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ようこそ、一条家へ  作者: 如月はづき
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52.観劇会④

 



「大変素晴らしい作品をありがとうございました。また来年もよろしくお願い致します」


「次年も一条家の活躍に期待しております」


 国王陛下と挨拶を交わして観劇会は終わった。ロータリーで迎えの車を待つ。


「素敵な作品だったわね」


「そうだね。柚子、メイド学校の時に見たよ!……なんで赤薔薇だったんだろう」


「お前なぁ……。そんなの我が一条家がいい働きしてるからに決まってるだろ!」


「去年の演目では、五十嵐家のすずらんが劇中に登場したから順番よ。……修斗くん声が大きいわ、はしたない」


 お姉ちゃんと話していたのに、修斗くんが割り込んできた。また数回言い争いをしたけど、言い返せなくなった修斗くんがワナワナし始めていた。




「ところで柚子、明日は何か食べたい物があるかしら?」


 お姉ちゃんがこちらを向き直って聞いてくれる。あぁそっか、明日はーー。


「そうだなぁ……。オムライスもいいし、タンドリーチキン……お魚と野菜を蒸したおいしいやつもいいよね!」


「明日の朝までに教えてくれれば、夕飯に間に合うように作るわ」


「うーん。うーん。考えておくね!」


「わかったわ」


 とても悩ましい質問をされてしまった。真剣に考えていると、目の前に見慣れた車が停まる。


「おまたせ~。すごい混んでた~」


 明るい深雪さんの声が聞こえて、みんなで行きと同じ位置に乗り込み、騎士団からの見送りを受けて出発する。外は真っ暗だけど、家々に電気が灯っている。みんな家族でクリスマスパーティーをしているんだろうな。




「なぁなぁ、柚子ちゃん。明日何かあるん?」


「ふぁ?ん?……明日なんで?」


 少し寝ていたらしい。光くんの声に目を覚ますと、もうすぐお屋敷に着くところだった。


「ごめんな、寝てたん?」


「ん、大丈夫!なんだっけ??」


「明日何かあるん?って。ほら、結衣さんあんまり人にご飯のリクエスト聞かんから」


 全員の意見を平等に取り入れられないからーーとお姉ちゃんは基本的にリクエストや好き嫌いを受け付けていない。彼の誕生日の時にも同じように不思議がって尋ねられた気がする。


「言ってなかったっけ?柚子、明日お誕生日なんだよね」


「え?あ、明日?……そうなん?でも、柚子ちゃん誕生――」


「お姉ちゃん!柚子唐揚げにする!」


 光くんが何かを言いかけていたけど、思い立ったことは言わないと忘れてしまう。私はやや大きな声でお姉ちゃんに叫んだ。


「わかったわ。楽しみにしていてね」


「うん!」


 最近食べていないし丁度いいね!ふと横を見ると光くんの顔色が良くない。


「光くん?大丈夫?」


「あ、え、あー」


「柚子何かした?」


 何かを考えているような様子に、顔を覗き込んで問いかける。


「あ、いや。……そう!俺、柚子ちゃんに誕生日プレゼント用意してへんなぁと思って……」


「えー。別にいいよ!気にしないで」


 そう笑いかけた所でお屋敷に着いた。車から降りると雪がチラチラ降っているところだった。明日の朝は積もっているかなぁーー。そんなことを考えて玄関を入る。





 王暦235年12月25日

 王宮主催の観劇会に行ってきた。メイド学校の時に見た演目だったから、楽しかったし寝なかった!セーフ!

 久しぶりにおめかしした……ちょっと太った気がするけど、頑張って動くことにする!

 光くんのスーツがかっこよかった。


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