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Sand Land Story 〜砂に埋もれし戦士の記憶〜  作者: 朝海 有人
第三章 白の勇者と古の記憶
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経歴

「とは言ったものの・・・。」

 朝食後、ローイエはすぐさま兵士の詰め所の奥に向かった。

 詰め所の奥にはたくさんの本棚があり、その本棚には同じようにたくさんの本がある。

「中々見つからないな〜・・・。」

 ローイエは何冊もの本を開いては閉じて、また開いては閉じてを繰り返していた。

 ローイエが探しているのは、槍の技術を記した技術本だ。

「ここにならあると思ったんだけどなぁ〜・・・。」

 ここは兵団の図書室。主に兵法や戦術の技術本等が置いてある部屋だ。

「レジオンはダメだったし・・・自分でやるしかないのかな・・・。」

 どうにかして槍の技術を上げようと、ローイエは本を頼りに頑張ってみようと決意したのだ。

「う〜ん・・・もっと奥の方かな・・・。」

 さらに奥の本棚に手を伸ばす。


ガタガタガタ!!!


「え!うわわわわわ!!!」


ガシャーーーン!!!


「いてててて・・・!」

 派手な音が響き渡り、たくさんの本がローイエ目掛けて落ちてきて、ローイエはそのまま本に埋もれてしまった。

「ぷはぁ!」

 何とか頭だけ本の山から出して呼吸を整えるローイエ。「もう何これ〜!"犯罪者ミーヴァとリオンの報告書"?これじゃな〜い!」

 本を放り投げると、その本はローイエの近くの本棚に当たり・・・。


ゴン!


「いた!」

 ローイエの頭を目掛けて、その本棚から一冊の分厚い本が落ちてきた。

「もう〜!これは・・・"兵団長の成績と報告書"?」

 何の気なしに、ローイエは落ちてきた本を手に取って、適当な場所を開いてみた。

「・・・あ!このページ、レジオンが兵団長の時の記録だ!」

 ローイエはページをパラパラとめくっていった。

「・・・!?」

 どんどんとめくっていくと、ローイエが開いたページから今の所まで、全てに共通点があった。それは、レジオンが兵団長だということ以外の共通点だった。

「何これ・・・どのページの所も・・・死者が三人以上いる・・・!」

 一日一日の記録が記されているページには、それぞれ全てに死者の名前が欄に書かれていた。

「何で・・・?毎日三人以上が死んでいるなんて・・・!」

 体が凍りつくような恐怖がローイエを襲う。

 しかし・・・。

「あ!この時代は砂の竜王時代だ!だから多かったんだ!」

 ちゃんと理由があったんだという安心感によって、ローイエの体から恐怖が消えていく。自然とほころぶ顔。しかし、その顔は長くは続かなかった。

「・・・・・・・・・えっ!」

 最初に開いたページから遡って本を見ていたローイエは、ある事実に気づかされた。

「砂の竜王時代じゃないのに・・・死者が出てる!?」

 砂の竜王時代だから死者が出ていたのだと自己完結させていたローイエに、再び恐怖が襲いかかる。

「一体どういうことなの!?」

 ローイエはすぐさま本の終盤までページを早めた。

「・・・あった!」

 ローイエが見つけたのは、レジオンの経歴書だった。

「・・・あった・・・母ミーヴァ、父リオンの間に産まれる・・・?」

 経歴書に書いてあった名前を見て、ローイエはさっきの本を思い出した。

「ミーヴァとリオンって・・・さっきの?」

 すぐさまローイエはさっきの本を探す。がさごそと散らばった本を投げては、どんどんと奥に手を伸ばしていく。

「・・・・・・・・・あった!」

 さっきローイエが投げた"犯罪者ミーヴァとリオンの報告書"と書かれた本を手に取り、すぐさまパラパラと斜め読みをする。

「・・・これ・・・!」

 ローイエは、その中の一ページに目をやった。

「ミーヴァとリオンの間には、第一子が誕生していたという事実がある。その第一子は、ミーヴァとリオンが持つ、"負の霊力"を受け継いでいるという事実が発覚した。」

 ローイエはさらに続けた。

「負の霊力とは・・・自分と自分の周りにいるものに負の力を働かせ、災いをもたらす霊力である。」

 そこまで読んだローイエは言葉を失った。

「そんな・・・じゃあ死者が多かったのって・・・レジオンの負の霊力のせいだってこと・・・?」

 ローイエは、レジオンの経歴書を見直した。

「・・・あれ?レジオンって・・・もっと小さい頃から城にいる・・・!」

 嫌な予感がしたローイエは、すぐさまレジオンが城に来はじめた辺りの報告書を見てみた。

「・・・やっぱり・・・!レジオンが城に来てから・・・死者が増えてる・・・!」

 全ての結論が出たローイエは、目に涙を溜めていた。

「まさか・・・レジオンが私を戦いに参加させないのって・・・。」

 自分の負の霊力でローイエを死なせないため?

 言葉が脳に浮かんだ瞬間、ローイエは体を動かしていた。地面を蹴り、本を飛ばし、図書室のドアを突き破らんとする勢いで走り出していく。

「レジオン・・・!間違ってる!間違ってるよ!」

 溢れる言葉を叫び、ローイエはレジオンを探して走り続けた。

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