第八話 スキルとったどー! 前編
今回は説明回となります。
ちょっとくどいかな? とも思いましたが、ここでやっとかないとほかにやる場所が思いつかなかったもので。
少々長くなってしまったので前後編に分けました。
そのため、今週は二話同時更新となります。
こちらは前編となりますので、ブックマークよりお越しの方はご注意ください。
それでは説明回その1、始まります。
「うーむ」
僕はログハウスのリビング、そこに備え付けられたテーブルの前に座り、腕組みしながら唸っていた。
スキルオーブという素敵アイテムを見つけ、グリンさんのステータスに驚かされてから一夜明け、今は昼下がりの頃合いだ。
そのテーブルの上には、午前中の草むしりの予定を変更して、この泉を出た後の『生存競争に負けないこと』を主軸にしてチョイスした三十個のスキルオーブが並べられている。
ここで改めて、スキルというものについて確認しておこう。
先ず、スキルというものは、大別して五種類に別けられる。
一つ、武術等の戦うことを目的とした戦闘系スキル。
一つ、魔力を用いて世界に事象を発現させる魔術系スキル。
一つ、鍛冶や調薬といった物を作り出すことに特化した生産系スキル。
一つ、戦闘系、魔術系、生産系のスキルに対して、補助することを目的とした補助系スキル。
一つ、前述の四種類、そのどれにも当てはまらない特殊系スキル。
更にこれらのスキルには修得難易度を示す区分があり、これはコモン、ジョブ、ユニーク、エクストラの四区分となっている。
コモンは一般的な修練や訓練を継続して行えば、才能がなくても、そこそこ時間を掛ければ獲得可能なスキル。
ジョブは特定の職業に就いていないと修得、獲得が出来ないスキルだ。
ユニークとエクストラはどちらも生まれつきで持っていたり、常軌を逸するほどの凄まじい修練の結果に得られる、コモン、ジョブとは一線を画す非常に強力な効果を発揮するスキルであり、世間では『ギフトスキル』等と呼ばれることもあるとか。
ユニークとエクストラの違いは一つだけ。
それはスキルにレベルが有るか無いかだ。
スキルにレベルが有ればユニークスキル、無ければエクストラスキルと割りと簡単に見分けられる。
更に付け加えるなら、ユニークは戦闘又は魔術系寄りで、エクストラは生産、特殊系寄りということくらいか。
そして、この『ギフトスキル』はどんな物であれ、コモン、ジョブに比べると効果が桁違いに高いので、一つでも持っていれば、歴史に名を残す程の偉業を成し得る才能とも言われている(グリンさん談)。
最後に、獲得可能なスキルの個数だが、これはコモン、ジョブ、ユニーク、エクストラそれぞれ十個まで、合計四十個のスキルがセット出来るようになっている。
さて、ここで僕のスキル構成を見てみよう。
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保有スキル
【コモンスキル】
・両手剣術:Lv1 ▲【決定】
【ジョブスキル】
・テイミング:Lv1 ▲【決定】
・ネームド:Lv1 ▲【決定】
・魔騎士任命:Lv1 ▲【決定】(←New!)
・魔将軍任命:Lv1 ▲【決定】(←New!)
【ユニークスキル】
・異世界言語:Lv1 ▲【決定】
【エクストラスキル】
・ポイントコンバーター(EXP:30,759,532)
・万象鑑定(←New!)
