レッド!!ブラッド!!デッド!!
初めての作品でいろいろとおかしいところがあると思いますが、よろしくお願いします。
俺は、汗のにおいが染み付いてしまっている布団の上で目を覚ました。今日は日曜日。いつもならここで、睡魔に負けて夢の世界へ、再入場するところだが、今日は違った。
なぜ・・・なぜ俺は血だらけなんだ!!
そう、俺は血の海とかした布団の上で血だらけで倒れていたのだ。不思議と、痛みは全くない。
思い出せ!!俺!!今日の行動を明確に。それでいてスマートに。「そうだ、携帯を見れば」俺はつぶやくと同時に、起き上がり青色から見事なまでの赤色に変わったジーパンの右ポケットに手を突っ込み、携帯を・・・いや、何かの破片を取り出した。その正体は分かっていたが、しばらく携帯を探していた。
くそ!!破片が入っていたが、携帯は落としてしまったのか、と自分に言い聞かせながら破片を投げた。破片は予想以上のスピードで飛び、見事に跳ね返り、俺にヘッドショットを決めた。
頭が少しのけぞる程だったが、やはり痛みはない。その一撃が、俺の脳を覚醒させ、全てのことを思い出した。そういえば・・・
「なんで目覚ましが壊れてんだよ!!」 俺はろくにアイロンもかかってなく、よれよれな制服に着替えながら叫んだ。
今日は土曜日だが、俺たった一人だけ赤点をとったため、特別補修という名の八つ当たりフィスティバルが開催されるのである。
開催時間の30分後を示している腕時計を身につけ、家から出ようとした時に忘れ物に気づいた。「おっと危ない危ない生徒手帳を忘れるところだったぜ。」
独り言を言いながら、俺は『輝山 闇斗 甲桜高校二年生』と書かれている生徒手帳を学生カバンに放り込んだ。そして、はげしく太陽が照りつけるなか50m6.9秒の足で走った。風をきりながら・・・汗を輝かせながら・・・鍵をかけ忘れていた。
「う~あぁ~やっと終わったぁ~~」
俺が背伸びをしながら地獄の高校の脱出に成功したのは、8時をまわった後だった。あの野郎、利子がついたなどと言って散々、問題数増やしやがって。
俺はため息をつきながら、むしゃくしゃした時にいつも通る狭くて暗い路地を歩いていた。はっきり言って俺は、人との関わりをあまり持ちたくない方だ。だから、学校でも変にまとわりついてくる、ある奴以外とはほとんど会話をできない。いや、しない。
ここは最高だ、人には滅多に合わないし、車も通らないし。まさに俺に最適な環境だ。しかし、それは間違っていた。ここから10m程先の交差点の真ん中にボンヤリと人影が見えた。
こんな暗い路地で、何をしているのか疑問にも思ったが、やはりスルーしようと考えていた。断じてビビリではない。そんなことを考えながら交差点に近づいていくと、その人影は自分より2、3歳ぐらい年下であろう女の子であることが分かった。かわいいと思ってしまった俺はロリコンなんだろうか?いや、あの娘を見てかわいいと思わないのは人間じゃない。俺は頭のなかで自分のロリコンを正当化しながら、その交差点に近づいていた。
しかし、今まで考えていたことが、すべて地平線の彼方まで飛んでいきそうな程の衝撃光景が目にはいった。右の方向から怪しい紫のオーラを放つトラックが路地の狭い壁を破壊しながら、まっすぐ女の子に突っ込んで来ていたのだ。女の子は微動だにしていない。
俺の脳は一瞬でいろいろと考えていた。(何故、この路地にトラックが?なんで女の子は逃げないんだ?あのオーラはなんなんだ?)しかしいろいろ考えた俺は、行動に移したというより反射といったほうが正しい行動を起こしていた。今日の疲れでボロボロになっている自分に鞭をいれて力の限り走った。そして、俺の体はトラックまで残り1m30cm程の距離にいる女の子を突き飛ばした。
女の子のハッとした顔を見たところで、俺の体は星が美しい夜空に打ち上げられていた。景色がめまぐるしく変わっている。はげしい痛みが襲ったが一瞬で消え去った。(ヤバイ、もうこれ死んでるわ)俺はベキャッと生きてる間には出せない音を出しながら、アスファルトの地面に打ち付けらた。
俺は空に向かって舞昇っていた。下をみると、血だらけの俺が一人倒れているだけで、他に何もなかった。女の子も、トラックも消えていた。死ぬってこんな感じなんだな、たいして今までと変わらずに、考えることができるんだな、といろいろと考えながらもどんどん昇っていた。
昇ってるってことは天国なのか??よっしゃーやったぜ神様ありがと~~。もうこの世に未練はないぜとばかりにのんきな考えをしていると目の前に黒い鎌が振り下ろされた。・・・・・・俺は生きた心地がしなかった•••死んでるけど。
「クソッこのっ逃げんな!!」俺の周りを、正しくは俺の魂の周りを鎌が狂った様に振り下ろされながら小学生位の女子の声が聞こえた。死神だ~~~と焦っていると俺は何かに捕まった様に凄まじいスピードで地面に向かって落ちていった。俺は二度目の死を覚悟しながら気を失った。