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ただいま。  作者: ダイナマイト・キッド


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冬虫夏草展だったよ


鳳来寺山自然科学博物館を知っていますか。

愛知県の東の山奥、鳳来寺山のふもとにあって小さいながらも中身の濃い資料が満載のステキな博物館です。

わが豊橋市からも車で1時間もかからず、ドライブがてらよくお邪魔しています。

五平餅の美味しい「おかめ茶屋」の前から鳳来寺の参道をテクテク歩いて行くと旧門谷小学校を通り越して左手に見えてくる。途中の道路は生活道路も兼ねているうえ道幅も狭く、博物館にも駐車場はあるけど私は茶店の前から歩くのが好き。

ここでコケやキノコやカタツムリを見たあと探しながら帰るのが楽しいのだ。


この日は冬虫夏草展。

ここは時々、こういうパンチの利いた企画展がある。

きのこ展では付近一帯で採取されたホンモノの標本が所狭しと並び、カタツムリ展では超絶リアルな模型を作り、今回の冬虫夏草展も凄い。

標本の数から資料の細かさまで。

冬虫夏草って、なに?

というところから始まって、あらゆる種類の標本を見て、色んな角度から資料を読み。

あっという間に時間が経っていた…ここに来ると(ちょっとたまには覗いて行こう)と思ってたはずが3時間くらい軽く溶けてゆく。全部ちゃんと見ていくと数日はかかる。

カメムシ、ハチ、甲虫、さらに蜘蛛にとりついた胞子が冬虫夏草になるまで。

標本が豊富なので段階を踏んだ様子も再現されている。

だんだん虫からキノコに変貌していく。考えてみたら恐ろしいハナシだ。


ウルトラマンタロウに出てくる怪獣マシュラは団地の給水塔に潜んで毒素を混入し、その水を飲んだ住民や毒素を浴びた人たちをキノコ人間にして操っていた。あれも経口摂取の冬虫夏草みたいなもんじゃないか。

ということは、だ。

人間にとりつくタイプの冬虫夏草が今後出現しないとは断言できない。

今の地球にはウルトラ兄弟はおろか防衛軍も居ないのに、もしそんなことになったらどうするのか。

そして多分キノコ人間になっても消費税とか住民税は取られるだろうから、難儀なもんである。


んが!

今回の目玉はコレだけではなかった。

2階に上がると階段の前に小さなブースがあって、向かって左側は仏法僧コーナー。

右手の半分くらいのところなんだけどミニ企画展と銘打った展示があって。

それが豊橋市内の小学校5年生の女の子が作った、セミの自由研究。

余りに素晴らしいので展示してます、とのこと。

抜粋したファイルをパラっとめくると、その熱量におののいた。

セミが大好きでセミに興味深々の小学生が、公園や自宅付近、はたまた許可と協力を得て豊橋自然史博物館近辺で色々調べている。それも単に見比べて並べるだけじゃなく、何故コレはこうなっているのか、何故ここにこういう個体差が生まれるのか、その着眼点の細かさと鋭さ。そしてきっちり調べる執念と簡潔にまとめる構成。


舌を巻くどころか巻いた舌で開いた口が塞がらないくらいの衝撃だった。

傍らにはノーカット版の研究成果と、かわいい感想ノートが。

見た大人たちからの絶賛の雨嵐も納得。

可愛い子供ががんばりましたね!

というレベルをはるかに超えている。この子は将来、愛知県の自然科学研究を担う逸材かも知れない。すごいぞ!

私も思わずノートに書いた。

ゴマダラチョウに関しては成瀬つばささんの「秘密のゴマちゃん」が面白くて読みやすいのでオススメだよ!!


この子と同じ波長をもつ人を何人か知っているぞ。

これがプロレスなら松山勘十郎さんだ。熱烈なプロレスファンだったのが今やリングの千両役者として活躍している。好きこそものの上手なれ、を地で行く人である。

そして、もうひとり。

日本いか連合の代表、いかいかよしかさんである。

いかいかよしか、というお名前なのである。

イカが好きすぎてイカの研究、イカソングの作詞作曲、イカバンド結成、イカの成分を使った化粧水イカケアの開発・販売など、イカにまつわる活動は多岐に渡る。

セミで同じことをやり出す可能性は大いにあるし、それは是非チャレンジするべきだ。

セミの文学って沢山あるし、昆虫食の研究は今後も重要になって来る。なにより、この子が調べた蝉の分布や個体差を元にすれば災害級の酷暑や豪雨の分析も出来るのではないか。

これをよくぞ紡ぎあげ、そしてそれをよくぞ展示してくださった。

鳳来寺山自然科学博物館の皆さんも、きっとこれを広く、せめて自然科学に興味と理解のある人々にだけでも見てほしかったのだと思う。きっと私が学芸員の立場でもそう思った。私はカタツムリとキノコに興味があって、この二つに関しては普通の人よりは少し知っていると思う。だからこそ探したり調べたり学んだりすることが楽しいし、そこに文化的な豊かさを感じて満足することも出来る。


でも世の中が貧しくなり、また争いや富の一極化で金儲けだけが「豊かさ」の手掛かりになってしまうと、こうした分野は往々にして隅に追いやられ枯れるも腐るも構われなくなってしまう。

そんな社会になってほしくない。この子がずっと、地域の自然や生き物のすばらしさを感じ続けてくれるような、それを周りの人々が分かち合い、お互いに学び合えるような世の中であるべきだ。


本当に心から、あの子にお礼を言いたい。

すごいぞ!やったな!!大人がみんな目を白黒させて大絶賛だ!!!

ありがとう。素晴らしいものを見せてもらったよ。


鳳来寺山自然科学博物館は入館料も破格で、目録やオリジナルグッズもあるし最近では綺麗なカードももらえる。

是非通って応援したいので皆様もどうぞ。

ココを読んでくださっている方なら行って損はないです。


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