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Sand Land Story 〜砂に埋もれし戦士の記憶〜  作者: 朝海 有人
第三章 白の勇者と古の記憶
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帝国

「シロヤ君、足元気を付けてね。」

「は、はい。」

 松明で足元を照らしながら、四人は祠の階段をゆっくりと下っていった。

「一体、この先には何があるのでしょうか・・・。」

 シロヤは何気なく聞いてみた。

「さぁな、ラーカに関係していることは分かってるんだがな。」

 ゴルドーが答えたと同時に、四人の目の前に壁が現れた。

「行き止まり・・・?」

 シロヤとバルーシは壁に手をついて調べてみた。

「・・・。」

「・・・!」

 しばらく調べていたバルーシは、何かに気づいたようにハッとなった。

「・・・シロヤ様、これは壁ではありません。扉です。」「扉・・・?」

 そういうと、バルーシは扉に手をつけて、力一杯に扉を押した。




ゴゴゴゴゴ!!!




「!!!」

 バルーシが開けた扉の先にあったのは、まるで迷路のようになった巨大な道だった。

「地下迷宮!?」

「バスナダの地下にこんなのがあったなんて・・・。」

 周りを見渡すと、松明の炎が地下の道を照らしていた。

「ずっと燃え続けてたのかしら・・・かなり古い木よ?」

「いや、これは魔法で作られた松明のようなランプだ。」

 周りを確認して、四人はゆっくりと地下の道を歩き始めた。

「一体何なのかしら・・・ここ・・・。」

 しばらく歩いていると、道の先に広い空間が現れた。

「やけに広いですね。」

「・・・。」

「あ、兄さん。」

 ゴルドーは壁に近づいて軽く埃を払い、壁に描かれている何かを見た。

「・・・ここは、どうやら人が住むために作られた空間らしいな。」

「じゃあ・・・ここは居住地区ってことですか?」

 ますます謎が深まる空間。シロヤ達も壁に描かれている何かに目をやった。

「・・・ダメ、私達ではこの文字は読めないわ。」

「古代文字か何かでしょうか?」

 シロヤとプルーパが話している横で、バルーシは壁を凝視していた。

「・・・我が望むのは更なる繁栄、ここに繁栄の象徴として、地下帝国を築き上げる・・・。」

 その場にいた全員がバルーシの方を向いた。

「バ、バルーシさん?」

「あなた・・・読めるの?」

 プルーパが驚いたように聞いたが、聞かれたバルーシも驚きの表情をしていた。

「わ・・・私もよくわかりません・・・見ていたら急にイメージが沸いてきて・・・。」

 訳がわからずに見合わせている三人を横に、ゴルドーはさらに奥へと進んでいった。

「あ!兄さん待ってください!」

 三人は慌ててゴルドーの後を追った。




「ここで行き止まりみたいだな。」

 四人がたどり着いたのは、居住地区よりもさらに広い空間だった。

「ゴルドーさん!あれ見てください!」

 シロヤが指差した先にあったのは、巨大な壁画だった。

「この壁画の絵・・・何かの戦いの絵かしら。」

「闇を取り巻く魔の姿をした者に立ち向かっている、白い鎧に身を包んだ戦士・・・。」

 巨大な壁画には、光を背に剣を構える白い鎧の戦士。そして、闇を背に数多の魔を引き連れている魔の者。

「間違いない・・・これはあの戦いの絵だ。」

「あの戦い・・・?」

「以前話した・・・バスナダという国が出来る以前の戦いだ。」

 作戦会議室でゴルドーが話した、英雄とラーカの戦いの絵が、この地下帝国の壁に刻まれていた。

「じゃあこの地下帝国って・・・。」

「その時代に作られたってことね・・・。」




ザッ・・・。




「!!!」

 突如聞こえた砂を蹴る音。

 全員が振り向くと、その先にいたのは全身鎧の男だった。

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