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僕が持っているスキルは今のところ、昨日スキルオーブで獲得した【万象鑑定】を含む、この八つだけだ。
先ず【両手剣術】。
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名称:両手剣術
区分:コモン(セミパッシブ)
取得条件:連続三時間以上、両手剣を装備した状態
で訓練を行う
概要:両手剣を装備した状態での行動に補正
スキルレベル10且つ筋力300以上のとき
、両手剣を片手剣として扱える
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これは戦闘系のコモンスキルだ。
その名の通り、両手剣を装備した時に行動に補整が掛かるという、なんとも普通の域を出ないスキルであるが、僕としては中学生の中頃迄通っていた道場で学んだ太刀術がしっかり身についていたことから発現したと思われる、嬉しいスキルである。
そしてジョブ欄にある四つのスキル。
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名称:テイミング
区分:ジョブ(アクティブ)
取得条件:魔物使いJLv1
概要:当スキルのレベルと同等ランクの魔物に対し
て使用可能
テイミング成功時、その魔物と魂による従魔
契約を結ぶことになる
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名称:ネームド
区分:ジョブ(アクティブ)
取得条件:魔物使いJLv1
概要:従魔となった魔物を対象に名前を与えること
が可能
名前を与えられた従魔は、基本ステータスに
対してスキルレベル×10%の補正値を付加
スキルレベル10のとき、補正率が30%上
昇
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名称:魔騎士任命
区分:ジョブ(アクティブ)
取得条件:魔物使いJLv10
概要:ランク★★★以上の従魔となった魔物に対し
て使用可能
対象は『魔騎士』の称号が付与され、基本ス
テータスに対してスキルレベル×5%の補正
値を付加
スキルレベル10のとき、補正率が10%上
昇
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名称:魔将軍任命
区分:ジョブ(アクティブ)
取得条件:魔物使いJLv30
概要:『魔騎士』の称号保持者であり尚且つランク
★★★★★以上の従魔となった魔物に対して
使用可能
対象は『魔騎士』の称号に変わり『魔将軍』
の称号が付与され、基本ステータスに対して
スキルレベル×10%の補正値を付加
スキルレベル10のとき、補正率が30%上
昇
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【テイム】と【ネームド】については特に言うことは無いだろう。
【魔騎士任命】はジョブレベルを10に、【魔将軍任命】は30になったときに獲得した特殊系ジョブスキルだ。
この二つは、『条件を満たした従魔の魔物』を指定することで、称号を付与、ステータスに大幅な補整が掛かるのだが、ラピスはまだ条件を満たしておらず、このスキルはまだ使用出来ていない。
いつかはこれらのスキルで魔物軍団でも作ってみたい。
……あれ? そうすると僕が魔王になってしまうのでは?
ま、まあ、それは追々考えるということで。
さて、お次はユニークスキルだ。
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名称:異世界言語
区分:ユニーク(パッシブ)
取得条件:ギフト
概要:異世界の言語を翻訳することが可能
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能力的には特殊系に分類されるだろうと思われるユニークスキル【異世界言語】。
正直これがあって本当に助かった。
学園で学んでいた第一外国語の英語だって、ペーパーテストでギリギリ平均よりちょっと上くらいだったのに、文化も風習も全く違う異世界の言語を一から学ぶって考えただけでもゾッとするわ。
しかしこのスキル、一見ただの翻訳アプリのような性能なんだけど、スキルレベルが上がるとユニークスキルの名に恥じない、ちょっとぶっ飛んだ効果があるみたい。
そのぶっ飛んだ効果はレベルを上げてみてのお楽しみ。
そしてそしてお待ちかね、最後はエクストラスキル。
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名称:ポイントコンバーター
区分:エクストラ(アクティブ)
取得条件:ギフト
概要:獲得したベース経験値を格納する
またベース経験値獲得時、自動レベルアップ
しない
格納した経験値を使用して、自身もしくは指
定した対象者の任意のステータス項目を上昇
させることが出来る
獲得ベース経験値+300%
獲得ジョブ経験値-100%
獲得スキル熟練度-100%
格納EXP:30,759,532
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名称:万象鑑定
区分:エクストラ(アクティブ)
取得条件:ギフト
概要:森羅万象全ての事象を読み解くことが出来る
対象としたものの全ての情報を取得する
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……うん、改めて見るとこの二つは本当にぶっ飛んだ性能としか思えない。
【ポイントコンバーター】にある格納EXPは予想通り『経験値』のことだった。
そして先日の検証により、コイツの使い方もある程度理解出来たと思う。
気になるのは先日レベルアップに使用したEXPに対して格納EXPがやたら多いことだが、これは恐らく『獲得ベース経験値+300%』という一文が関係しているのではなかろうか、という結論に至った。
であれば、レベルアップに必要なEXPがどういった上昇率なのかは不明だが、恐らく、この格納EXPを全てベースレベルに注ぎ込めば、恐らく転移組の中でもダントツにレベルが高かったと思われる。
それがスキルとして発現してしまったがために、村人Aにも劣るレベル1転移者の出来上がりだ。
今更いっても詮無いことだが、ステータス画面スキルを確認したにも関わらず、何も行動しなかった自分が何とも腹立たしい。
まあ、そのおかげで世界を救えだ何だと面倒なことに巻き込まれずに済み、こうしてラピスやグリンさんにも出会えたので、痛し痒しだ。
【万象鑑定】はありとあらゆる物や現象をポップアップウィンドウにて、説明文付で可視化するスキル。
このスキルは何故かパッシブとアクティブの切り替えが出来るのだが、これをパッシブにしておくとポップアップウィンドウで視界が埋め尽くされるので、アクティブ設定にしておかないと前が見えないのが難点だ。
またこのスキルは【鑑定偽装】や【鑑定拒絶】、【偽装工作】を突破出来る【看破】の性質も有しているようなので、これを持っていれば悪徳商人や詐欺師に騙されることも無いだろう。
このスキルを異世界転移の初期ともいえる現段階で獲得出来たのは僥倖である。
と、まあ今現在僕が保有しているスキルに対してあれこれ確認してみたわけだけど、問題はこの先この世界で生きていくために、どんなスキルを獲得すれば『生存競争に負けない』でいられるかということ。
もう【ポイントコンバーター】でガッツリレベルを上げていけばそれで十分なんじゃね? と思わなくもないけど、そこは日本人として『転ばぬ先の杖』的な思考で行こうと思っている。
ということで、半日かけてチョイスした素敵アイテム、スキルオーブから獲得したスキルがこちら。
どん!
