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魔族の将、二度目の人生を自由に生きます  作者: 灰銀朔太郎
第二章『シェクルト教団』

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第20話



 森の中へと呼びかけるとマグナスとルキアが一緒に出て来た。

 ルキアも来てたのか。


「100点だ、ゼノ」

「おぉーやったぜ」


 マグナスに満点をもらいへらへらと喜ぶ。


「悪かったなルキア、あいつお前の仲間だったんだろ?」

「いえ、ありがとうございました…。まさか彼がキルスタンの部下だったとは…」

「別にお前の為じゃないけどな」

「父の為、ですか?」

「まぁな」


 なんか少し照れくさいのでそっぽを向いて答える


「ふふ、本当に、本当にありがとうございました」

「お前これからどうすんの?」

「アウロラスが居なくなった事で教団内からも離反が起こると思います、そのゴタゴタを片づけないとですね」

「あんな奴にも求心力なんてあったのか?あぁ、猫被ってたんだったか」

「えぇ、あのような一面は、私と()()()()に見せるくらいで、信者の前では強く美しく優しい男だったので…」

「強かったかぁ?まぁコイツ(クリヴァール)持ってりゃ上級魔族なら誰でもそこそこ強いか」

「私たちの活動には魔族と人の争いに傷ついた方々への支援や保護も含まれているので、やはりどうしても『力』が必要なのです、ゼノ様が来てくれてもいいんですよ?ふふ」


「おっとそれは困るぞ?ゼノの教育はまだ始まったばかりだからな」


 マグナスが横から口をはさんでくる。


「という事だ、手伝える事はないが応援はしている。がんばれよ、ルキア」

「はい!」


 そう微笑むとルキアは去っていった。




 ───────────────────────────────────




「おい、ジジイ、あの野郎に恨みあったんだろ?良かったのかオレが殺しちまって」

「別に構わんよ、見ていてスカっとしたしな、その調子で魔神も頼むぞ?フハハハ」

「勘弁してくれ」


 ジジイと夕飯を食べながら今日の出来事について話していた。


「ルキア嬢の心の傷は大丈夫だろうか」


 マグナスがルキアの話題を振ってくる。


「大丈夫だろ。魔族の人生は長い、時は全てを洗い流してくれる」

「ふむ…」

「見た目が若いからそう感じないんだろうがルキアは400歳越えてんだぞ?あれくらいすぐ立ち直るさ」

「だといいんだがな」

「ジジイは心配性だなぁ」

「それにしてもその槍凄いな」


 ジジイがクリヴァールへと話題を変える。


「これはオレの前世の愛槍だった、魔力を込めれば火が出るぞ、かっこいいだろ?」

「俺の様な闘気で戦うタイプにはその真価を発揮出来ないな」

「そうだな、込めた魔力量で性能が跳ね上がるからジジイには不向きかもな、これアーティファクトなんだろう?」

「うむ、魔族では呼び名が違ったのか?」

「こういうのは纏めて宝具とか魔道具とか、神話時代に作られた物は神具とか、そんな感じで呼ばれてたな」

「そのレベルの武具も魔道具扱いか、人族とはだいぶ違うな、フフ」


 ジジイと食後の団欒をしながら別に苦でもないので水龍草はあるが川から汲んで来た水で皿を洗う。

 六魔将ゼノの皿洗いである。

 ちなみに調理係はジジイだ。


「アーティファクトって面白いよなぁ、オレはジジイの弟子卒業したら世界を回って蒐集でもしようかな」

「おぉ、おぉぉ…わかる!わかるぞゼノよ!ついて来い!!」


 ジジイが満面の笑みで同志を見つけたとばかりにはしゃぎだす。

 手を洗って水分を拭き取りながらジジイの自室へとついていった。


 中はあまりにも質素で文を書く小ぶりな執務机以外はベッドしかない。


「ここだ」


 そういうとマグナスは部屋の隅の床板を外し、階段を下りて行った。

 ここにも地下室があったのか、確かにリビングの地価はリビングと同じ広さに地下室であったが、マグナスの部屋の下にも地下があったとは。

 マグナスが魔光石で作られた魔力灯に明かりを灯すと驚いた。


 そこは部屋の四面が全て棚になっており、その全てに所狭しと色々な武具や道具が並べられていた。


「この家を継ぐという事はこれらもいずれはお前の物だ、今度じっくりと全ての名前と効果を教えてやろう」

「おぉ~それは楽しみだな!!」


 オレも魔道具は大好きだ、これから食後に毎晩教えてもらうとしよう。

 うきうきしながら部屋中を見渡していると遠くから『すみませーん』と来客の声が聞こえた。

 マグナスと顔を見合わせる。



 こんな夜分に、森の中の家に来客?


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