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第三話 難易度へるもーど?

 異世界生活三日目。


 僕は大きなベッドの上で目を覚ました。


 此処はルーベリア皇国皇都にあるお城のゲストルームの一室。


 僕らは転移組それぞれに与えられた個室だ。


「知らない天井だ」


 なんてお決まりのネタをかましてぼけーっと微睡んでいると……


「何を寝ぼけたことを言っているのだ、君は?」


「どぅおわっ!」


 ベッド脇から聞きなれた凛とした声が投げ掛けられ、驚きと羞恥にまみれ、一瞬で目が覚めた。


 ベッド脇の方を見やると、いつもの見慣れた学園指定の制服を着た麗華さんが頬杖をついている。


「れ、麗華さん! なんで此処に!?」


「うむ、少し早く目が覚めてしまってな。久方ぶりに陽斗君の可愛い寝顔でも拝みたくなってね」


 いやいや、だからって普通男の部屋に忍び込みますかね? そもそも、僕の寝顔なんか見てどうしようというんですか。


「ふふふ、しかし陽斗君の寝顔は本当に可愛いな」


 ベッド脇から妙に艶かしいというか、獲物を前にした野生動物の目をしている。


 舌なめずりしないでください、何かちょっといろんな意味で怖いです。


「さて、十分に堪能したことだし、そろそろ戻るとするよ」


 満足したようで――何に満足したかはわからないが――微笑みながらすっと立ち上がり部屋の出入り口に向かう麗華さんだったが、ふと立ち止まり肩越しに振り返る。


「ああそうだ、早く着替えて食堂に来たまえ。間もなく朝食の時間だそうだよ」


 そんな言葉を残し、悠然と歩き去っていく麗華さん。


 朝から妙に疲れたけど、そういうことならとっとと着替えますか。


 昨日の夜とは違い、いつの間にか小綺麗になっていた制服に袖を通し、こちらもいつから居たのか、部屋の隅に待機していたメイドさんに案内されて食堂に向かうのだった。






―★―★―★―★―★―






「おはようございます、ハルト殿」


「おはようございます、シャルロット殿下」


 食堂に着くと、既に僕以外の転移組とお姫様は揃っていた。


 お姫様まで待たせてしまったようだ。


 ちょっと不味かったかな?


 少し不安げにしていると、シャルロット殿下はなんでもない風に微笑んで、着席を促してくれたので、ほっとした。


 全員が着席したのを確認したメイドさんがテキパキと朝食を配膳してくれる。


 朝食のメニューは焼きたての白パンとベーコンらしき肉の細切れが入ったコンソメのようなスープ、そして生野菜のサラダだった。


 白パンは夜営の時の黒パンとは比べ物にならないくらい柔らかく、元の世界の食パンより少し堅いくらいだったので問題なく食べられた。


 スープは肉から出汁が出ているのか、ほどよい塩気と肉の風味が出ていて中々に美味だ。


 サラダにドレッシングはかかっていなかったが、どれも新鮮な野菜が使われているのか、瑞々しく歯応えもあり、食が進む。


 そんなことを考えながら朝食を頬張っていると、お姫様がこれからのことについて話始めた。


「皆さま、お食事の最中ではありますが本日の予定についてお話させていただきます」


 本日の予定ね。


 一体何をさせられるのか。


「朝食後は我がルーベリア皇国国皇陛下との謁見となります。その場で皆さまの現状と今後について詳しい説明があるかと存じます」


 このあと直ぐに王様に謁見かぁ。


 謁見の作法なんて知らないぞ?


 どうすりゃいいんだ。


「昼食を挟み、午後は我が国とそれを取り巻く環境についての勉強会となります。勉強会が一段落しましたら、五日後に皆さまの歓迎パーティーが開かれますので、その衣装合わせになりますのでご了承下さいませ」


