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バックフォース 〜僕は異世界の救世主〜  作者: 阪岸春
第1章 発見と成長編
8/27

初任務③

教会に入るとそこには大量のカラーミーがおり、一斉にこちらを見ていた。

侵入者と認識したカラーミーたちがりあとレアト目掛けて突撃してくる。それをいとも容易く薙ぎ払うりあ。レアトはただその光景を見るだけで良かった。


「あの、なんだか余裕そうなので降りても大丈夫ですか?」


「た、たしかに降りても大丈夫そうだね。」


チラッ


レアトがオーガンを降ろす所を確認したりあはさらにギアをあげていく。

倒すというより殺す段階に入ったのだ。


「また起き上がって来たら面倒なのでここにいるカラーミーたちは全て殺しますので、レアト君は血が飛ばないよう気をつけといてください。」


「わ、わかった。」


技なんてものはそこにはなくりあの攻撃に気づくものも居れば、気付かずただ死ぬものもそこにはいた。


おそよ100体のカラーミー達を殺したあと。

見事に無惨な光景だった。


「落ち着きましたね。」


入り口にいたカラーミー達はもう生きているものはおらず、りあたちはゆっくりと調査することにした。


それにしても死体のせいで調査しづらい状況になっているのは確かだ。なにか怪しいものはないかと最低限の調査をする。


調査をして分かったことは教壇の下に地下への入り口があったことのみ。りあたちはそこから地下への向かう。


***

「地下は先ほどまでと同じで行かないかもしれないので気を引き締めていきたいと思います。

レアト君も戦う準備をお願いします。」


「でもりあだけでも大丈夫でしょう?」


「大丈夫は大丈夫ですが、もしかしてがあるので。」


りあが保険でそんなことを言うのはよっぽどの事なのか、はたまた僕が戦って成長させようと思ってくれてるのか分からないが、それでも気は引き締めていかないといけないような空気感が確かに漂っていた。


ゆっくりと地下への進む階段を降りていくレアト達。ずっと暗い道だったが、目の先に光が見えた。


「おそらくあの光の所にエスピリトがあります。準備しといてください。」


「初めてエスピリト見るんだけど、、」


「大丈夫です。見たらわかります。」


ついに到着したレアト達。

眩しい光に目が慣れるのを待ってから地下の全貌を確認する。


「ここ地下にしては広すぎるし明るすぎないか。」


目の前に広がっていた景色はあまりにも明るく、あまりにも広い地下とは思えないような場所だった。


「おそらくこれはゾージーニ王国の代表的な採石場じゃないでしょうか。明るい原因はゾージーニ王国でしか取れない石光星石のせいだと思います。それにしてもこの量には驚きですが、、」


光星石と言うのは結構高値で売れるらしく、この量はおかしいらしい。


「レアト君あの奥に見える大きな岩みたいなのがエスピリトです。まぁ前にカラーミーのボスみたいなのがいるから分かるでしょう。」


この綺麗な光と空間の中にエスピリトはあった。エスピリトがどれか分かるというのではなく、エスピリトを守るカラーミーが居るからその後ろの岩みたいなのがエスピリトとわかると言うことらしい。


エスピリトを守るカラーミーは普通のと比べると強い。


今回戦っていたオレンジ色のカラーミーはブルーと同じレベルなので少なくともそれよりは強い。


「ちょっと隙を作るのでそのうちにエスピリトの破壊お願いします。」


詳しい破壊の仕方はしらないが、サプレシオンが掛かれば魔力のバランスが崩壊して壊れるらしい。それにしても巨大な岩なので何回か掛けないといけないらしいが。


「じゃあ行きますよ。」


「了解。オーガン君はここで待っといて。」


、、、


返事がない。


「え?」


振り向くとそこにオーガン君の姿はなかった。


(どこで見失った?上で下ろしたところまでは覚えてる。その後僕は彼を見ていない。)

「り、りあ!」


気づいた時にはもうりあは飛んでカラーミーに向かって行ってるので声は届かない。


(今はやるべきことをやろう!)


