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詩集

秋から冬の詩:後悔/雨降りは嫌い/気持ちの整理/一人旅/クリスマス

作者: 夢のもつれ


  後悔


あたしは後悔なんかしたことない

浮気を見つけたときは

頬を2発叩いて

それでさよなら


うじうじ悩むなんてあたしは嫌い

空虚な気分のときも

パンケーキを焼いて

メイプルシロップでおなかいっぱい


めそめそ泣くなんてあたしに似合わない

涙を流すこともたまにあるけど

知っているのは愛犬だけ

頬をなめて秘密を守ってくれる


振り向かない

くよくよしない

秋はあたしの季節じゃない

昔のピアスをつけたり

出すあてのない手紙を書いてみたり

あたしらしくなくなる季節


  **********************************



  雨降りは嫌い


窓を涙のように流れる

秋の冷たい雨を

一日中、ながめていると

いろんなことを思い出す


落ち葉を踏みしめ

歩いたいちょう並木

銀杏(ぎんなん)のにおいが嫌いだって言って

あなたのセーターに顔をうずめた


灰色の海に向かって

吹く風の中で

花火の燃え殻をたくさん見つけた

あなたの肩を借りてパンプスの砂を捨てた


思い出の上に雨が降り続いて

「ちょっと寒いね」と独り言を言う

そうでもしないと

心があふれそうだったから


  ***************************************



  気持ちの整理


さあ、片付けなくっちゃ

散らかりまくったこの部屋を

整理=捨てること

どんどん捨てちゃいましょう


美術館のパンフレット

片っぽだけのイヤリング

男物のパジャマ

いろんな思い出があるものだけど

段ボール箱に放り込め!


すっかり片付いたじゃないの

秋の夕暮れは早く

もう辺りは暗くなって

がらんとした部屋に

あたしはうつむいて

ずっと立っている


  *********************************


  一人旅


こんな季節に一人で旅に出るなんて

何かあったの?って

みんな訊くけど、何もないよ

ただ風の光を見たかったの


行く先も、帰るところも

旅の目的じゃない

電車に乗って、バスに乗って

それから気の向くままに歩いて

移りゆく季節と

一人のあたしがお話をする

ひさしぶりね


旅から帰って

何かあったの?って

みんな訊くけど、何もないよ

ただ心の色が深くなったの


  **************************************


  クリスマス


クリスマスが楽しみな人にも

クリスマスが来てほしくない人にも

クリスマスに甘い思い出がある人にも

クリスマスに忘れたいことがある人にも


すべての人にやって来る

星が静かに輝くように

すべての人に心があるように


ケーキ屋さんにも

おもちゃ屋さんにも

レストランのウェイトレスにも

ホテルのボーイにも


すべての人にやって来る

雪が黒い空から降るように

すべての人が眠るように


お父さんにも

お母さんにも

子どもたちにも

ひとりぼっちの人にも

Merry Christmas!


Merry Christmas……


お題をいただければまた詩を書きます。どんなのでもいいんですが、やはりあなたがうたって欲しいものがいいと思います。

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