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鍵を返さない男

作者: 恋音

鍵を返さない男がいた。返す返す言いながらもう1ヶ月経った。一向に返す気配はない。さっと返せばいいのに。もったいぶってるとは思わないが、返してくれないせいで、色々なことを思い返してしまう。

初めて鍵を渡した日のこと。「お前の鍵ちゃんと持ってんで」と会うたび私の目の前でちらつかせていたこと。そして、「鍵返して」ってLINEした日のこと。ぐるぐるぐるぐる頭の中で、同じことばかり考えてる私。前に進めてないみたいで、嫌になってしまう。忘れられてないみたいで、自分が情けなくなる。

「ごめん、今週末返すわ!」「はーい」私はいつものお決まりの返事をした。これがもう出来なくなるのかと思うと、少し悲しくもある。返してほしくない、返さなきゃいいのに、そうちょっぴり思ってしまうのだ。

彼はまた別の誰かから鍵を受け取り、彼女の目の前に笑顔でそれをちらつかせるだろう。次はもう、返さなくていいようにね。

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