ドンっ!


レアトが床を蹴る音が響き渡る。


***


(それにしてもエスピリトでかいな)


改めて近くで見ると大きいというのが再認識できる。高層ビルと言っても過言ではない。そんなレベルのエスピリトを破壊するのだから相当な時間と労力が必要になる。りあに負担を掛けずにしたい。


りあはもうすでに戦闘を開始していた。


(やっぱり今までのより強い。おそらくこの一体以外にもどこかに潜んでいるから手間をかけずに倒したい。レアト君は、、)


バゴンッ!

りあがレアトに目線を向けた隙をカラーミーは見逃さない。素早いパンチをお見舞いする。


ドガンッ!

地下を支える大きな柱に激突する。


「カッ!油断した、」


さすがのりあも先ほどの100体を相手にしているので疲れが出て来ている。

時間をかけたくないりあは技を使うことを決意する。


「雷降1の型 瞬光雷撃(しゅんこうらいげき)


シュン!

りあが雷となり高速移動が可能となる瞬光雷撃。

この技を使う時はりあが短期決戦を求める時だ。


ブジャ!

カラーミーの右腕が宙を舞う。首を狙ったりあだったが、自分の死を感じたカラーミーは危険を察知し避ける事に成功していた。


シュン

りあが姿を現す。瞬光雷撃は一瞬の高速移動一度止まってしまえばもう一度発動するしかない。

ただりあは避けられる可能性があると気づいた。


「これを避けるフィジカルはあるのね。だけど避けれる場所が無かったらどうするのかな?」


「風翔1の型 獄風閉閻(ごくふんへいえん)


りあとカラーミーの周りに強風が発生する。


これはなんだと考えるカラーミーだが、自分に害は無いと判断するとりあに攻撃を仕掛ける。


ドン!

カラーミーの蹴りがりあに直撃する。

発生した強風のなかを飛んでいくりあを見て違和感を抱くカラーミーだが、それに気づいた時はもうカラーミーが死ぬ時だった。


ニヤッ

「さようなら。久しぶりに疲れたよ。」


かなりの範囲を囲っていた強風がだんだんとカラーミーを中心にその範囲を縮めていく。


逃げる場所がないカラーミー。体を縮め守ることに徹する。


風翔1の型 獄風閉閻。その正体は、対象を中心に強力な強風を発生させる。その強さは風に触れたものを破壊するレベルだ。そのレベルの風で相手を閉じ込め徐々に破壊するという残虐な技である。


ブシャシャシャシャシャ!

カラーミーの体が粉々に破壊される音が響く。

りあの勝利だ。


***


(りあが戦っている間にできるだけのサプレシオンを)


エスピリトに近づくことに成功したレアト。すぐにサプレシオンで破壊しなければいけない所だが、エスピリトの中身を見て驚いた。

中には無数のカラーミーまだ小さいがもう生まれてきそうなカラーミーもいる。


レアトは生物の誕生に少し感動していた。

本来破壊するべき対象のカラーミー。生まれてきた理由も定かではないが、害を及ぼすからと破壊する。実際人間を襲っているから倒すべき相手なのだが、それでも生物が誕生する瞬間というのは確かに感動するものがある。


「ハッ!」


我に帰るレアト。サプレシオンの入ったカプセルを出しエスピリトに投げる。


パリン!

サプレシオンがエスピリトに流れていく。


バン!

