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天の川がつなぐ約束  作者: 黒木香乃
5/9

幸運、いいえ災難です。

暖かい目で見てください。


「ってことがあってね。」


私は南と大型ショッピングモールに来ている。修学旅行の準備のためだ。向こうで着る部屋着もお揃いの可愛いものが見つかった。ワンピース型のもので襟元のフリルとリボンがかわいくて気に入っている。ちなみに南とお揃いだ。私が桜色で南がうすい水色。目当てのものが見つかったので、カフェに移動した。



この間見た夢と日記のことを話した。


「ふーん。子どもの頃の沙羅は可愛いね。今も可愛いけど。男の子のことをみらいの自分にもしられたくないなんて。」


「ちょっとそれどういう意味?」


「だって、その男の子が大好きだったから日記にも名前かかなかったんでしょ?」


「そんなんじゃないから!」


「ムキになるところを見ると怪しいなぁ。」


「もう、やめて~。」


私は頭を抱えた。これでは、あの男の子に私が恋してるみたいではないか。あぁ~。ないないない!よし、落ち着け私。南を見るとニコニコと笑っている。


「ぜっったいに違うからね!」


南は微笑ましそうに私を見た。



あれこれ話しているうちに、注文していたものがきた。ここはお茶屋に併設しているカフェで抹茶のシュークリームが絶品だ。サックリとしたシュー生地にコクのある抹茶のカスタードクリームこの絶妙なバランスがいい。私たちはここにくるたびこのシュークリームをたのむ。


「そんなことより、修学旅行の班どうするの…。」


私は話題を変えた。自分で言って、虚しくなる。


「もう、どうしようもないでしょ…。」


私たちが揃って死んだ魚の目をしているのには訳がある。それはさかのぼること数時間前。












「修学旅行の班決めるぞ。各自で4、5人男女混合で。決まったところから前に報告にこい。」


先生が言うとわっとクラスがざわめいた。私はどうしようかな。南とあと誰か。っていっても私、男子とあんまり話さないしな~。


「沙羅~一緒に組もう。」


「もちろん。」


後、誰誘う?と聞こうとしたときだった。


「僕たちも一緒にいいかな?」


現実逃避した私たちは悪くないと思う。何故、あなたが声をかけてくるのですか、佐川君。あなた方を誘って玉砕した女子の視線が怖いのですが。僕たちというのは、校内でイケメンだとか王子様だとか言われている、佐川君、西住君、有馬君のお三方でよろしいのでしょうか?もう一度言います、何 ・ 故 私たちに声をかけてくるのですかっっ。あなた方なら引く手あまたでしょう?


佐川 琢磨君

眉目秀麗、成績優秀、運動神経抜群な優しい王子様。詳しくは1話をご覧ください。



西住 俊君

部活動には入っていないものの、よく助っ人として活躍している。ちょっと軽い感じがするが女性に優しいフェミスト。帰国子女で英語がペラペラ。うん、羨ましい。


最後に、有馬 玲二君

学年トップ。科学や数字の思考力を競う大会では負け知らず。生徒会にも入っている。神経質そうな外見に反して、優しい。



そんな方々と班行動。結果、女子から睨まれる。断る。結果、女子から睨まれる。現在、八方塞がりです。


南とアイコンタクトした結果、


「どうする?」


「声をかけられた時点で私たちの負けでしょう…。」


そんな私たちが断ることができるはずもなく、結局、了承してしまい、5人で回ることになったのでした。







「あれは災難だったわ…。」


「女子の視線が怖かった…。」


今思い出しただけでも、睨まれている気がする。


「ホテルが二人部屋だったことが、唯一の救いだよ…。」


「それな…。」


はぁ、とため息をついたタイミングが一緒で思わず笑ってしまった。



最後まで読んでくださりありがとうございました。

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