第23話
翌朝ルキアと二人で朝食を食べているとマグナスが帰って来た。
「戻った。うむ、家に誰かが待っているというのはいいものだな」
オレとルキアの寝袋やら旅の道具をたくさん背中に背負ったまま何やらしみじみとしている。
「ジジイ、本当に今日からオレ達旅立つのかよ、急だな?」
「うむ、実は近隣の村へ挨拶がてら何か異常はないか聞いて回ったところ数日前に人狼に襲われた集落がある事を聞いてな、なんとか逃げられた人が近くの村に助けを求めたらしい。襲われて5日ほど経つ、もはや手遅れだろうが討伐へと向かわねばならん」
「人狼~?そんなもん冒険者の仕事だろ?」
「人狼は人間の言葉を理解し、人より強く、群れる、冒険者に依頼すればB級を集めねばならん。だが今回の村からは一夜にして滅ぼされ依頼も出ていない、当然報酬金を出す人間もいない。誰も引きうけん。そして人狼は放っておけば近隣の村の安全を脅かす。得る物はせいぜい人狼を片づけた感謝、栄誉くらいだな」
どうやらこのジジイ、本当にオレを連れまわして人助けして各地を回るつもりのようだ。
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現在オレはマグナスの走鳥が牽く荷台の後ろに座り、揺られている。
後ろから着いて来るルキアは自分の走鳥に乗っていた。
後ろのオレにマグナスが話しかけて来る。
「ああ、ゼノよ。フードを被らなくていいぞ?」
「あ?魔族だってモロバレだけどいいのかよ?」
「善行を積むのに正体を隠していては意味が無いからな。そうだろう?ルキア嬢?」
「はい!我々教団員も仮面を被る事は止める様にすでに通達してあります、しばらくは差別され迫害されるでしょうが、きっとすぐ払拭されるはずです」
なるほど、そういう事か。
「ゼノ、分かっているとは思うがお前の行動で魔族の評価が変わる」
「殺すなってか?嫌だね、オレはオレの好きにさせてもらうぜ?俺がどれだけ善行積んだ所で他の魔族が人間に悪事働いてちゃ意味ねーだろ」
「だからと言ってお前までそれに倣う必要もあるまい?信用しているぞ」
「…。」
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夕暮れ、襲われた村から一番近い村に着いた。
すでに村長に話は通してあるのかまっすぐに一晩借りる予定の空き家へ向かう。
野良仕事を終えた住人達がこちらを見てヒソヒソと噂話をしている、まぁ、そうなるわな。
「おい、ジジイ、あいつらムカツクからぶっ飛ばしていいか?」
「良い訳ないだろう…」
空き家の中へ入り、夕食を取りながら明日の相談をする。
「夜は夜目で不利となる、今夜はここで一泊し、明日の朝ここを出れば昼には目的の集落へ着くだろう」
「犬退治にずんぶんと慎重じゃないか」
「万全を期すのは冒険者の基本だぞ?何が起こるかわからんからな、どうせ慌てて向かったところで襲われたのは5日も前だ」
「ふーん」
「私は少し緊張しています」
別にオレ達魔族は夜でも見えるんだけどな。
そして上級雷撃魔法を使いこなす六魔将の娘は随分と弱気だ。
あまり荒事に慣れていないんだろう。
「さ、明日の朝は早いぞ。もう眠ろう」
マグナスはそういうと寝る支度を始めた。
なんか水〇黄門始まって無い!?
謎の呪文置いとくね?
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