 うへぇ、異世界に来てまで勉強ですか。


 とはいえ、ここで最低限の知識や常識を学んでおかないと、後々絶対後悔することになるんだろうし、仕方ないか。


「殿下、少し宜しいでしょうか?」


「はい、ダイキ殿。なんでしょうか?」


「そのパーティーというのは?」


「そうですね、形式としては立食になりますが、意味合いとしては国内の貴族や大きい商会等の有力者に対する御披露目、と思っていただければ」


 なんか見せ物みたいであまりいい気はしないな。


 けど、これを開催しておかないと方々からなんだかんだと言われるのだろう。


 お姫様の表情も若干曇っていて、申し訳なさそうにしている。


 政治的な影がチラついていてやはりいい気はしないな。


「私からも宜しいでしょうか?」


 麗華さんも発言許可を得るべく手を挙げる。


 それに対して頷くお姫様。


「このあと謁見と申されましたが、私たちは基本庶民です。謁見の作法などの詳しいことは身に付けておりません。無作法を咎められても困ってしまいますが?」


「そうですね、では始めだけ(わたくし)の真似をしてください。その後に陛下より『楽にしてよい』とのお言葉を頂戴したら直立をお願いします。その辺りは(わたくし)から話を通しておきます。それ以外は基本(わたくし)が話しますので、皆さまは黙ったままで構いませんわ」


「ありがとうございます。御手数お掛けします」


 なるほど、それならなんとかなりそうかな?


 いやー、いきなり短時間でガチガチの礼儀作法を身に付けろなんて言われなくて良かった。


「他にご質問は御座いますか? ……御座いませんでしたら、(わたくし)は先程のお話を通して参りますので一足お先に失礼したいと思います」


 そう言いながら微笑み、優雅に席を立ち、お付きのメイドを引き連れ食堂を後にするお姫様。


 僕たちは部屋に戻って制服に着替えるだけなので、食後のお茶で一息入れてからでも大丈夫なようなので、ゆっくり覚悟を決めさせて貰おう。






―★―★―★―★―★―★―★―






 今僕たちは謁見の間である馬鹿デカイ広間の赤い絨毯の上で、片膝を立てて俯いている。


 所謂膝礼という格好だ。


 この謁見の間、広いはずなのに圧迫感が半端ない。


 その原因は二メートルはあろうかという槍を携え、全身甲冑を纏った騎士が絨毯の左右の端に凡そ五十人づつ、計百人が無言で整然と整列しているせいだと思う。


 暫くその妙な圧迫感にさらさられて、いい加減辟易してきたところで、空気が変わるのが肌で感じられた。


「ルーベリア皇国国王クリストファ・ルーベリア陛下、ご出座!」


 カツカツとゆっくりとした足音だけが広間に鳴り響く。


 やがて足音が止まり、しわがれた男性の声が頭の上辺りから降ってきた。


「苦しゅうない、面を上げよ」


「はっ! 陛下に置かれましては……」


 お姫様がなんか口上を述べているみたいだけど、この張り詰めた空気に意識の大部分を持っていかれたせいで、全く頭に入ってこない。


「シャルロットよ、堅苦しい口上はその辺りまでにしておけ。救世の者たちも楽にしてよいぞ」


 王様から楽にして良いと言われたので一拍置いて膝礼から直立姿勢に移行する。


 改めて正面を見ると、二段ほど高いところにある玉座にきらびやかな衣装を纏った初老の男性が座っており、僕たちを睥睨していた。


 この人がこの国の王様か。


 何て言うか、彫りが深く鋭い眼差しから放たれるプレッシャーが半端ない。


 そこから一段低いところでお姫様に良く似た金髪碧眼の二十代前半くらいの美男子が探るような厳しい眼差しで僕らを観察している。


 多分、お姫様のご兄弟かなんかだろう。


 こっちもこっちでなんか睨み付けてきてるし、値踏みされているみたいでいい気分ではないな。


 更にその下の段、僕らと同じ高さの右手側には魔術士が着るようなローブを纏った壮年の男性と、名前はわからないが僕らが召喚された石部屋で見たお姫様に付き添っていた男性が立っている。


