8.In王都
国王から返事が来た。
なんでも、『騒ぎになるからできれば夜のうちに王都に入って、王宮の庭で休んでほしい』
ということだ。
まあ、そうだよね。魔獣認定されているワイバーンちゃんが白昼堂々と王宮の庭に入ったら大パニックになるよね。―――可愛いのに。
後日、本当に私とアレックス様はワイバーンちゃんで王宮の庭へと降り立った。
厨房の人(寝てた)に書き置きで、生でリンゴを偶数個用意してください。とお願いした。
ワイバーンちゃんはリンゴが好きだからね。
国王にあった。
久しぶりだ。そういえば、国王を強面にして、ムキムキにすれば、お義父さんにソックリ。
「他でもない。王位を其方、アレックスに継いでもらいたく…」
「お断りします」
「私もアレックス様に付随して王都で生活をするようになるのでしたら、お断りしますわ」
「うむ……困った」
「身から出た錆ですわ。第2位の王位継承者は?」
「ルドルフだ」
お義父さんかぁ。ということは、アレックス様が第3位くらいかな?
「王位継承者の中から他をあたってください。私は王位継承権を放棄しますよ」
「ああ、ルドもそう言って放棄したし…」
「あ、そうそう。私は王都に来ません。したがって、辺境伯を継ぐ者は私と決まっているのでエドワード王子とか平民の女とかを辺境に寄越さないで下さい」
「そうですね。私も会いたくないですし。どこか他の辺境とか離島とかに送ればよいのでは?」
そう言って、私とアレックス様は早々と王都を後にした。号外が出ようと知りません。辺境では号外など見れませんからね。
夜を待たずに出発したので、王都は結構なパニックでしたけど、ソニーもフランも厨房の人からたくさんリンゴをいただいたようで、終始ご機嫌でした。
「あら、もう帰ってきたの?」
「用は済んだから」
ワイバーンちゃんは早いですねぇ。もし馬車で往復だったら一か月位かかる旅だったんじゃないかな?
「アレックス様は王位なんか継ぎませんよ。継ぐのは辺境伯です!」
「ほぉ。辺境伯を継ぐとは大きく出たな。訓練でも一度も私に勝ったことのない若造が!」
「脳筋の時代は終わろうとしてるんですよ」
舌戦がコワイ。
「こっちに来いヤァ!」
「望むところですよ」
と、二人は腕相撲を始めてしまった。
「何度見てもルドの前腕の筋肉はステキ♡」
お義母さん…筋肉フェチなの?
アレックス様も善戦しますが、筋肉には勝てないようで、お義父さんの勝ちです。
「連勝記録が伸びたな」
「驕れるものは久しいんですよ」
ああ、お義父さんの顔に『?』がっ。お義父さん、本当に脳筋なんですか?
忘れていました。結婚式の後の事を。
私は愉快に楽しくお義母さんとドレスはどうするかとかそんな話ばかりをしていました。
「招待客については、うーん、向こうだってココに来るのが面倒よね?事後報告みたいにあとで主要なところに手紙でも出しましょう、うん」
主要なところ…侯爵家以上かしら?あと有力な伯爵家?
結局脳筋なの?でもアレックス母は筋肉フェチみたいだからいいんじゃないか?辺境伯だからそれなりに領地あるよなぁ。…領地経営。




