エピゴノイの真実
瀬亥が言葉を紡ぐ。
「我らは『エピゴノイ』。古き人類に変わる、新たな人類の後継者。もし、『コーダ』が起こらなければ、我々の存在は消えてしまう。だからこそ、我々は戦うのです」
ゼルペンティーナはそれに言葉を返した。
「笑わせるな。もし『コーダ』が起きれば我々が生き残る術などない」
瀬亥が答える。
「この世界が『コーダ』で崩壊しても、『ザナドゥ』に行けばいい。ただ、それだけです。我々もその中で生きている。私は学生の身分です。生まれは『ザナドゥ』である以上、私たちは旧来の人類と染色体は違う。だからといって、私たちは差別しない。ただ、種族が違うから、両者間で子供ができないというだけ。我々の世界でも、あなたは指導者として活躍されている。そのあなたを無碍に殺し、それでもどうにか生き残ろうとする浅ましい考えを、我々は許すことができない」
「笑止だな。お前自身の意志はないのか?」
ゼルペンティーナは笑いながら言う。
瀬亥は言葉を返した。
「学園には後輩もいます。私たちの家族も『ザナドゥ』にはいます。私たちは、彼らを守るため、この戦いに志願したのです。さて、奴らも直にここに来る。ここを守り抜けば我らの勝ち、落とされれば我らの負け。ゼルペンティーナ様は、私が死命を賭けてお守りいたします」
深々と、瀬亥は再度頭を下げた。