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ようこそ、一条家へ  作者: 如月はづき
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50.観劇会②

 


 あらすじは確かーー

 その昔、この東雲王国が隣国の帝国と争いになった。争い終結の為に、王女を帝国に嫁がせるという案が浮上する。賛成派と反対派、王国を二分しかねないこの案に、王国騎士団の青年が立ち上がる。青年は王女の遊び相手として宮廷で育ち、昔から王女に心惹かれている。そんな彼が、大切な人を守る為に戦いを指揮し、その最中で王女に想いを伝える。

 と言った話だった気がする。基本的には、ラブストーリーだ。



「私1人が帝国に出向くことで、この争いが終わるのなら……私は喜んで帝国に嫁ぎます」


 場面はちょうど王女に提案がされたところだ。この王女が覚悟を持って自分の気持ちを伝えるシーンは、前半で1番感動する場面だ。チラッと左を見ると立花さんが涙を拭っているところで、右を見ると光くんが涙を拭うハンカチを探しているところだった。


 前半が終わり15分の休憩となった。


「光くん泣いてたねー」


 ずっと席にいるのも肩が凝る。私と光くんは、ロビーの隅っこで立ち話をしていた。


「あれは感動するやろ!柚子ちゃんは泣かへんかったんか?」


「柚子このお話見たことあるから」


「そうなん?」


「うん!メイド学校の時に見たことあるお話しだった」


 休憩時間とは言え、ここは社交の場。またご挨拶合戦が始まっているけど、新人の私や光くんに話しかけてくる人はいない。堅苦しいことが苦手な私には好都合だ。


「そういえば、柚子ちゃん珍しくアクセサリー着けてるんやな」


 前半の感想を語り合っていた合間に、光くんに問いかけられる。そっとネックレスに手を当てる。


「正装に近い格好だからね。指輪とかブレスレットはつけ慣れなくて……」


 仕事柄、手首や指に何かがあるのは苦手だ。ムズムズしてしまう。


「よく似合っとるよ。……でも柚子ちゃんがそういう色着けてるのは珍しい気がしてな」


「水色とかの方が好きなんだけど、正装は誕生日石のネックレスをつけなくちゃだからね。似合ってるって言ってくれて嬉しい!ありがとう」


 光くんに褒められてすごく嬉しかった。照れ隠しで早口になってしまったけど、この緊張は伝わっているだろうか。


「そろそろ時間やな。戻ろうか」


「うん」


 自分の席に着いて、後半の幕が上がるのを待つ。似合ってるーーそう光くんは言ってくれた。火が苦手でその延長で真っ赤な色は好きじゃないけれど、彼の一言でこのルビーの色は好きになれそうだった。



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