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救世主の残念な日常  作者: 朝夢 瞬
3/7

飴とムチ 笑顔とカマ

その、答えが返ってくるまで長い間があった。そして、待ちに待った時がきた。「あるマイボルを持つものが、神になった」ミカがため息を吐くようにつぶやいた。「その新しい神に、他の天使や悪魔が同意しなかったってことか??」俺が聞くと、ミカは首を横に降った。


そして、紙芝居を取り出した。いや、どっから出てきたんだよ。先ほどの紙芝居よりは、かなりうすいようだ。ミカは拍手をすると、読み始めた。拍手に特殊な効果でもあるのだろうか。


「戦争とその後 作 ミカ・ルネシア 戦争の後、悪魔と天使の関係はかなり悪いものなってしまった。」「質問させてくれ。」「質問は後から」デジャヴを感じたが、今回は、聞かずにはいられなかった。「いや、今聞かなきゃ忘れるから。少し答えてくれないか。」ミカは少し考えるように首を傾けた後、頷いた。


そこで、俺は最初から感じていた違和感に対しての質問をした。「天使と悪魔は仲がいいのか?後一つ、悪魔は悪い奴のイメージがあるんだが、実際はどうなんだ?」ミカはなんだそんなことかというようにあっさりと答えた。


「悪魔は罪を犯した人間を処刑する仕事、天使は処刑された人間の魂を神に届ける仕事。簡単にいえば仲がいいというよりは、協力していたという方が正しい。」そういうことか。人は勘違いしていたんだな。「そして、もう一つの質問の答えは・・・・」


答えを目前に沈黙が訪れた。やはり悪魔は悪い奴なのか。「この笑顔が悪い奴に見えるか??」ミカは初めての笑顔を浮かべながら聞いてきた。veryかわいすぎる。さっきまで無表情だった分、笑顔が際立っている。俺は天使の笑顔の悪魔を見ていた。「カメラを持ってきていいですか。」ヤバイ本音が出たと思った。しかし、時すでに遅し、ミカが笑顔のまま俺の左足を鎌で貫いた。痛みは少しだが、肉に刺さる感触はある。


「紙芝居を続けていいか??」ミカは無表情に戻っていた。俺は頷いた。できれば、鎌を抜いて欲しいが。ミカは返り血のついた紙芝居を、読み始めた。「関係は悪化していた。天使と悪魔は、それぞれ代表者をだしてそれぞれの社会を築き、協力しなくなった。それはそれで安定していたので良かった。はっきりといってしまえば、このせいでひどいことが起きたわけではなかった。


そして半年前、その代表者が現れた。その代表者が持つマイボルはとてつもなく恐ろしいものだった。」ここで、ミカは紙芝居を置き聞いてきた。「どんなマイボルだったと思う??」


俺は急にふられてあたふたしていたが、頭に浮かんだことを述べた。「全ての破壊とか??」ミカは首を縦にはふらなかった。そして、そのマイボルを短く説明した。しかし、その短文にはものすごい絶望感が混ざっていた。

「意識のない者全てを、操ることができる。」

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