第22話
朝食の香りで目を覚ました。
目を瞑ったまま手を布団の中で伸ばしルキアを探す、どうやらベッドの上にはいないようだ。
ベッドから這い出てロフトからリビングを見下ろす。
そこには炊事場で朝食の用意をするルキアとテーブルでコーヒーを啜っているマグナスが居た。
「ルキア嬢、どうだ?昨日はよく眠れたかな?」
「っ!!え、ええ。とてもよく眠れました」
「フフ、そうか、それはよかった。ゼノにイタズラなどはされなかったかね?」
「はい!何もありませんでした、何も!」
「おぉそれは良かった、10歳程とはいえあいつも男だからな!フフフ」
ルキアがジジイにセクハラされていた。
何やってんだあのジジイは…。
梯子を使ってリビングに降り、席につくとルキアが水の入ったコップを目の前に置いてくれた。
「お、さんきゅー。おはよー」
「はい、おはようございますゼノ様」
「ゼノ、おはよう、よく眠れたか?」
ジジイは無視する。
昨日の朝はそんな事聞かなかっただろオマエ…。
ルキアが並べた朝食を食べながら今日の予定をマグナスが話す。
「昨日の今日ですまんがな、今日も午後から出かけねばならんのだ。午前中はいつも通り模擬戦闘、午後からはルキア嬢と文字の読み書き、魔法の練習と言った予定にしようと思う」
「午前中の練習にルキアも混ぜてくれ、ミカレ殿譲りの魔力の高さは感じるが近接が弱そうだ」
「ふむ、いいだろう。ルキア嬢もそれでいいかな?」
「はい、ゼノ様のお役に立てるよう頑張ります」
「うむうむ、それから今日は出かけた先で一泊する予定で、夕食は二人で取ってくれるか?戻るのは明日の午前中になるだろう」
マグナスの予定を聞き、ちらっとルキアを見ると目が合った、ルキアが慌てて視線を逸らしている。
「りょーかい」
「では少し休んだら午前中の訓練と行こうか、ああそれと…」
マグナスが少し間を貯めてこういった。
「明日からは3人一緒に出掛ける事になる、ルキア嬢には言っていなかったが私はゼノを世界中連れまわして修行するつもりだったのだよ」
「なるほど、そうだったんですね」
「うむ、ルキア嬢も従者としてゼノについて共に各地を回る事になるだろう。何か要り用の物があったら買ってくるので紙に書いておいてくれ」
「はい、わかりました」
そしてルキアと共に訓練を始めた。
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出かけたマグナスを見送った午後、オレは岩の上で釣りをしていた。
「ゼノ様、読み書きの練習はしなくてもよろしんですか?」
「問題ねーよ、どうせこれから旅先でも勉強は出来る、なにより急ぐ必要も無い」
「確かにそうですね」
「ていうかお前結構強かったんだな、流石はミカレ殿の娘だ」
「魔法だけですけれどね、魔法抜きの剣の方はC級くらいですよ?」
「いや、魔法だけでもA級くらいあるぞ?身体強化魔法と合わせて剣の腕も磨けば多分A級上位になると思う」
「ふふふ、ありがとうございます。これからも修行に励みますね?」
そういうとルキアは鼻歌を歌いながら洗濯物を干し始めた。
いかんな。ルキアがオレの言う事は何でも聞くぞこれ。
完全にルキアの中でオレが優先順位最上位に位置している。
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夜、ルキアと一緒に夕飯を食べる。
「なんだか悪いな、いきなり旅に出る事になっちまって」
「お傍でゼノ様の活躍を見られるだなんて光栄です!」
「活躍するかねぇ」
「間違いありませんよ!」
そうかなぁ。
「どうもあのジジイ大陸中を旅して問題解決してはこの拠点に戻ってくる生活してるっぽいな」
「そのようですね」
「次にこの家に戻ってくるのは何日後になるのかねぇ」
風呂も入って、ルキアと布団に入り魔力灯に布をかける。
一度魔力を込めた魔力灯は消したいタイミングで消す事が出来ないので蓋を被せたり布をかけたりする。
隣のルキアの手を何となく握ってみた。
「んぅ?どうしました?ゼノ様」
「何となく。何となく握ってみた」
「何となく、ですか。ふふふ」
「俺は前世のほとんどをザハンナ大陸で過ごしたからな、ちょっと旅が楽しみだ」
「私もゼノ様との旅が楽しみです」
月明かりでも彼女の明るい金髪と美しい顔が見える。
魔族の目が良くて得をした。
「きっと楽しい事がいっぱい待っていますよ?」
そう言うとルキアは俺の頭を抱きしめた
森の家に引き籠っていても話は進みませんので。
流石に『そして1年の月日が流れた』とかは嫌。
謎の呪文を置いて置くよ!
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なあにこれ?




