第四話 とあるドラコンの災難
我は1000年もの時を生きし竜
かの希少な竜種の一柱
そしてこの魔の森の主である
この森は元々小さな森だったのだが我の漏れ出る魔素により森は広くなり我の近くに住む魔物は力を蓄えた
そうしてこの森は魔の森と呼ばれていっだのだ
そして今、我は驚いていた
この森にこの我でも計り知れない魔力が現れたのだ
もしや魔の森の主の座を奪う輩かも知れん
この森は我からすれば長い年月を過ごした我が家そのもの
それを奪うというのは実に不愉快だ!
正直に言うとこの魔力……勝てる望みは薄い
だが!我は決して退かぬ
この森の主として!
我は魔力を感知した場所に向かった
そこにいたのは巨体な骸骨だった
全ての闇、呪い、怨念、恨み、辛み
それら全てを骸骨という形にして存在している
そんな者だった
あれと戦ってはいかん!
あんな化け物を刺激したら世界が終わる!
もしやすると勝てるかも知れぬと思ったのが間違いだった
あのようなものに立ち向かえるのはおらん
この森の魔物達には悪いが我はまだ死にたくない
我は逃げた
我は逃げる途中に後ろを振り返った
すると奴は魔法を使っており魔物達を虐殺していた
奴は魔法も使えるのか
我は驚いた
魔法を使う魔物はあまり存在しない
魔法を使うには高度な知能が必要だからだ
竜種などならわかるが意識を持たないアンデッドが何故、魔法が使えるのか我にはわからなかった
しかし同時に戦わなくてやはり良かったと思った
もし戦っていたらあの一方的な蹂躙は我がされていたのだから
こうして魔の森の主はドラコンからがしゃどくろに変わった