 この二人は格好からしてどっちも魔術関連の職についている人だろうか。


 どっちも俯き加減なので表情が読み取れない。


 左側にはでっぷりと肥え、仕立ての良い服を来た中年男性と周りの騎士より明らかに造りの良い鎧を纏った壮年の騎士が油断無く周囲を警戒していた。


 でっぷりした中年の方はにやにやと嫌らしい笑みを浮かべていて、失礼だが少し気持ち悪い。


 騎士の方は僕らに興味がないのか一定の注意を払ってはいるが、僕らを見ようともしていない。


 まぁ総じて歓迎されていなさそうだ。


「では改めて陛下にご紹介致します」


 お姫様から王様に順に紹介され、僕らは名前を呼ばれた順に黙ったまま一礼した。


「うむ、余がこの国の王である。先ずは遥々異世界からの来訪、苦労であった。我々はそなたらを歓迎しよう。シャルロットからあらましは聞いておるとは思うが、そなたらは碑文に刻まれし救世の使徒であることに間違いはない。現在我が国だけでなく、世界各地で魔物の氾濫が頻発しており、これに対処せねば世界が滅ぶ。ここはそなたらの世界では無いが、この世界を救う事がそなたらの使命である」


 なんか物凄くイラッてする物言いだな。


 正直、何勝手なこと言っちゃってんの? って感じだ。


 横目でみんなの顔を伺ってみると一様にみんな顔をしかめている。


 そりゃそうだ。


 訳もわからず呼び出されたと思ったら、世界のために死ねって言ってるようなもんなんだから。


 こちとら、お宅らの情勢なんか知ったこっちゃない。


 帰れる手段があるならとっとと教えろ、無ければこの世界で生きていくしかないんだろうけど、それにしても王様に生き方を決められる謂れはないはずだ。


 僕らはこの国の臣民でもなんでもないんだから。


「してシャルロットよ、この者たちに『鑑定の儀』は済ませたのか?」


「いえ、こちらに帰還した時間も遅かったので、どうせなら陛下の御前で行おうと思いましてございます」


「そうか。準備は出来ているのか?」


「はい。ウォレス、『鑑定球』を持って参れ」


 嫌な気分を払拭しようとしていると、どんどん話が進んでいた。


『鑑定の儀』って何さ?


「皆さま、これより『鑑定の儀』を執り行います。これは皆さま自身を鑑定することで強さの指針となるステータスが数字として表され、そして皆さまをこの世界の住人として登録する儀式でございます。一度世界にステータスを登録すれば、今後は『ステータス』と念じるだけで逐次ご自身のステータスが確認出来るようになります。これは基本ご自身が許可されない限り他人には見えませんのでご安心下さい。ただ、今回は初回となりますので、こちらの『鑑定球』で読み取った数値をこの魔術紙に写し取らせて頂き、記録として保管させていただくことになりますのでご了承くださいませ」


 ソーシャルゲームの初回登録みたいなもんか?


「因みに、この儀式は我が国では産まれてから五年経った民全てに行っております。そしてこちらは民の平均的なステータスとなります」


 僕らはお姫様から二枚のステータス鑑定結果が記されている羊皮紙を見せてもらった。



―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―


名前:村人

種族:人間族

性別:♂

年齢:15

職業:農夫

身分:村人


状態:平常


BLv:10

JLv:5


HP:148/148

MP:8/8


筋力:16

体力:23

知力:15

敏捷:15

器用:16


―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―



―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―


名前:兵士

種族:人間族

性別:♂

年齢:25

職業:剣士

身分:二級市民


状態:平常


BLv:20

JLv:8


HP:313/313

MP:17/17


筋力:36

体力:40

知力:24

敏捷:33

器用:35


―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―



 なるほど、これが平均的なステータスの値か。


 『種族』の項目に人間族とあるけど、やっぱり獣人族とかエルフ族とかがいるんだろうか。


 出来ればいて欲しいな。


 いや、別にケモラーでは無いけど、やっぱり猫耳や尻尾とかもふもふしてみたいじゃん?


 ステータス欄の中に『職業』という項目があるが、これは生活の糧を得るための仕事とする職業では無く、謂わば称号のようなものだ。


 この『職業』は一定のスキルを獲得することで様々な『職業』を選択することが出来るようになる。


 またこの『職業』には段階があり、見習いとされる第一階位、一人前と見られる第二階位、更にその上の中級職である第三階位と上級職の第四階位、そして今現在その『職業』に就いている者は確認されていない、文献でのみ見られる最上位の第五階位が存在するという。


 これは訓練や実践を通してレベルを上げていき、ある断面で条件を満たした時に上の階位の職業にランクアップすることが出来るというのだ。


 そして実際には仕事としての職業もこのステータスの『職業』が大きく関わってくるらしい。


 例えば、【剣術】スキルを獲得した人は、『職業』として近接戦闘系第一階位の一つである【剣士】を獲得することで、国の兵士となる資格が得られるのだ。


 他にも生産系の『職業』を獲得できれば、その道では優遇されるという。


 まるでRPGみだいだけど、僕らはどんな職業になるのかちょっと楽しみだ。


 『Lv』がBとJに分かれているけどこればベースのBとジョブのJかな?