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保有スキル
【コモンスキル】10/10
・両手剣術:Lv10 (MAX)
・短剣術:Lv10 (MAX)(←New!)
・気配察知:Lv10 (MAX)(←New!)
・隠形:Lv10 (MAX)(←New!)
・威圧:Lv10 (MAX)(←New!)
・魔力操作:Lv10 (MAX)(←New!)
・生活魔術:Lv10 (MAX)(←New!)
・強化魔術:Lv10 (MAX)(←New!)
・系統外魔術:Lv10(MAX)(←New!)
・採取:Lv10 (MAX)(←New!)
【ジョブスキル】 8/10
・テイミング:Lv10(MAX)
・ネームド:Lv10 (MAX)
・魔騎士任命:Lv10(MAX)
・魔将軍任命:Lv10(MAX)
・錬成:Lv10 (MAX)(←New!)
・風嵐魔術:Lv5 (MAX)(←New!)
・大地魔術:Lv5 (MAX)(←New!)
・雷電魔術:Lv5 (MAX)(←New!)
【ユニークスキル】10/10
・異世界言語:Lv5 (MAX)
・結界魔術:Lv10 (MAX)(←New!)
・空間魔術:Lv10 (MAX)(←New!)
・無詠唱:Lv10 (MAX)(←New!)
・連続詠唱:Lv10 (MAX)(←New!)
・多重詠唱:Lv5 (MAX)(←New!)
・七大属性耐性:Lv10(MAX)(←New!)
・生命力強化:Lv10 (MAX)(←New!)
・薬効増加:Lv10 (MAX)(←New!)
・ヴォーパルストライク:Lv10(MAX)(←New!)
【エクストラスキル】10/10
・ポイントコンバーター(EXP:9,731,914)
・万象鑑定
・鑑定偽装 (←New!)
・アイテムインベントリ(←New!)
・環境適応 (←New!)
・状態異常無効 (←New!)
・取得経験値倍加 (←New!)
・限界突破 (←New!)
・天運 (←New!)
・真偽判定 (←New!)
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ご覧のように【万象鑑定】を含めると合計三十一個のスキルを新たにゲット!
ついでにスキルレベルも格納EXPが許す限り突っ込んで、全てのスキルレベルをMAXまで上げたった!
コモン枠とユニーク枠、エクストラ枠は上限まで埋めてしまったが、ジョブ枠は若干の余裕を残しておいた。
その理由は主にジョブスキルにある『任命』系統のスキルの為だ。
『騎士』『将軍』と来たからには、もしかしたら上位に『団長』や『元帥』なんてのもあるかもしれないので、いざ獲得する段階になって枠が空いていないから獲得不可なんて事になったら目も当てられない。
保有スキルが多ければ多いほど新たにスキルを獲得するのは難しくなるようなので、、ジョブ枠以外の枠を残しておいたところで新たにスキルを獲得することはほぼ不可能と思われる。
なので、思い切って自重無しでありったけスキルの獲得に走ることにした。
正直、この作業が終わって冷静になってみると、ちょっとやりすぎたかなぁと思わないでもない。
でも後悔はしていない!
