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閑古鳥静かに

二人は固まってしまった。



「お、起きてらしたのね。」



「……あぁ。」



感情の読めない乾いた声が恐い……。


引きつった笑顔に冷や汗を浮かべて二人は見つめ合った。



(どうしましょう!?化け物とか言ってしまったわ。)



(私なんか“ソレ”とか“モノ”とか言っちゃったじゃない!)



(ソレはどうでもいいとして、あの薬が効かないなんて……。)



(あっ!どうでもいいって顔して!何の心配をしてるんですか!?早く謝って下さい!)


(わ、わかってるわよ。でも私だって身体を張ったのよ?彼も男ならそんなに怒ってないんじゃ……)



「さすが親子だな、その細い目で目配せができるとは……驚いたよ。」



(絶対怒ってるよぉぉ!)



葵は半泣きになり母親の袖を掴んだ。



「葵……。」



ひろみは娘を一瞥して、その手を取り自分の後ろに下がらせる。そして、真っ直ぐに宗士郎を見つめ、手をついてゆっくりと頭を下げた。



「宗士郎様、お怒り当然でございます。しかしどうかご理解を……。無論、どんな罰でもこの身に受ける覚悟は出来ております。」



「お母さん……。」

目を潤ませ、母親を見直す葵…。しかし、彼女からは見えないが、低姿勢のままゆっくりと顔を上げる母の口元は妖しく緩み、胸元はいつのまにか大きく開いていた。


宗士郎の顔が赤くなる。



「ですからどうか、お気の済むまで私の身体を……」


「お母さん!?」


「ちょっと待て!?」


慌てて止める二人。葵は青筋を立てて、母親を見直し直した。


宗士郎は、ふっ…っと吹き出してしまった。もう笑うしかない。そもそも最初からそれ程怒ってはいなかったのだから。


葵もそれを見てほっとして笑った。

ひろみだけが何故か不満そうだったが……。



「もういいから、普通にしてくれ。」



しかし、ふと気付いた。



「……って、ちょっと待て、オレの中を覗いた…、とか言っておいてそんな事を言われたら、返ってオレの信用が無くなるだろ!?変態かオレは!?」



すると、葵がはっとして赤くなり、目を逸らす。さっそく効果が現れたようだ。そのまま下を向きもじもじしている。



「あぁ……、これは失礼しました。しかし私の術は他人の心や記憶を読むモノではありません。もっと大雑把な、魂の色や模様、輝きや影、そして穢れを…、奥深くその根源近くまで見透す事で、その人の人間性を見定めるのです。」



「その結果、オレは真っ白だと?ソレは良い事なのか?」



「はい、透き通るような白さ、そしてものすごい輝きでした。悪くはありませんが、普通でもありません。ちなみに、残念ながら変態性は見付かりませんでした。」



何故か葵がほっとしている。



「実はあなたの光が強過ぎて根源付近を見ることが私には出来ませんでした。或いはソコに有るのかも知れません。」



「おいおい、どうしてもオレを変態にしたいのか!?魂の根源にそんなモノがあってたまるか!しかも残念ながら……っておかしいだろ!?」



「可笑しい時は笑うモノですよ、宗士郎様。」



宗士郎は呆れたようにため息をひとつ。そして、ふっと苦笑いを浮かべた。




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