1/3
プロローグ
※この作品にはグロテスクな表現が含まれております。心臓の弱い方、及び、そのような表現を嫌う方は注意して下さい。
赤信号を無視したトラックが、鈍い音と共に鮮やかな赤を道路に描いた。
目の前で女子高生がひかれたのだ。そう、私の目の前で。いつもの事だ。こんな風に人の死ぬ場面ばかりに遭遇しては、後で、警察官に聴取される。
「また、君か。で、今回の事件もみてたんだろ。」
やっぱりか、と言わんばかりの口調で、警察官に問われる。
「ええ。みてましたよ、また。それも、目の前で。」
はっきり言えば異常だ。こんなことが、多ければ月に一度、振りかかるもんだから、地元の警察にも疑われる始末。
仕方ないと言えば、そうなのかもしれない。今回は自動車事故で、運転手が罪にとわれる事は明確であるからいいものの、この前の連続通り魔事件では、えらく長い期間、警察に通わされたものだ。しかも、こんな風にして、死に直面した日には必ず夢を見る。今晩も見ることになるだろう、被害者の夢を。