激励
手を強く握ったのは、シロヤなりの意思表示だ。それを受けて、リーグンはシロヤに微笑んだ。
そして、リーグンはもう一度レーグの方を向いた。
「・・・お父様、見ていてください。この国は必ず守ります。」
決意を秘めたリーグンの瞳を見たシロヤは、ゆっくりと立ち上がって周りを見渡した。
皆、リーグンの決意に合意するように頷いていた。国を守るという決意は皆同じだった。
「そうよ。私達の国は私達で守ってみせるわ。」
「はい!私も尽力いたします!」
皆の声を代弁するかのように響く声。振り向いてみると、封印獄の扉の前にプルーパとバルーシが立っていた。
「なるほど、リーグンが来れたのはプルーパのおかげだったのか。」
「そういうことよ。」
ゆっくりと近づいてくるプルーパとバルーシ。
そして、プルーパはシロヤの頭を撫でた。
「シロヤ君。シロヤ君が皆を守るために強くなるのと同じで、私達もシロヤ君を守るためなら強くなれるのよ。」
「えっ?」
「その証拠に、私もプルーパ様も来訪者を退けることができました。」
バルーシが言った。
二人は多少の傷はあるものの、目立つほどではない。
「シロヤ・・・。」
シアンはレーグの言葉を振り払い、立ち上がってシロヤの前に出た。
「共に戦おう・・・そなたがいればどんな脅威にも負けない。」
シアンの発言がきっかけで、他の人も次々に口を開く。
「お兄様!私はいつでも味方だよ!誰が敵でもお兄様のためなら負けないよ!」とローイエ。
「ちっ!国王様がやる気なら俺もやるしかないだろうが!」とレジオン。
「非力ながら、私もシロヤ様に全てを誓います!」とクピン。
それぞれがシロヤを、そしてバスナダを守るために誓い合っていた。
「皆さん・・・!」
皆の決意を見て、シロヤは拳を強く握った。
「シロヤ様。激励をお願いします。」
シロヤに向かってリーグンが言った。
そして、シロヤは大きく息を吸い込んだ。
「俺はもう迷いません!皆さんのため、この国のために・・・皆さんと一緒に戦います!非力でまだ無能な俺ですが・・・ついてきてくれますか?」
「もちろんだ!」
「当たり前じゃない!」
「私も〜!」
「シロヤ様のためならば!」
「燃えてきたぜ〜!」
「私も頑張ります!」
「どこまでもついていきます!」
皆がシロヤを慕い、シロヤを守ろうと誓いの言葉を叫ぶ。その言葉を聞いて、シロヤは拳を前に出した。
「必ず・・・必ず勝ちましょう!!!」
「オォォ!!!」
全員が拳をシロヤに向けて叫んだ。その決意の叫びは、封印獄すべてに響き渡った。