挿入話 サタンの著書
試験明けでなんとか書き上げました。
今回は説明回です。
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『憤怒』のサタンをご存知であろうか。
なかなか知らない人が多いだろう。というよりも今を生きる人は知る機会が全くと言っていいほどないだろうから仕方ない。
『憤怒』のドラゴンなら知っている人もいるだろう。
ここでそれさえ知らない人もいるだろうから説明しよう。私の周りのものは『七つの大罪』さえ知らなかったのだからな。
七つの大罪というのは、罪というよりも、人間を罪に導く可能性があると見放されてきた欲望や感情のことだ。
これらは、
『傲慢』
『嫉妬』
『憤怒』
『怠惰』
『強欲』
『暴食』
『色欲』
の7つだ。
言葉の意味はこれであっているが、ここで私が書きたいことの話ではない。
あくまでも魔界を束ねる『七つの大罪』のことである。
現在の混界においてこの『七つの大罪』や魔界の存在について知る者は多くない。
そこでこの本では私の生き様を書いていくのと同時に『七つの大罪』についても書いていこうと思う。
知っているものは軽く読み飛ばしてもかまわない。
さて、『七つの大罪』の起源について、この世界に光が生まれた頃の話から順に書いていこうかと思う。
まだその頃は現在のように、天界、混界、魔界と別れていなかった。ただ混沌が漂うだけの世界だった。
混沌に渦巻く世界に突如生まれた光はだんだんと数を増やし世界を作った。その名は『始まりの世界』。光に照らされた真っさらな世界だった。 やがてその世界が光り輝き、そして一つの爆発をもたらした。
これこそが科学において『ビッグバン』という名で呼ばれている。それから星ができて、この地球に生物が出来たという訳なのだが、
光り輝けば当然影ができる。
という訳で地球に生物が発生すると同時に闇というのも少しづつ育っていった。ただ闇はその世界に留まることが出来ず、世界の裏側に新たな世界である魔界を作った。その魔界の中で生物の形をとった魔物が進化していった。
転機が起きるのは、闇が一つの卵を作った時だ。この卵は後に『革命の卵』とも呼ばれることがある。
やがて、その卵は7つの子を生み出した。
その子達は生まれながらにして他の者を圧倒する存在感を放っていた。
その後しばらくしてその子達『七つの大罪』は魔界を支配し、現在の姿へ変えた。
『七つの大罪』はそれぞれ、現在も直、人間が抱える欲望や感情の象徴でありそのものである。
これは一つの力である。この力を『革命の卵』から生まれた七つの子達は持っていた。
この七つの子達は、
『傲慢』はルシファー
『嫉妬』はレヴィアタン
『憤怒』はサタン
『怠惰』はベルフェゴール
『強欲』はマンモン
『暴食』はベルゼブブ
『色欲』はアスモデウス
を司っていた。
現在ではそれが少し変わる。
『暴食』のベルゼブブが餓鬼に喰われ、その力を餓鬼に取り込まれた。
『色欲』のアスモデウスはアラクネと自らの色気を争い、負けてその力を譲り渡した。
そして、『憤怒』のサタンは、まぁ私のことなのだが、
めんどくさくなったので部下のドラゴンにその力を譲った。
そう、この力を持つ者は強さと名誉を得ると同時に、圧倒的な存在感を持つ。
つまり、どんなに隠遁した生活を送りたくても他の者の目から逃れることができないのだ。
だから、私は譲った。
そういうわけで私は混界に降り立ち、日本という場所で自由気ままに生きているわけだ。
~海堂左丹著『『七つの大罪』だったサタン』冒頭より~
次回は河野先生の話になると思います。
ちなみに左丹はただの噛ませ犬じゃないです。
ちゃんと後で出てきます。