 他の項目で気になったのは『知力』の項目だ。


 この世界の実情を把握しているわけじゃないけど、義務教育なんて制度があるとは思えない。


 そんな中で、こういっちゃなんだけど村人や兵士の割には『知力』が高くない?


 と思っていたら、どうやらこの値は魔術に関係していて、高ければ魔術の威力が高くなることがわかっている。


 知力が高い=頭が良いってことではないみたいだ。 


 しかし、この平均とされた数値を下回っていたら目も当てられないな。


 まあネット小説なんかでは、現地人よりも圧倒的に高いステータスになるのがテンプレっぽいし、大丈夫だろう。


 ……大丈夫と思いたい。


 そこに頃合いを見図っていたのかちょうどお姫様の説明が終わったところに、ウォレスと呼ばれたお付きのお爺さんがバレーボール大の水晶を載せた台座を持って現れる。


 そしてお姫様が魔術紙片手に台座の横に陣取った。


「それではレイカ殿からお願いします。こちらの『鑑定球』に手を翳して頂けますか?」


「……これでいいのか?」


 恐る恐る麗華さんが言われた通りに鑑定球に手を翳す。


 すると鑑定球が眩いほどに白く光り出す。


 三十秒くらい光っていたかと思うと、唐突に光が収まった。


「はい、けっこうです。少々失礼します」


 そう言い、お姫様は魔術紙を鑑定球に翳す。


 どうやらあれで鑑定した内容を写し取っているいるみたいだ。


 魔術紙の方にどんどん文字と数字が刻まれていくのが見える。


 三十秒ほどで写し取り終わったようだが、


「っ!」


 内容を確認していたお姫様がなんか絶句したっきり固まっている。


「シャルロット?」


 いぶかしんだ王様がお姫様に声を掛ける。


「……こほん、失礼致しました。で、では次にアカネ殿、お願いします」


 お、再起動したみたいだ。


 けど、心なしか声が震えているな。


 そして朱音、花凛ちゃん、天宮くんと続き、僕の番が回ってきた。


 麗華さんの時ほどではないが、他の三人の結果を見て、お姫様は挙動不審に拍車が掛かっていた。


「で、では最後にハルト殿、お願いします」


 僕は言われるがままに前に出て、鑑定球に手を翳す。


 みんなの時と同じように鑑定球が光り、ステータス鑑定が終わる。


 魔術紙に写し取った僕のステータスを見たお姫様が、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていた。


