表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/48

閑古鳥飛ばず

「ご存知でしたか。では、一族の者が、鬼に味方したという話も事実なのですね。」



「ああ、山姥やまんばという人食いの鬼婆だった。」



「やはり、そうですか、お恥ずかしい限りです。現当主として深くお詫び申し上げます。決して償いきれるもなのではありませんが。私に出来る事でしたら何でも仰って下さい。」


彼女はまたも深く頭を下げた。



「止めてくれ、あなた方に責任はない。それより、オロチという男の事は伝わっていないのか?彼は大巳一族だったはずだが。」



「彼の事は、旅立ち、そして帰って来なかった。と、だけ伝えられてきました。」




「彼は、身内の始末をつける為にと命をかけて共に戦ったんだ。そして、俺たちと、この世を救うために死んだ。謝罪なんか必要ない、彼は責任を果たした、彼こそ英雄だ。讃えてやってくれ。」


「そうでしたか。詳しく聞かせて頂けますか?」



宗士郎は語りだした。彼と出会った時の事や共に戦った事、そして彼の最後を。



彼女は礼を言って、これからは必ず彼の事を英雄として代々伝えていくと約束した。



「ところで、宗士郎様はなぜこの村に?」



「いやぁそれが、たまには野菜や米の飯が食べたいと思っていたらたまたまたどり着いたのがこの村だったんだ。手土産にと熊を獲って来のだが、このザマだ。」



宗士郎は苦笑いをした。



「そういう事でしたか。重ねてお詫び致します。もし宜しければ村外れに一軒、空き家がございます。しばらくそこに住まわれてはいかがでしょう?」



「それはありがたい。しかし詫びはもうやめてくれ、それに“様”とか敬語も無しにしてくれないかな?」


「分かりました。宗士郎さん。誰かに案内していただきましょう。」


「ありがとう。助かるよ。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