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Sand Land Story 〜砂に埋もれし戦士の記憶〜  作者: 朝海 有人
第三章 白の勇者と古の記憶
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出陣

「何だよ!結局こいつもダメじゃねぇか!」

 暗い空間の中にドレッドの怒声が響き渡る。

「王様よぉ!攻撃は二日後じゃなかったのかよ!」

 奥の暗闇に向かって吠えるドレッド。

 それに答えるように、奥の暗闇から声が響いた。

「完全な復活は果たした・・・しかし何か障害があったようだな。」

「・・・障害?」

 ドレッドの後ろにいた鎧の男が聞いた。

「忌まわしきチラプナの子孫共め・・・星をも完全に味方につけているとは・・・。」

「星は私達にとっても驚異ってことね。」

 壁に背を預けていたルーブが小さく呟いた。

 その横には、まるで石像のように動かない生きる屍、グンジョウが立っていた。

「王様、彼らは恐らく"禁断の地"へと足を踏み入れるでしょう。どうか、彼らの駆逐は私に任せていただけないでしょうか。」

 ドレッドの後ろにいた鎧の男が一歩前に出た。

「ならば行け・・・奴等を抹殺しろ・・・。」

 その声と共に、鎧の男は立ち去っていった。




「待て・・・。」

 歩いていく鎧の男を呼び止めたのは、さっきまで動かなかったグンジョウだった。

「奴等を・・・守る・・・つもり・・・か・・・?」

 途切れ途切れに言葉を発するグンジョウに、鎧の男は振り向いて口を開いた。

「俺は過去を捨てた。もはや奴等は敵だ。」

 そう言って、男はそのまま去っていった。

「・・・お前も・・・私と・・・同じ・・・では・・・ないのか・・・?」

 グンジョウはそう呟いて、去っていく鎧の男の背中を見続けていた。

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