ここで自重妥協したことで危険なことになったり、ましてや死んでしまうなんてことになったら後悔してもしきれないから。
さて、ここらで新たに獲得したスキルについて、その詳細を確認していこう。
先ずは新規獲得したコモンスキル九種を順に。
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名称:短剣剣術
区分:コモン(セミパッシブ)
取得条件:連続三時間以上、短剣を装備した状態で
訓練を行う
概要:短剣を装備した状態での行動に補正
スキルレベルが10のとき且つ短剣装備時、
攻撃力150上昇
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この【短剣術】は【両手剣術】と同じく、武術系スキルである。
やっぱり慣れた獲物の方が安心出来るので主武器は両手剣――太刀が入手出来ればベストだ――にして、懐に入られた時を想定して近接戦用の副武器に【短剣術】を選択。
危機管理系のスキルとしては【気配察知】【隠形】【威圧】の三種類にした。
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名称:気配察知
区分:コモン(パッシブ)
取得条件:十分以内に異なる百の気配を感じ取る
概要:スキルレベルに応じた範囲の気配を感じ取る
(最大100km)
スキルレベル10のとき、追加で敵性判断が
可能
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名称:隠形
区分:コモン(アクティブ)
取得条件:連続百時間以上、何者にも気配を察知さ
れない
概要:周囲と同化し、その存在感を限り無く薄くす
ることで、他者からの認識を逸らす
スキルレベル10のとき、使用者の任意また
は物理的な接触以外で解除されない
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※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
名称:威圧
区分:コモン(アクティブ)
取得条件:レベル差50以上の対象を『萎縮』状態
にする
概要:使用者よりレベルが下の対象を『萎縮』状態
にする
スキルレベル10のとき、使用者よりレベル
が高い相手に対しても確率で『萎縮』状態に
する
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【気配察知】があれば、森などの見通しの悪い場所でも隠れた存在に前段階で気付けるし、前段階で気配を察知出来ていれば【隠形】で身を隠し、様子を伺ったところで対峙するのか、逃走するのかといった選択肢を増やすことが出来る。
そして対峙するとなったら【威圧】で相手を萎縮させ、本来の力を出させずに、有利に事を運ぶことが出来る。
加えてスキルレベル10にしたときの特典効果がどれも地味に嬉しいものが揃っている。
とまあ、この三種類があれば、大抵のことには対応出来るはずだ。
次は魔術系のスキル。
コモン枠で獲得した魔術系のスキルは【魔力操作】【生活魔術】【強化魔術】【系統外魔術】の四種類。
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名称:魔力操作
区分:コモン(セミパッシブ)
取得条件:体内の魔力の流れを読み取る
概要:体内に流れる魔力を流動的に操作可能
スキルレベル10のとき、追加で周囲10m
以内に対する外気魔力の操作が可能
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※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
名称:生活魔術
区分:コモン(アクティブ)
取得条件:魔力操作Lv1、知力50
概要:攻撃性は無いが、消費MPも低く生活に密着
した便利な簡易魔術
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※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
名称:強化魔術
区分:コモン(アクティブ)
取得条件:魔力操作Lv1、知力50
概要:一時的なステータス強化に特化した魔術
基本ステータスに対してスキルレベル×5%
の補正値を300秒間付加する
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※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
名称:系統外魔術
区分:コモン(アクティブ)
取得条件:魔力操作Lv3、知力70
概要:純粋な魔力を用いて事象を発現させる七大系
統に属さない、無属性の魔術
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【魔力操作】はそのまんま体内を流れる魔力を感知して操作することが出来る。
というかこれがないとそもそも魔術自体が使えないっぽい。
魔術を使うための前提条件のような位置付けだ。
元々魔力なんて存在しない地球から召喚された僕ではあるが、幸いラピスのおかげで魔力という物自体については知ることが出来た。
しかし何の指導も無しに魔力を自由自在に操る事は土台無理な話だったので、このスキルを獲得出来たのは幸いだった。
そして【生活魔術】【強化魔術】【系統外魔術】この三つは【魔力操作】を覚えてステータスの知力がそこそこあれば一般人でも扱うことが出来る、便利な魔術である。
【生活魔術】は火起こしから暗がりでの灯り確保と、生活に必要なものが大抵これ一つで賄える。
【強化魔術】はそれぞれのステータス値に対して、一時的にではあるがブースト出来るので、足りない部分を瞬間的に補うには最適だ。
