しているようだった。


「はい、全部説明したから風呂に入れ。」俺は、ミカに会ってから数時間の間に、大分スルースキルを身につけたようだ。

俺が着替えを渡すと、終始こちらを警戒したように睨んでいたが、しぶしぶお風呂場に入って行った。鎌を持って。

「そんなに信用ならねえかよ!!」俺は誰もいなくなったリビングで叫んだ。


俺は、ミカがお風呂に入っている間、一人の時間を満喫していた。ここまで一人が心地良いと、感じたことはない。この時間が永遠であればいいのに。

「ピーンポーン。」一人の時間は終わった。俺は、若干イライラしながら玄関に走って行った。

「どちら様でしょうか。」俺はドア越しに言った。

「死神に決まってるだろ!!」小学生くらいの女の子の声が聞こえた。


俺の思考回路は、完全に停止してしまっていた。血迷ったのかわ知らないが、俺はミカのいるお風呂場に走っていき扉を開けていた。そこには、バスタオルを巻いたミカがいた。ここで、やっと思考回路は復活した。

即座に選択肢が頭に浮かんだ。

1 素直に謝る

2 開き直る

3 感想を言う

ふっこれしかないだろ。選択したのは、4

鎌を避けるだった。真っ二つはまぬがれたが、腹部をざっくりといかれた。

俺は追撃をくらうまえに扉を閉めた。

ミカはお風呂場でギャーギャー言ってたが、俺の一言で静かになった。

「死神が来た。」そしてミカは、俺が一番恐れていた一言を言った。


「運命が変わった。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