顔面偏差値にご注意
暖かい目で見てください。
「あぁ~。まるで真夏日。あっつい。」
南は手でパタパタとあおぎながら言う。
「飛行機の中、寒いぐらいだったもんね。」
私も急な温度変化についていけず同意する。
「機内も地獄だったけど、今もやだ。」
「飛行機の中ちょっとうるさかったもんね。」
何故、私たちがこんなに疲れているのだろう。思い当たる節は…うん、ある。
飛行機の座席は、班ごとに振り分けられる。私たちの班は言わずもがなあの方々がいる。まぁ、当然、周りは騒がしくなるわけで、南とか有馬君とかからブリザードが出ているわけで、いろいろと疲れたよ。うん。
「まぁ…。みんな落ち着いて。」
佐川君が頑張ってくれてなんとかなったけど、後は楽しく過ごせたけど。それまでで疲れて…ね。
私は、ガイドブックを読んでいた。後、ホテルについて調べたり。星が綺麗に見えるみたい。
そんなことをしていたら、目的地に着いた。
ここで冒頭に戻る。
先生たちから注意事項を聞いてから、班行動になる。私たちの班は先生たちに
「何か、トラブルに巻き込まれたらすぐに連絡しろ」
と念を押された。解せぬ。
「報告、連絡、相談は大事よ。」
とも言われた。解せぬ。
「大袈裟だよね、先生たち。」
「高校生なんだからいくらなんでも。」
って思ってたよ!
観光地に来たら視線がヤバイ。
「先生たちが言ってたのはこういうことか…。」
げっそりした顔で言う南。
「みんなの顔面偏差値が高すぎるんだよ…。」
私もげっそり。
「あなた方は僕たちのせいみたいにみてますけど、あなた方も半分はあなた方のせいですよ…。」
と有馬君。
「南が人気あるのはしってたけど、私も?」
「沙羅は自己評価が低いからね。」
「南がお姉様って呼ばれているのは知ってる。」
「永瀬さんはお姫さまって呼ばれているよね。」
「えっ?なにそれ?…佐川君と有馬君と西住君が王子様って呼ばれているのは知ってる?」
「知ってる。」
「あの、写真を撮ってもらってもいいですか?」
中学生くらいの男女のグループが声をかけてきた。
返事してカメラを受け取ろうとしたら、
「いいえ、一緒に写真を撮ってくれませんか?」
「はい?」
全員が遠い目をしたのは不可抗力だ。
私たちの行く先々で声をかけられた。
みんなのライフが少なくなったのは仕方がない。
永瀬 沙羅
華道部所属。黒目黒髪の可憐という形容詞が似合う美人。
成績は優秀。球技が苦手。お姫さまと呼ばれている。
中川 南
弓道部所属。茶色の髪と目。綺麗系美人。
成績優秀、運動神経はいいほう。下級生のみならず、同級生や上級生からもお姉様と呼ばれている。
学校にある写真部が撮った主人公たちの修学旅行の写真はこっそり販売されるだろう。
最後まで読んでくださりありがとうございました。