2話 賢者
〜3年後〜
「......えっ? 端折るなって? 赤ん坊の時にできる事ってなんだよ。出来ることって言ったら、魔力量の増加特訓に魔力操作の練習、スキルのレベルアップぐらいだぜ?」
「.........、それだけでも充分? 考えてみ? ただただ魔力使うだけだぜ? 鑑定するだけだぜ? めんどくせーだけだよ」
「......。いっくん、誰と喋ってんの?」
「あれ? どしたの? 俺喋ってないよ?」
「......うん、ごめん、俺が悪かったよ」
「おーい、漫才してねぇで降りてこいっ! 飯だぞー」
「「うぃー」」
タッタッタッ
「今日なにー?」
「いつもと同じだよ。なよ芋と葉スープ」
「うおー、変わらねえー」
「バカ、変わるわけねぇだろ」
「えー、でも、今日誕生日だぜー?」
「うるせえ、はよ食えや」
「「「うぇーい」」」
一つのテーブルに7人が囲んでご飯を食べている。左に三つ子3人が、右に父、母。手前に女の子、奥に男の子
「あーあ、今日もこんだけかー」
「仕方ないでしょ。長男なんだから我慢しなさい」
「お前だって長女じゃん、我慢しろよ」
「はっ? 我慢してるじゃん。見てわかんない?」
剣呑な雰囲気が漂うが、
「はいはい、そこまで、生まれてきてごめんねー」
「「ごめんなさいっ!」」
三つ子のせいで一気に崩れる
「......、はぁ。あなた達もそんな事言わないで」
「せめて2人ならなぁ」
「だってさ、サブロー、コレを所望だ」
「......。いつも僕に振るよね、ニィちゃんにも言ってよ」
いっくんと呼ばれた三つ子のひとりが首を切るポーズをし、サブローに振る
「お前らぁ? 父さんの前でなんてことしてんだァ?」
般若の形相で男の子と三つ子のいっくんを睨む父
「こうなるからオレはクールに食べ終わるんだよ。じゃ、先に行ってるわ」
1人黙々と食べ続けていたニィちゃんと呼ばれた個体が椅子を飛び降り、玄関を出て行く
「あっ! 待ってー!」
「フッ、予想済みさ」
サブローと言われた個体はご飯をかきこみ後追う。いっくんと呼ばれている個体も、後に続こうとしたが、般若に遮られる
ガチャと、扉が閉まる悲しみの音が聞こえる
「ど、どうしたのかな? パパ?(上目遣い)」
「皿洗いだ」
「......ガーン」
「はっはっはっ、残念だったな! イツキ!」
「お前もだ」
「えっ?」
「......(嘲笑)」
「ぐっ......、この野郎っ!」
「助けてパパー!」
「早くしなさい。なっ?」
「「ラジャー!」」
▼▼▼▼
「あいつは?」
「皿洗いじゃないー?」
「懲りないなぁ。シャーなし。俺らでやるか」
「そだね」
「行くぞー」
「おー!」
2人の子供は森の中に消えた
「.........。あれ? 2人は?」
遅れて来たいっくんことイツキは
「フッ、今日はこっちだったな」
見当違いの方向へ、歩いて行く
「.........、ふぅ。間違えた」
歩き出し1時間後にあれ、この道、昨日歩いたわ、と思い出したイツキ
「......。うん、じゃあ、特訓だなっ!(キラン)」
目を輝かせて魔術を唱える
「« 隠せ隠せ » « この空間ごと »« 見えなくしてくれ » 『シェイドルーム』」
半径10mでイツキの魔力に覆われた空間。外からは特殊な魔法でしか見られないようになっている
「......、俺の新魔法、強化魔法属身体強化科ッ! 『超高速演算』ッ!」
(この魔法は魔力の消費が激しい、脳への負担もヤバイ、あと1歩間違ってたら植物状態だったね)
半年前のことを思い出し身震いさせるイツキ
(しかし、俺は半年前の俺ではない。今や魔力操作のレベルは比較にならないぞ! まずは『超高速演算』とは言わずに『高速演算』からだ!)
「« 回れ回れ » « こんなものでは足りない » « 俺に時間をくれ » 『高速演算』っ!」
(.........。よし、発動確認。安定。負担は.........、思ったより重い。修正、修正、修正、修正.........。修正不能、.........、脳自体への魔力強化増大、......、負担軽減、予想範囲に軽減完了。発動前との比較開始)
「『火球』 『火炎』 『水玉』 『水圧』 『風玉』 『風切』 『石礫』 『砲弾』ツッ!」
(ここらが限界か、約2倍四種属性下級、下級上位二つずつか......。使えるぞ! .........、俺はこの3倍の事をハナからやろうとしていたのか.........。危ねぇ)
【ピコンッ!】
【新魔法確認、『高速演算』了承。】
【おめでとうございます。あなたには称号、『魔法創造者』が送られます。】
【称号、『最年少賢者』が送られます。】
「..................」
イツキはそのまま魔法を解除し────────帰った




