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ようこそ、一条家へ  作者: 如月はづき
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40.災⑥

 


 一条家 白川柚子様




 襲撃されたって聞いたぞ。


 お前大丈夫か?無事か?


 何かあったら、いつでも連絡しろよ。


 お嬢も心配してる。




 五十嵐家 彩月綴






 私宛に来た、五十嵐家ご当主様からの手紙はどちらかと言うと大雅くん宛の内容だったので、すぐに大雅くんに渡した。同封されていた同期の手紙は、不安な気持ちを少し和らげてくれた。






 長い長い1日だった。少し緊張感のあるお屋敷は、いつもと同じ仕事をしてもいつもより疲れる。自室に戻って机に向かう。今日は日記を書いて、深雪さんへのお手紙を書こう。私と深雪さんは、同期ではないけれど和むような文章を書けたらいいなぁ。


 とりあえず日記帳を開く、昨日はベーグルを食べたんだった。美味しかったけど、その後のいろいろで味は微妙にしか覚えてない……。前のページを見ながら少しだけ悔しくなる。






 王暦235年10月28日


 昨日日記を書いた後に、お屋敷が襲撃された!すっごい怖かったけど、すぐお姉ちゃんが来てくれた。全員無事で良かった。


 そんな事があって、ベーグルの味の記憶が薄れた!悔しい!犯人早く捕まるといいなぁ。


 光くんが体調不良だったうえに、そんな事があって具合悪いみたいで可哀想だった。夕食はお部屋に運んだけど、顔は青白いしあまり食べられていない様子。ゆっくり休んで早く元気になるといいな。






 日記帳を閉じて引き出しに片付け、それと引き換えに、封筒と便箋を取り出す。さて、次は深雪さんにお手紙だ。シンプルなデザインの物はなく、ちょっと可愛い系のレターセットだけどまぁいっか!次に街に行ける時は、レターセットも買い足さないとなぁ。さて……ん?深雪さんって名前なんだっけ?思い出せない……まぁいっか!






 深雪さんへ


 夜の見回りお疲れ様でした!


 もう秋だから寒いねぇ。




 ……さて、続きをどうしようか。毎日会っている相手だと、長い文書を書くのは結構難しいことに気づく。ふと、窓の外を見るーー満月の夜か。秋の月は綺麗に見える、空気が澄んでいるからだとその昔誰かに聞いたなぁ。ちょっと窓を開けてみようかと、鍵に手をかけた時だ。




 裏庭に誰かいる!とっさに外から見えない位置に隠れて様子を伺う。私の部屋の窓は裏庭に面し、裏門も確認できる場所だ。裏門の灯りが点いていて人影が確認できた。……深雪さんの見回り?いや、2人はいたよね。誰?時刻は夜12時になるところだ。お屋敷の人がこんな時間に外に出る事はほぼない。……誰かに報告した方がいいかな、とりあえず部屋を出ようと窓から離れる。




「ヒッ……」




 ドアまで行き着いた時に、外から銃声のような発砲音とガサガサっと草木をかき分ける音ーーそして裏門が開く重厚音がしたのだ。走り去る靴音と追いかける靴音が夜に響いていた。程なくして、修斗くんの声が屋敷に響き渡る。2日連続でこんなことある?怖いーー怖い。犯人の狙いは何?何が目的なの?もしかしてーー。


 いろんなことが頭の中を駆け巡る。怖いーーさすがに2日連続の出来事に恐怖を覚えた私はその場から動けなくなった。

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