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天の川がつなぐ約束  作者: 黒木香乃
2/9

日記

暖かい目で見てください。

「ただいま~。」


家に帰るとお母さんが夕食の支度をしていた。台所からとてもいい匂いがする。オーブンで焼いているところを見るとグラタンかなにかだろう。お母さんは帰ってきた私におかえりと言うと調理に戻った。


「お母さん、スーツケースってどこにある?」


修学旅行の準備をするためスーツケースが欲しい。


「物置の左下にあるはずよ」


私は2階にある物置にむかった。物置のなかは整理はしてあるが、ものが多すぎて、目当てのものを見つけるのも一苦労だ。私は左下からそれを引っ張り出した。勢いあまって上の箱まで落としてしまったのはご愛嬌だろう。


「あぁ~。やっちゃった。」


後悔してももう遅い。箱の中身は床に散乱している。ぶちまけたときの音が聞こえたのだろう、御歳6歳の可愛い男女の双子が大丈夫?と聞いてきた。この弟妹は私が10歳の時にできた。いつなっても愛くるしい。


「大丈夫だよ!」


心配させないようにすぐさま返した。

片付けるかと下にめをやると、想像以上の大惨事だった。アルバムから写真は出てるは、と。遠い目をしつつ、片付けに取りかかる。写真をアルバムのなかにいれ、箱に詰めていく。あらかた片付いたか、と思い周囲に目を向けると、ながせさら、とひらがなでかいたってノートが出てきた。

開いてみると、日記のようだ。次のページにてを伸ばしかけたところで母が私を呼んだ。


「沙羅~。早く降りてきなさい。」


「はーい。」


残っているものをさっと箱にいれ、日記も一緒に入れようとしたところで、手が止まりスーツケースとそれを自分の部屋に置いてから、階段を下りた。



下へいくと、グラタンが出来ており、美味しそうな匂いがたちこめていた。母がよそった味噌汁やご飯をリビングのテーブルに並べると、ちょうど父が帰ってきた。


「ただいま~。」


と父が言うと


「おかえり‼」


と双子が抱きつく。


「おかえり。」


「おかえり~。」


と母と私が言った。私は双子に言ってもらえなかった、とちょっぴり拗ねた。後で聞くと、その頃双子は寝ていたようだ。


和気あいあいとした夕食が終わる。私は双子の一緒にテレビを見ようという誘いを断り、後ろ髪をひかれつつも修学旅行の準備をするため2階に上がった。


下着やタオル、制服のブラウスなどをスーツケースに詰めていく。そこに南から部屋着を買いに行こう。と誘いがきたので、うん。と短く返しておく。だいたいこんなものだろうとスーツケースをしまう。下では、双子が並んで勉強をしていた。私も双子の隣で明日の予習を始めた。


一段落ついたところで、双子が


「お姉ちゃん、おやすみ」


というので


「おやすみ」


と返した。


風呂に入ったら、眠たくなったのでベッドに直行した。意識がおちる寸前日記のことが気にかかったが、睡魔にはあらがえず、私の意識は闇に落ちた。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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