対人依存症4(避けられてる予感ほどよく当たる)
距離感というものを推し量るための感覚、というものが欠如している奴ほど他人に依存する。私だ。
いつも〝どうすれば好かれたか〟よりも〝どうしなければ嫌われなかったか〟ばかり考えているから、なんとなく「あっ俺、避けられてるな…という予感」だけは大抵当たる。
例えばどうでもいい挨拶や近況を訪ねる文章にはそれなりの返事が来るけど、そこに盛り込んである誘いの要件には触れてこない。気がする。別にたまたまだろう…と最初は思うけど、往々にしてそれは当たっているもので。
さらにいえば思い当たるフシは、ある。だってもともと思い当たるフシしかない人生。息をしているだけで誰かに指をさされ、陰口を叩かれ、クスクス笑われてしまう。そんな気が毎日している。
だからどこかで、その人が自分のことをプラスに感じていたのがマイナスに転換した瞬間に気づいてしまう。誤解や被害妄想も含めて、コンパスみてえに他人の頭上にいつもベクトルを指す矢印がクルクル回ってて、私を見たとたんにそいつが北を向く。
〝北を向く〟というのは相撲界の言い回しでソッポを向くという意味だ。
だいたい自分がその人のことをちゃんと好きで(尊敬できてて)平気だったり、そういう性格の人なんだと自然と受け止めているうちは良いけど、明らか自分に対する温度が変わったのが態度に出たのがわかったのに。そのときに感じた違和感や不快感を、好き(敬愛してる)だったときと同じように解釈を曲げてもロクなことにならない。
自分が嫌われたわけではない。多分きっと忙しかったんだろう、余裕がないのだろう、自分があまりにトロくさいからだろう…そもそもそういう時に、そういう態度取られた時点でやっぱりそれなりの立ち位置に居たってことだろう。射的場の的にならなければ撃たれることもないわけで。
繋がりすぎて自滅することがある。アカウント、連絡先、直接会って話したり遊んだりすればするほど…なんでも打ち明けてるつもりなのは自分だけで、向こうは向こうで見えないところで何か言っているに決まっているのに。それが自然じゃないか。何か言われるなら知らないに越したことはない。そのほうが幸せだ。調子のいいときはそれでいいけど、ひとたびへこむと気になって仕方ない。
常日頃から自分の行いが怖くて仕方ないから、自分を全く顧みないタイプの男が癪に障る。
そこはお前ちゃんと謝れよ!相手に気を使えよ!
と思うものの、いざ自分の好きな人がアッサリ寝るのは、いつもそっちの癪に障るような男の方。
だって私みたいに〝気を使ってるつもり〟を押し付けてくるウジウジめんどくさい奴なんかより、よほど分かりやすく付き合いやすいじゃないか。お互い余計な気を使わないし。あとウジウジタイプは一度寝ると予後が悪い。
寝たら寝たでイチイチ嫉妬したり、深入りしてこようとするから。
自己批判も自画自賛も他人の目線しか基準がないから、他者評価に依存しているくせに自己批判という形でしか自分を顧みることが出来ない。
だから結局、他人から「嫌われた」ことに対しては安心して信じてしまえるし落ち込んでいられるけど、誰かに好かれるということが〝そもそもわからない〟ままで居る。
好かれるということは嫌われる以上に表出してこない気がする。
嫌いじゃないし、別にわざわざいうほど好きでもない、みたいな茫漠ともつかないウスラぼんやりした位置取りで過ごしているのが世の中の対人関係の殆どじゃないのか。
そうは思うけど、だからこそ嫌われたくないし、好きな人には好かれたいじゃないか。
今日もそんなことばかり考えていたら日が暮れた。
明日は誰にも嫌われませんように。




