瀬戸蔵ミュージアムに行ってきたよ
愛知県瀬戸市。
私は豊橋に住んでいるので、子供の頃から名古屋の向こうに行くことってあまりなかった。
だからなのか、やれ武豊だ内海だ多治見だ古虎渓だ新鵜沼だ、と、この年になってからあちこちに出向くことが増えた。
で、今回は瀬戸市。
瀬戸といえば、せともの。
私の母ミワコのお誕生日プレゼントに、せとものは如何かと思って買いに行くことにしたのだ。ちなみに以前は同じく焼き物で有名な常滑市のBarbara Coffee Roasterさんで、可愛い猫ちゃんのロゴの入ったマグカップを買った。母は猫が好きなのだ。
で、瀬戸市。東海環状自動車道「せと赤津」ICから10分ほどのところに、瀬戸市の産業観光と市民交流のための施設、その名も「瀬戸蔵」という複合施設があって。ここの2階が瀬戸蔵ミュージアムだ。郷土史や瀬戸物の資料にくわえ、当時の町並みや名鉄瀬戸線の終点である尾張瀬戸駅をも丸ごと再現し、「せとでん」として親しまれた名鉄モ754を一両丸ごと収蔵した、ちょっと桁外れの展示もある。
2階のミュージアムの入り口をくぐると、早速そこで静かな余生を送っているせとでんがお出迎えしてくれる。中に入って椅子に腰かけたり、運転席を覗いたりも出来る。
尾張瀬戸駅到着時のアナウンスやガッタンゴットンの音が聞こえる。そのままぼけーっとしていると、なんだかじんわりといい気分だ。
塗装や内装は展示の際に直したらしいのだが、何と言っても約100年前に造られて20年ぐらい前までは現役だった車両である。
引退した鉄道車両が何処ぞに引き取られたり寄贈されたりして、そこで往時の姿を留めていることを「静かな余生」って表現するの好きだなあ。抒情的だよな。
1階には瀬戸蔵セラミックプラザという瀬戸物の販売コーナーがある。
ここで母の好きそうな猫の瀬戸物を買った。
店内は所狭しと瀬戸物が並んでいる。珍しいものや貴重なものに混じって、可愛くておしゃれで普段使いにも良さそうな逸品が揃っているので見ているだけでも楽しい。
思った以上の品ぞろえだった。実用的なものから、置いておくだけで生活が豊かになりそうなものまでいろいろだ。
お次はランチだ。
同じく1階の花ごよみさん。
大きな窓が通りに面していて、明るくて椅子が心地よくてメニューが豊富。
小倉トーストを頼んだら思った以上に分厚くて、そのうえにしっかりと小倉あん、さらにホイップクリーム、そして丸い和菓子の乗った代物が出て来た。これがまた美味しいんだ。
ただ食の細い人は間違いなく食べきれないので、ハーフサイズを注文するか、私のような食い意地の張った甘党を外付けストマックとして連れて行くべきだ。
というか、またアレを食べに行くためだけに瀬戸蔵に行きたいくらいだ。
アレをデザートとするなら、瀬戸蔵の向かいにある銀座通り商店街のレストサカエさんにも行きたい。この日は火曜日で辺り一帯のお店はお休みが多かった。のだが、サカエさんは開いていた。単純に小倉トーストがデカくて流石にこれ以上は食べきれなかった…。
銀座通り商店街、末広町商店街と、昔ながらのアーケード商店街が残っている。
旧瀬戸中央劇場・ロマン中央の建物も。
要するに映画館の廃墟なのだが、これが実にいい。このまま放っておくのも良くないのはわかるし、何か役に立つ方法が見つかる方がいいのだが、なんとなくこの姿を留めているのが愛おしい気もする。
そのまま帰るのもナンなので、ちょっと高速で戻って豊田市の鞍ヶ池公園に寄ってみた。
歩くのにちょうどいい感じなのでミニ動物園や池のほとりを散策。
キノコがよく生えていた。
ちなみにここにも古い名鉄が置かれており、中に入ることも出来る。瀬戸にあった754の兄弟は岡崎市の岡崎南公園にあったらしい。数年前に行ったときに見て、写真も撮ったはず。
アレがそうだったのか。
老舗の茶屋、まつばさんでお団子を買って帰ることに。
みたらし団子を頼んだら、その場で焼いてくれた。お店でなら出来立てが食べられるというわけだ。テレビは昼間の退屈なワイドショー、目の前には道路を挟んで池と緑。
店先には古い綿菓子機。これは末広町商店街の古い書店の前にも置いてあった。
ナゴヤ圏に多い機械なのだろうか。
子供の頃、出先でよくこういうの買ってもらったな…って感じのおもちゃコーナー。
お菓子、アイス、軽食メニュー。
座敷席とテーブル席。結構な人数が入れるだろう。
向井の池のほとりの真新しいコーヒーチェーンのオシャレでコギレイなテラス席に陣取った自転車乗りが、遊歩道を歩いていた私を睥睨している。
アツアツのお団子と、草団子(私はヨモギの和菓子が好きなのだ)を後生大事に抱えて車に乗り込み、混みあう道路で家路につきました。とさ。