モンバス 4(書き直し中)
※大変申し訳ございません。現在書き直し中となっております。
「やよい……」
やよいは持っていた双剣を構えて俺を見据え、
「倉田……あんたは正気なの?」と尋ねてきた。
やよいの言葉の真意はわからなかったが、
俺はただうなずく。
するとやよいは双剣を納めると、「わかった。急いでここから逃げよう」と
俺の手を取って駆けだそうとした。
「待てよ! 先輩が……」
俺はやよいの手を振りほどくと、
砂上の巨大竜に向き直った。
ギャァァァァ!!
砂上の巨大竜は再び大きな口を開けて、この船を飲み込もうとしていた。
「そんなことっ、言ってる場合じゃないんだって!」
やよいは俺の腕をつかむとグッと自分の体に引き寄せ、
【転移石】を使った。
まばゆい光に包まれる。
次に目を開けたときに俺たちが立っていたのは、
ほんの十分ほど前にいたはずの、ピアノバーの中だった。
先ほどとはうって変わって静寂が支配している。
やよいはその辺にあったイスをけり倒すと、
もうぬるくなったビールを飲み干した。
「なぁ……これってさ……」
俺たちがゲームをしていたはずのテーブルに、
先輩とヒロカズが突っ伏したまま、動かなくなっていた。