戦闘
「おりゃあ!『光球』!!」
あたしは魔法で光の球を生み出すと、亡者たちに向かってぶつける。
あたしの使う白魔法は基本魔物にしか攻撃出来ないので、亡者たちにも効かなかったらどうしようかと思ったが、生き物でないためか、球に触れた亡者たちは煙のように消えていく。
よしっ!なんとかなりそう。
と思ったが、何しろどんどん地面から湧いてくるため、きりがない。
しかもあたしが必死に戦ってる間、謎の男は何にもせずに見てるだけ。
「あんたも手伝ってよ!!」
叫ぶと、男は困ったように、
「あまり、動きたくないんだが···」
「良いから、やれ」
有無を言わさず命じると、男はしぶしぶといったように剣を鞘から抜く。
すると敵意を感じたのか、亡者が男の方にも向かってきた。
一瞬、何が起きたかわからなかった。
それこそあっという間に、亡者は横半分に斬られて霧散する。
「え」
あたしが呆けている間にも、男は亡者たちにも向かって駆けていく。
男に襲いかかる余裕なんてありはしない。亡者たちは斬られ、黒い霧になるだけだ。
って、あいつ、滅茶苦茶強いじゃないか。
「おい」
「おおっ!?」
いつの間にか男がすぐ隣に来てて驚く。こいつ、ほとんど音も無く動くな。
「これじゃきりがない
倒しても次々に他の亡者を呼び寄せるようだ
一体一体相手をしても意味がないぞ」
つまり、倒すなら一斉にってことかな。
普通なら無理だろうけど、あたしは魔道士。あたしには、この術がある。
「光がほしいなら、これでもくらえーー!!」
神槍!!
天から降り注ぐ光の槍が、亡者たちを貫く。
亡者たちが一斉に弾けた。