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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

二重人格もどき

作者: 絶叫華

多少、過激な描写がありますので、苦手な方はお控え下さい。

オレは女だ。だけど、普段は男のように振る舞っている。その方が楽だし、オレの気に合っている。だが、「女に戻る」というか豹変することもある。二重人格のようなものだ。それには、ある限定の事柄がある。


オレは夕方頃、公園の前を通りかかった。何やら物音というか、打撃音がするので覗いてみた。

「喧嘩か。つか多勢に無勢かよ」

喧嘩はタイマン、これがオレのモットー。なので加勢に行くことにした。

走って行って、そのままの勢いで

ドゴォ

飛び蹴り。うん、クリティカルヒット。見事に吹っ飛んだ。我ながら上出来。

「な!誰だテメェ!!」

無勢のほうの一人が怒鳴り聞いてきた。そりゃそうだ。いきなり仲間が蹴り飛ばされりゃそう言うよな。

「喧嘩はタイマンが基本だろうが。つーことで、オレはこっちの味方で加わるよ」

一人の方を親指で指しながら言った。

「テメェには関係ねぇだろ!」

「助太刀いたす!的に」

「いつの時代の人間だよ!」

オレは地面を蹴って一瞬で間合いを詰めた。

「なっ!」

乱闘再開。オレは確実に急所を狙い、一撃で仕留めていった。一人でいた奴は唖然としている。残りわずかという時に相手の一人がナイフを取り出した。


ワタシのスイッチが入った。


「ねぇ、わかってる?それ出したらもう喧嘩じゃないの」

突然の変わりように周りが戸惑った。

「それ出したらね、殺し合いなんだよ」

口元には綺麗な弧を描いて。

相手に詰め寄り、木の枝を折るように腕を折る。

「がぁぁ!!腕が!腕がぁ!!」

「煩いよ」

折った腕を掴んだまま肩口に蹴りを入れる。

「あぁぁぁ!!!」

「だからね、煩いの」

髪を掴み、顔面を地面に叩きつける。

「ごぶっ」

嫌な音がした。

「次は誰?」

にっこりと笑いながら聞く。

「うわぁぁー!!」

逃げようとする相手。だが、ワタシがそれを許さない。

相手の前に立ちはだかり

「逃げちゃだーめ。ワタシが壊してあげるんだから」

「お、お前、イカれてるよ」

怯え、震えながらの指摘。

「えぇ、そうかもね。大丈夫よ。自覚済みだから」

相手はさらに顔を青くする。

「でも、貴方達が悪いのよ?ナイフなんて出すから。壊さなくちゃいけなくなっちゃったじゃない」

一人、二人と、壊していく。

「さぁ、貴方が最後よ」

最後の一人は腰を抜かして動けなくなっていた。近くに落ちていた鉄パイプを拾い

ガゴン

殴る。殴る。何度も。何度も。

血が飛び散り、顔に付いた。

「殺すな!!」

そこで、ハッと我に返った。

「あー、やっちまった。止めてくれてサンキュー」

鉄パイプを捨てる。

「とりあえず、サツが来る前にずらかるか」

「あ、あぁ」

二人で走り、その場を後にした。

しばらく走り

「あー、あっちー」

呼吸を整える。

「お前、さっき・・・」

「たまになるんだよ。ビビらせちまって悪かったな」

「いや、たしかにやりすぎだけど、結果的には助かった。お前強いんだな」

「椿」

「は?」

会話の流れから出るはずのない単語が出てきて、わけがわからないといった顔をした。

「オレの名前。お前は?」

あぁ、と納得がいったように、

「悠哉」

名乗った。

「よっしゃ、悠哉。オレの秘密を知ったからには逃がさないぜ」

ニヤッと笑って言う。

「脅迫か!」

「ナイスツッコミ。つーわけで、ダチトモになって」

「どういうわけだよ!」

「いいじゃん、いいじゃん」

へらへら笑いながら言うと、悠哉は、はぁーと長いため息をついた後

「よろしく、椿」

諦めたように、でも、少し楽しくなりそうだというように言った。

オレ等はお互いの拳をコツンとぶつけ、笑いあった。

「つか、椿。血ぃ拭け。怖ぇえよ」

「あ、気付かんかった」

「気付け!」


読んで頂き、ありがとうございました。

こんな感じの話をずっと書いてみたかったので、書けてうれしいです。

楽しく書かせていただきました。

お気に召した方がいれば幸いです。

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