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ようこそ、一条家へ  作者: 如月はづき
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45.手がかりへの招待状②

 

 この時期冷えるなぁ……。お風呂を出てから2階の自室までの距離が、とても長く感じる。早くお部屋に行って日記を書いて、お布団に入ってぬくぬくしよう!そう決めて階段を一段飛ばしで登る。




「柚子ちゃん!危ないで!」




 踊り場までたどり着いた所で、目の前から声が聞こえる。




「危なくないもーん!光くんは心配性だなぁ」




「気をつけんと。怪我したら困るで?」




「はいはい」




 適当に返事をして、その場をやり過ごそうとしたのに、光くんは私を見たまま立ち止まっている。何か用事かな?なんとなく、光くんを見上げてみる。




「あー。柚子ちゃん時間ある?観劇のことで聞きたいんやけど……。良かったら、リビングで話せへんかな?」




「観劇のことなら、お姉ちゃんの方が詳しいと思うけど……」




「あー。そうなんやけど……その、結衣さんやと何と言うか……」




 観劇のことをざっくり知りたいんだろうなと悟った。お姉ちゃんに聞いたら、すごく熱く語られるからかーー。




「いいよ!……柚子に答えられることなら何でも」




 そう返すと、光くんは分かりやすく笑顔になった。リビングは遅くまで暖炉がついているから、暖かいし私にとっても好都合だ。






「ーーお待たせしました。これ、俺からの感謝の気持ちな」




 リビングに着くと、光くんは少し待っててとキッチンへ消えた。数分後戻ってきたその手には、紅茶とクッキーがあった。




「ありがとう!遠慮なく頂くね」




 クッキーを1枚口に運ぶ。んー、美味しいなぁ。




「それでその、観劇のことなんやけど……。もし行くってなったらルールとか独自のマナーとかあるん?」




「んー。舞踏会がちょっと緩くなったようなルールだよ。服装はお姉ちゃんとかが選んでくれると思うし、……あ!観劇の最中は静かにしてる!これ大事ね」




 紅茶を飲みながら話して、ふと思う。




「光くん、執事学校で観劇の授業なかったのー?」




「え?あぁ……あったような気もするんやけど。あんまり真面目に聞いてへんかった」




 光くんは、真面目に授業を受けてるタイプだと思ったから意外だった。




「そっか!柚子とお揃いだね」




 そんな風に笑い合って、2人だけのお茶タイムは終わった。






 翌朝、朝食の準備も終盤に差し掛かった時にお姉ちゃんは立花さんに呼ばれた。朝食の席で、観劇会に誰が行くか発表する為の最終調整だろう。


 残りの作業は、盛りつけた料理をテーブルに運ぶだけ。2人分ずつ運んでいる所に、光くんが現れた。




「おはよう!これ運べばええん?」




 聞くと立花さんから、私の手伝いを頼まれたらしい。素直にありがとうとお礼を述べると、昨日のお礼だと返された。やっぱり優しいなぁ。




「観劇会の件だが、相談の結果……育と深雪に留守を頼む事にする」




 なんとなくそんな予感がしたけど、私は出席しないといけないらしい。修行先から戻ってきたメイドだから、紹介がてら連れて行くということなんだろう。留守番が良かったなぁと思ったけど、観劇に行けることを喜んでいる様子の光くんの姿を見てーー彼と一緒に見られば面白いかもしれないと思った。


 後日、出席の届出を出したからだろう。王宮から招待状が届いた。






 一条家メイド 白川柚子 殿




    貴殿を下記観劇会に招待致します。


    当日は存分にお楽しみください。








        記


   日時:王暦235年12月24日 17時より


   場所:東雲王国王宮第一劇場


   内容:『花の騎士ナイト




 ※当日は混み合いますので、お車は乗り合わせ若しくは送迎をお願い致します。




                         東雲王国宰相  雨ノ森潮



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