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Sand Land Story 〜砂に埋もれし戦士の記憶〜  作者: 朝海 有人
第三章 白の勇者と古の記憶
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激励

 手を強く握ったのは、シロヤなりの意思表示だ。それを受けて、リーグンはシロヤに微笑んだ。

 そして、リーグンはもう一度レーグの方を向いた。

「・・・お父様、見ていてください。この国は必ず守ります。」

 決意を秘めたリーグンの瞳を見たシロヤは、ゆっくりと立ち上がって周りを見渡した。

 皆、リーグンの決意に合意するように頷いていた。国を守るという決意は皆同じだった。

「そうよ。私達の国は私達で守ってみせるわ。」

「はい!私も尽力いたします!」

 皆の声を代弁するかのように響く声。振り向いてみると、封印獄の扉の前にプルーパとバルーシが立っていた。

「なるほど、リーグンが来れたのはプルーパのおかげだったのか。」

「そういうことよ。」

 ゆっくりと近づいてくるプルーパとバルーシ。

 そして、プルーパはシロヤの頭を撫でた。

「シロヤ君。シロヤ君が皆を守るために強くなるのと同じで、私達もシロヤ君を守るためなら強くなれるのよ。」

「えっ?」

「その証拠に、私もプルーパ様も来訪者を退けることができました。」

 バルーシが言った。

 二人は多少の傷はあるものの、目立つほどではない。

「シロヤ・・・。」

 シアンはレーグの言葉を振り払い、立ち上がってシロヤの前に出た。

「共に戦おう・・・そなたがいればどんな脅威にも負けない。」

 シアンの発言がきっかけで、他の人も次々に口を開く。

「お兄様!私はいつでも味方だよ!誰が敵でもお兄様のためなら負けないよ!」とローイエ。

「ちっ!国王様がやる気なら俺もやるしかないだろうが!」とレジオン。

「非力ながら、私もシロヤ様に全てを誓います!」とクピン。

 それぞれがシロヤを、そしてバスナダを守るために誓い合っていた。

「皆さん・・・!」

 皆の決意を見て、シロヤは拳を強く握った。

「シロヤ様。激励をお願いします。」

 シロヤに向かってリーグンが言った。

 そして、シロヤは大きく息を吸い込んだ。


「俺はもう迷いません!皆さんのため、この国のために・・・皆さんと一緒に戦います!非力でまだ無能な俺ですが・・・ついてきてくれますか?」


「もちろんだ!」

「当たり前じゃない!」

「私も〜!」

「シロヤ様のためならば!」

「燃えてきたぜ〜!」

「私も頑張ります!」

「どこまでもついていきます!」

 皆がシロヤを慕い、シロヤを守ろうと誓いの言葉を叫ぶ。その言葉を聞いて、シロヤは拳を前に出した。

「必ず・・・必ず勝ちましょう!!!」

「オォォ!!!」

 全員が拳をシロヤに向けて叫んだ。その決意の叫びは、封印獄すべてに響き渡った。

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