 ……なんだろう、物凄く嫌な予感がする。


「それでは、鑑定の儀の結果をここに申し上げます。先ずはレイカ殿のステータスです」



―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―


名前:スメラギ レイカ

種族:人間族

性別:♀

年齢:18

職業:魔道騎士

身分:異世界人


状態:平常


BLv:102

JLv:1


HP:5740/5740

MP:1780/1780


筋力:606

体力:559

知力:585

敏捷:568

器用:316


―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―



 麗華さんのステータスが読み上げられた途端広間がざわめきが広がる。


 先程見せてもらった平均的なステータスと比べると、明らかに高い事が原因だろう。


 流石は麗華さんだ。


 皇財閥会長の孫娘と皇仙学園生徒会長の名は伊達じゃないって事かな。


「ほう! 【魔道騎士】とな! これはまた珍しい職業を賜ったものだ。しかもレベル102とはまた高レベルであるな」


 興奮したように王様が玉座から身を乗りだし、称賛を麗華さんに送っている。


 この魔道騎士という職業は魔術士系の第二階位の【魔道士】と剣士系の第二階位の【騎士】という二つの職業を極めることでランクアップ出来る第三階位の職業らしい。


 平凡な才能では一つの第二階位の職業を極めるのにほぼ一生を費やしても届かないと聞いた。


 これを考えれば二つの第二階位の職業を極めなくてはならない【魔道騎士】という職業は単純な第三階位よりもよほど珍しいと言えるだろう。


 またレベルも102と現地人からすると遥かに高い。


 この国の騎士団の平均レベルは凡そ50ほどとのこと。


 十八の女子高生がエリート集団である騎士団の平均より二倍以上のレベルとなれば、そりゃ驚きもするわな。


 ステータス的には器用の項目がちょっと低い気がするが、大きく突出した項目がなく、剣も魔法も使える魔道騎士という職業的にもオールラウンダータイプかな。


「次にアカネ殿のステータスです」



―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―


名前:リンドウ アカネ

種族:人間族

性別:♀

年齢:16

職業:拳聖

身分:異世界人


状態:平常


BLv:92

JLv:1


HP:7055/7055

MP:636/636


筋力:626

体力:749

知力:159

敏捷:332

器用:132


―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―



 麗華さんには及ばないものの、朱音も高レベルだ。


 それに伴いステータスも軒並み高い。


 筋力と体力の項目が突出していて知力、器用の項目が低めだ。


 タンクも熟せる一撃必殺のアタッカータイプだな。


 職業は【拳聖】というものでこの世界では非常に珍しい格闘系第四階位の職業だ。


 地球にいた時もそうだったけど、言葉より先に拳が出る、ということでいいだろうかね、アカネクン。


「次はカリン殿のステータスになります」



―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―


名前:クジョウ カリン

種族:人間族

性別:♀

年齢:15

職業:賢者

身分:異世界人


状態:平常


BLv:84

JLv:1


HP:1709/1709

MP:2556/2556


筋力:119

体力:171

知力:688

敏捷:218

器用:601


―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―



 ここまでの三人の中では一番レベルが低いものの、それでも現地人よりは遥かに高い。


 魔術士系第四階位の一つである【賢者】の職業は様々な魔術が使えるので、後衛のアタッカーと治癒魔術によるヒーラーも兼任出来るタイプだ。


 ステータスはやはりというか、魔術の威力に作用する知力が他に比べるとダントツに高い。


 が、HPが他二人と比べて極端に低いのが少々心配だ。


「そ、そしてダイキ殿のステータスです」



―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―


名前:アマミヤ ダイキ

種族:人間族

性別:♂

年齢:16

職業:勇者

身分:異世界人


状態:平常


BLv:98

JLv:1


HP:4990/4990

MP:1738/1738


筋力:539

体力:523

知力:559

敏捷:540

器用:537


―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―



「な、なんと! 【勇者】の職業を賜った者がいたか!」


 王様の興奮が最高潮に達したのか、遂に玉座から立ち上がってしまっている。


 そう、『勇者』だ。


 ということは、この世界での主人公は天宮くんで決まりだ。


 良かった。本当に助かった。


 僕は主人公なんてガラじゃない。


 村人Aで十分。


 夢がないと言うなかれ。


 平々凡々に生きていくのだって世界にとっては重要な役割なんだ。


 そういう人たちがいないと世界は成り立たないのだから。


 閑話休題それはともかく


 【勇者】はエクストラジョブといってどの基本系統の第一から第五階位いずれにも属していない。


 この国の過去三百年の歴史の中でも建国王その人と他に二人しか確認されていないとのこと。


 いずれも歴史に名を残す偉業を果たしたそうだ。


 ……その勇者って僕らとおんなじ異世界人で、地球の知識使って内政チートとかしてたんぢゃねーの?


 天宮くんのステータス的には麗華さんと似たような突出した項目がないオールラウンダータイプだけど、性格的に最前線に出て、無双したがるんじゃないかな?


「最後にハルト殿のステータスになります」



―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―


名前:ユウキ ハルト

種族:人間族

性別:♂

年齢:17

職業:魔物使い

身分:異世界人


状態:平常


BLv:1

JLv:1


HP:78/78

MP:35/35


筋力:12

体力:8

知力:15

敏捷:8

器用:20


―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―



 ……ちょいと僕だけハードモード通り越してヘルモード過ぎやしませんか?

ここまでお読みいただきありがとうございます。

誤字・脱字・矛盾点・説明不足・わかりにくい表現等のご指摘いただければ幸いでございます。

ただ、作者ガラスのハートでございますれば、柔らかい表現でお願いいたします。

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