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ようこそ、一条家へ  作者: 如月はづき
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44.手がかりへの招待状

 




 一条家当主 一条大雅様




 拝啓 初霜の候、ご一家皆様もお変わりなくお過ごしでしょうか。




 今年も王国運営・王家への協力に感謝致します。


 感謝の意を込めて、下記日程にて行われる王家主催クリスマス観劇にご招待致します。多くの方のご参加をお待ちしております。




         記


 日時:王暦235年12月24日 17時より


 場所:東雲王国王宮第一劇場




 11月末日までに参加者氏名を別紙に記入し王宮貴族統括室まで提出してください。






                     東雲王国国王 東雲 旭


                     代筆 東雲王国宰相 雨ノ森 潮






「……ということで、クリスマス観劇の招待状が届いた。留守番を2名置いて他は全員参加とする」




 11月の寒い夜、夕食のビーフシチューを前に大雅くんからその言葉は放たれた。ーークリスマス観劇ってなんだ?そんなの前にあったっけ?いつもクリスマス舞踏会じゃなかったっけ?頭の中が疑問だらけになったので、溢れないうちに隣のお姉ちゃんに尋ねる。




「クリスマス観劇ってなぁに?柚子知らないよ」




「柚子が修行に行っている間に、舞踏会から観劇会に変わったのよ。……ほら舞踏会だと……ね?パートーナーが必要になるから、そういうのがない方がという事になったみたいよ」




 珍しく言葉を濁したお姉ちゃんの目線は育に向けられていた。


 私が幼い頃に流行した死に至る病がこの国を襲った。ちょうど私たちの親世代と同世代の女の子が感染しやすかった、その為人口減少に繋がったし、現状メイド不足・お嫁さん不足にも陥っている。


 そして、私たち世代が年頃を迎えた時に、舞踏会が男性だらけ……という現象が生まれた。パートーナー不在の人が多すぎて舞踏にならないーー打開策として、その家のメイドが代理として出席することが許可されそれが広まった。それでも足りずに、なんと男性が女装して参加することもあった。


 我が家でも……私が修行に行く1年前にそれは起きた。3名の出席が必要な舞踏会、この家にいた女性は時のメイド長とお姉ちゃんと私だった。けど、メイド長はもう腰を悪くして引退する直前だった……人数が足りないけど一条家のパートーナーなんてそう簡単に見つからない。白羽の矢が立ったのは、私とそう身長が変わらなかった育だった。確か庭に植える木だか花だかを、好きなだけ買っていいって条件で参加させられたんだったなぁ。




「何か用?」




「んーん、なんでもない!」




 育にこの話は厳禁だ。蒸し返すと怒られるから黙ってご飯を食べよう。




「クリスマス観劇ってどんな内容なんですか?」




 光くんがお姉ちゃんに問いかける。……観劇行きたいのかなぁ?私はどうも苦手なんだけどなぁ……お留守番がいいな。




「毎年違うから何とも言えないけれど、王宮劇団の方が演じられるから、伝統的な内容のものが多いかしら。……去年はシルヴィアって言う異国が舞台のお話だったわ」




 趣味は観劇と言うだけあって、普段は必要なことしか話さないお姉ちゃんが、去年の観劇について語り始める。光くんと、昨年はお留守番だったらしい深雪さんが一生懸命聞いていた。……学生の時に授業で見たお話は確かに面白かったから、あれならまた見てもいいかなぁ。

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