【系統外魔術】は体内の魔力をそのまま魔術として作用させる魔術で、魔力を弾丸の形に成形して放つ【マナバレット】や対物障壁、対魔障壁などを作り出せる。
なので、遠距離攻撃や奇襲対策になるだろう。
最後に生産系スキルだけど、転がっていたスキルオーブの中には【彫金】や【裁縫】、【鍛冶】など色々とあったが、現状では【採取】一択しかなかった。
何せ周りは草原と森で、現在農作業……じゃなかった、薬草の間引き作業の真っ最中だし。
それに加えて他の生産系スキルでは道具が必要となるので、道具無しで出来る事といったら、薬草や果実の採取しか無いので、これは仕方ないだろう。
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名称:採取
区分:コモン(パッシブ)
取得条件:連続千回、品質を落とさずに植物の採取
に成功
概要:採取した植物の品質を一段階向上させる
スキルレベル10のとき、確率で品質を二段
階向上させる
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続いて新規ジョブスキル四種について確認してみよう。
先ず最初に生産系スキルの【錬成】。
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名称:錬成
区分:ジョブ(アクティブ)
取得条件:錬成師JLv1且つ器用50
概要:魔力を用いて素材からアイテムを作成する
作成出来るアイテムはスキルレベルと同等ラ
ンクまで
スキルレベル10のとき、追加で『錬成レシ
ピ大全集』の閲覧が可能
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【錬成】はテキストにもある通り、魔力を使って製作工程――例えば薬草を乾燥、粉砕して薬効成分を抽出する作業等――をすっ飛ばして、一気に完成品を作り出すスキルだ。
様々な物を製作する際の試行錯誤や繰り返し制作する際の過程を省く事が出来る便利なスキルだが、作り出したアイテムは当然、それらの分野に特化したスキル持ちの手作りの作品には品質面では到底敵わない。
しかし、この世界に召喚され、事前知識の無い身としてはこの上なくありがたいスキルである。
またスキルレベルを最大値の10に上げたことで『錬成レシピ大全集』というのが閲覧出来るようになった。
これは素材を手にした状態で【錬成】を起動させると、その素材から出来上がるアイテムの候補がウィンドウ上に浮かび、そこから一つのアイテムを指定すると、今度はレシピが出てきて、不足しているものが判る仕組みのようだ。
素材がないと機能しない特典ではあるが、逆に言うと素材が一つでもあれば何が作れるのか、何が不足しているのかが一発で解るので、かなり有用な特典だと思う。
基本はこのスキルで金策するつもりでいるので、人里に行ったら一番活躍するスキルじゃないかな。
お次は魔術系のスキル。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
名称:風嵐魔術
区分:ジョブ(アクティブ)
取得条件:賢者JLv10、風精魔術Lv3、知力
400
概要:七大属性魔術の風系統における最上級魔術
スキルレベル5のとき、追加で風系統魔術の
全てが使用可能
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※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
名称:大地魔術
区分:ジョブ(アクティブ)
取得条件:賢者JLv10、土精魔術Lv3、知力
400
概要:七大属性魔術の土系統における最上級魔術
スキルレベル5のとき、追加で土系統魔術の
全てが使用可能
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
名称:雷電魔術
区分:ジョブ(アクティブ)
取得条件:賢者JLv30、雷精魔術Lv3、知力
480
概要:七大属性魔術の雷系統における最上級魔術
スキルレベル5のとき、追加で雷系統魔術の
全てが使用可能
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
異世界と来て、魔術があるのであれば是非とも一度は使ってみたいと思うのが男の子でしょう!
コモン枠でも獲得したけど、やっぱりファンタジーといったら属性魔術は外せない。
そもそもこの世界での魔術というのは火、水、風、土の四種類の魔術が基本魔術と呼ばれているらしく、そこに雷、光、闇の三種類を加えて七大属性魔術とされている。
それ以外の魔術となると、コモン枠の三種類と極僅かなユニークスキルしかない。
この七大属性魔術は火属性を例にすると、火魔術が下級で火霊魔術が中級、火精魔術が上級、豪炎魔術が最上級となる。
これら属性魔術は他の多くのスキルとは異なりスキルレベルは5までとなっている。
僕は迷いに迷ったが、目視が難しい風系統の魔術、地上の生物ほぼ全てに影響を与えられる土系統の魔術、そして他の属性に比べて段違いに出が速い雷系統の魔術をチョイスした。
火、水、光、闇系統の魔術を選ばなかった理由としては、火、水は見た目も派手だし威力も大きいが、その性質上どうしても使う場面を選ばなければならないので、ちょっと使い難いと判断。
光は勇者っぽいから却下、闇は魔王っぽいのでアウト。
僕は勇者でも魔王でもなく、魔物使いですから。
とまあ、我ながら後半はちょっと俗っぽい理由だとは思うが、一応考えに考えた末の結論だった。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
誤字・脱字・矛盾点・説明不足・わかりにくい表現等のご指摘いただければ幸いでございます。
ただ、作者ガラスのハートでございますれば、柔らかい表現でお願いいたします。
17.11.18 誤字脱字修正&スキル効果一部修正