【1話完結】 「最強」の老魔導士、「最強」の魔導士組織からハブられたけど知らん~
はい、いわゆるクソなろうっぽい何かです。
主人公はチート系老害です。
「——以上の上級魔導士を、パトロン初期人員として任命する。」
昼、城下街の広場。群衆が息を飲む中で、うるさいジジイが喋り終えた。...正直、今すぐ声を上げて直談判してやってもいいのだが、まぁいい。ここは年長者として奴の顔を立ててやろう。
そうして、適当に時間を潰してあのジジイが決起集会を終えるのを待った。
夜。同じ広場に、老人が2人。
「1つ最初に問いただしておこう、バシレイ。お前が組織した”パトロン”は、この国"最強"の魔導士達で作った自治組織なんじゃな?」
あのジジイは、笑いながら言い切った。
「おお、そうじゃともストロナ。」
続けざまに、相対するジジイは言い放つ。
「人は年を取って耳を悪くするというが、お主は聞こえぬ物まで聞こえよったからのぉ。これで、"丁度良く"なったわけじゃな。」
「チッ...この耳でもお前の嫌味はしっかり聞こえとるぞ。」
「ほほ...まぁいい、んで何じゃ。お主、"最強の魔導士組織"の中に、お主が入っていなくて不服か?」
「ふん、....儂が組織にいないのなら、"最強"の看板を降ろせ。と言いたいんじゃ。」
「変わらんではないか。まぁ、分からんでもないがの。」
「お主はパトロンには入れん。少なくとも儂が生きとる間はの。理由はまぁ.....お主の胸に手を当ててみるといい。"最強"のストロナ殿。」
相対していた老人は、夜風を浴びながら、颯爽と、街へ歩いて行った。
....相変わらず、癪に障る老獪だ。
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翌日、昼。
酒場に着くなり、酒場の主人が顔を変えてやって来た。...普段なら、こういう日は大体夜まで酒が飲めなくて嫌になる。
「ストロナさん! ....ああよかった。今日も来てくれた。....大変なんです! さっき郊外の方で、強い魔物が出たそうで....家内もそこに外出していて....」
案の定、依頼。この主人の家内も、しょっちゅう事件に巻き込まれるな。....だが、今日は。
「あぁ...安心せい。昨日バシレイの奴が作ったパトロンが....」
言いかけたところで、言葉が止まる。急に若返ったかのように、思考が巡る。
「パトロン...ですか?」
「いや。やはり儂が行こう。パトロンなんて腑抜け集団より、この儂、ストロナの方が軽く万倍は有能じゃからな。」
根回し。そういう物だ。所詮"最強"と言ってもせいぜいバシレイ1人のワンマンチーム。この儂には取るに足らず。
酒場の扉を蹴り開け、意気揚々と外へ向かう。
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城下街郊外。最近は散歩で稀に来るが、空から見下ろすのは初めてか。
「っと、あれか。」
馬鹿でかい3つ首の犬。先代の魔王の時代の残党か。まぁ、並みの魔導士なら10人がかりでトントンってとこかの。
....周りに一般人はいない。喰われたか、離れたか。...まぁ、喰われたんならそりゃパトロンのせいじゃし。
どの道、儂の根回しの肥料か。
「制限壊錠」
「....超炎砲撃弾ッ!」
昼。
時間を間違えた夕焼けと夜更けが一瞬姿を見せる。
3つ首犬諸共、周辺の平野は吹き飛んだ。
....にしても、我ながら中々いい案ではないか。折角の機会だ。このまま奴らの出番をドンドン削ってやろう。
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昼過ぎ。近郊の森にて。
「地郭奔流葬!」
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夕方。少し離れた岩山にて。
「戒氷連装式!!」
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そして、夕暮れ。魔導士協会の受付にて。
「ふぅ。偶にはこうして暴れまわるのもいいの。それに、奴らパトロンの評判を落とせるなら一石二鳥といった所かの。」
奥から、報酬金を持った受付の男が駆けてきた。
「こちらが....ええと、20件分の報酬になります。 .....にしてもまさか、ストロナ様が直々に動いてくださるとは。」
「ふふ...儂も偶には人助けがしたくての。」
「本当に助かりました! 今日はパトロンの皆さんも非番だそうなので...」
「ふふ、いいんじゃ....待て。お主今なんて言った?」
「え? 本当に助かりましたと...」
「その後じゃ! なんて言った!」
「え? ....今日はパトロンの皆さんも非番だそうなので。」
....嵌められた。
あのクソジジイに、嵌められた。
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夜更け、酒場にて。
「いやー、今日は色々対応ありがとの。"最強"のストロナ殿。」
バシレイ....クソジジイは、儂が動かない可能性も考えて、1人城下街で待機していたらしい。
「チッ....」
「言ったじゃろ? お主はパトロンには入れんと。 そもそもプライドの高いお主が組織人? ハッ、どれだけ安い酒でも上手く飲めそうな肴じゃな!」
酒が入っているからか、普段より5割増しで煩い。
「まぁ、それに....パトロンが最強の魔導士組織と言っても、その最強は、強さだけじゃない。」
「人に希望を与える力。協調性。そういうのを加味して、彼ら彼女らを選んだ。」
あと買った恨みの量もな。と、ジジイは付け足した。
「それに....」
「お主をパトロンに入れたら、パトロンが全滅した日に、国も滅びかねんからの。」
......バシレイめ。
「....はぁ、ダメじゃ、お前とじゃいい酒でも酔えん。」
「主人! 儂の分は、前までのツケ込みでこいつで返す!」
魔導士協会で受け取った報酬金の袋を、机に叩きつける。
「ふむ....どうする気じゃ?」
「ちょっと田舎の空気を吸ってくる。お前も、パトロンも近くにいるだけで酒がマズくなるんでな!」
夜更け。そう言って儂は、酒場のドアを蹴り飛ばした。
読んでいただきありがとうございます!評価とか、感想(指摘)とか、していただけるとめちゃくちゃ私が嬉しいです!
----以下雑談
はい、なんかそれっぽいタイトルの作品が書きたくなったので勢いで書いちゃいました。
この作品と同じ世界観の長編を書いてるんですが、まだ8話とかなので....完成してから投稿する予定なので、何年後になるやら.....
というわけで、改めて読んでいただきありがとうございます!評...(略)




