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追放された万能魔法剣士は、皇女殿下の師匠となる漫画4巻が2025/1/15から発売中  作者: 軽井広@北欧美少女2&キミの理想のメイドになる!
第六章

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158話 ソロンくんは部屋に入ってきちゃダメだから!

「まあ、それはそれとして、ソロン君には休息が必要だろう」


 レティシアはぽんぽんと俺の肩を叩いた。

 陸海軍省への潜入とガポン神父との戦いで、俺もだいぶ消耗している。

 クレアも拷問のせいで軽くない怪我を負っているし、別室で手当を受けさせてもらっていた。


 俺はレティシアの言葉にうなずくと、レティシアは俺たちを部屋へと案内した。

 部屋の前に立つと、レティシアはにやにやしながら笑った


「悪いね。一部屋しかなくて、ソロン君御一行には同じ部屋で寝てもらうことになる。ま、君たちはいつも一緒の部屋で寝ているんだろう?」


 フィリアとソフィアが、顔を赤らめて俺を見た。

 たしかに屋敷では二人は俺と同じ部屋で寝起きしている。

 そうするようにフィリアとソフィアからお願いされたからだ。


 ただ、ルシルはルーシィの部屋を使っていて、俺と同じ部屋にいたというわけじゃない。

 俺がそう言うと、ルシルは「平気」とつぶやいた。


 そして、ルシルは無造作に扉を開けて、俺たちも部屋のなかへと続いた。

 ところが、予想外のことが起きた。


 部屋の中には看護師風の女性が立っていて、ベッドに腰掛けた少女の手当をしていた。

 立っている女性のほうは自由同盟の一員なのだろうけれど、治療を受けているのはクレアだった。

 そして、クレアは黒い下着だけしか身に着けていなかった。


 白い肌が目に眩しい。

 多分手当を受けているから半裸なんだろうけど、まずいタイミングだ。


 クレアは俺と目があうと、一瞬きょとんとした表情を浮かべ、そしてみるみる顔を赤くした。

 

 クレアは慌てた様子で毛布を引き寄せ、体を隠す。そして、ジト目で俺を睨んだ。


「ソロンさん……見ました?」


「見てない……と言っても信じられないよね」


「はい」


「……ごめん」


 俺がレティシアを振り返ると、彼女はにやにやしていた。

 もしかして、わざと手当中のクレアと鉢合わせするようにしたのか。


 クレアはうつむいて、恥ずかしそうにしていた。


「ちょっと恥ずかしいですけれど、ソロンさんにだったら見られてもいい気がしてきました」


 クレアは小声でつぶやいた。

 俺がなんて返事をしようか迷っていたとき、ソフィアが進み出て、俺とクレアの間に立った。

 むぅっ、とソフィアは頬を膨らませていた。


「ソロンくん……クレアさんの下着姿、見れて嬉しかった?」


「いや、嬉しかったというわけではないけど……」


 と俺が言いかけると、クレアが傷ついたような顔をした。

 これはもしかして、「嬉しかった」と答えないといけないんだろうか?


 俺は迷ってから、観念して「綺麗だとは思ったよ」と答えた。

 クレアは嬉しそうにぱっと顔を輝かせた。

 反対にソフィアは不機嫌そうに俺を上目遣いに見つめた。


「わたしの下着姿を見たときは、そんなこと言ってくれなかったのに……」


「ええと、ソフィアさん……?」


「わたしもクレアさんの手当を手伝うけど、ソロンくんは部屋に入ってきちゃダメだから!」


 ソフィアは珍しく有無を言わせぬ様子で俺に迫り、すごすごと俺は退散した。

 まあ、もともとクレアがあんな格好でいる部屋に長居するつもりはなかったけれど。


「レティシアさん……どうしてクレアが中にいるって言ってくれなかったんですか?」


「悪い悪い。忘れていた。いやはや、モテる男はつらいね」


 からかうように言うレティシアに、俺はため息をついた。

 この人はなかなかいい性格をしているらしい。


「で、俺はどこの部屋にいればいいでしょう?」


「私の部屋にでも来るか?


「遠慮しておきます」


「それは残念」


 そんな会話をしていたら、フィリアが部屋から出てきて、俺の肘をつんつんとつついた。

 そして、俺を見上げる。


「ねえ、ソロン」


「どうしたんですか、フィリア様?」


「……ちょっとだけ、二人きりで話したいことがあるの」


 フィリアの瞳が俺をまっすぐ見つめていた。

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