するとサプレシオンが流れた部分が爆発にそれに応えるかのように連鎖的に周りのエスピリトが崩壊していく。中からまだ成長中のカラーミーが流れてくる。


(この調子でどんどんやろう。)


決心を決めたレアト。

順調に進んでいく。エスピリトの処理。

途中りあも合流して処理速度をあげていく。


「これで最後ね。」


バンッ

最後のエスピリトの残骸を処理したりあとレアト。

とりあえずの任務は達成だ。


「あとは外の火を処理しましょう。」


「あ、でもオーガン君がどこかに、、」


「とりあえず上にいるでしょう。上に行きましょう。」



***


上に戻ったレアトとりあ。

りあが倒したカラーミーの残骸を気にしながらオーガン君を探す。


「巻き込まれて死んでるなんてことはないと思うけど、、、いなさそうですね。


「そんな酷いこと無いとしても言わないでおこうよ。多分びっくりして外に逃げたんだって。」


そう言って2人を教会のドアを開ける。

唯一燃えていない場所が目の前に広がっていると思っていた2人。

目の前に飛び込んできたのは火の海。

先ほどまで燃えていなかったはずの部分が燃えている光景。


「え、なんで、、」


パチパチパチ

誰かの拍手の音が聞こえる。


「おめでとう。」


拍手の正体は探していたはずのオーガンだった。


「おめでとう。」


探していたはずのオーガンの声が聞こえ、振り向く2人。

そこには肌の色以外はレアト達が知っているオーガンが立っていた。


「オーガン君、、、だよね?」


「君たちが探してたオーガン君です。」


真摯にお辞儀をするオーガン。


「やっぱりおかしいと思った。」


「え、なにが、、、」


「この王国の周りに人が住んでいる村なんてない。なんで嘘つくんだろうって思ったけど敵側の人間だったってこと。」


「そーゆーことだね。ただ一つ言うのならば、、僕は人間じゃあない。カラーミーさっ。」


衝撃の事実。

今りあとレアトの前に立っているオーガンという人物。いや、カラーミー。見た目は肌の色以外は人間そのもの。


「なんで!って顔してるけど僕もなんでカラーミーの僕が人間みたいになったのかは分からない。人間化したカラーミーをカイードって僕たちは言ってるけど。別にカラーミーって思ってくれていいよ。強さは全然違うけどねっ!!」


ドン!

オーガンが床を蹴る音がレアトとりあの耳に届くと同時にレアトの腹に蹴りの一撃が入る。


ボグッ!

「グェッッ!!」


「レアト君!」


「だ、大丈夫、、」

「ラファエラ」


痛みを和らげるレアト。しかし、ダメージは入っている。裏切られたという精神ダメージが。


「な、なんで、裏切ったんだ!」


「裏切るもなにも遊び相手にしたかっただけだから、裏切るとかないですよ。ハッハッハッ!」


オーガンの笑い声が響く。


「僕はここにエスピリトを守るために来たのですが、ここにいる人間が邪魔だったので燃やしたんです。じゃあ暇になってしまってもう!暇で暇で、、なので!私の遊び相手になってください!」


「お前が、、エスピリトを守るだと?守ってたのはさっきのじゃないのか?」


「さっきのは僕がいじったカラーミーですよ!もうエスピリトいらなくなったので適当に守らしていたんです。」


「レアト君、火の海はこいつのせいってことが分かったので目的変更です。あれを倒します。」


「了解。」


戦闘態勢に入る2人。相手は人の形をしたカラーミー遠慮はいらないはずなのだが、レアトはどこか躊躇していた。


(人間化したってことは相手と会話ができる、改心してもらうこともできる、相手はまだ子供だ。きっと、、)


「レアト君、なにか変なこと企んでそうな顔になってますが相手はカラーミーです。倒すしかないんです。」


「、、、うん。分かってる。遠慮は捨てる。」


「お!準備OKですか?ではやりましょう。オーガン マニキュリアです。あなたたちの名前は??」


「結城レアト。」 


「空絵りあ。」


「結城レアト。空絵りあ。いい名前ですね〜。

では、よろしくお願いします。」


ドン!

3人が一斉に動き出す。りあたちフェルテフェリスはカラーミー相手だといつもと違う動きをしないといけないが、相手は人間の形をしているカラーミー。いつもよりやりやすい相手である。一方レアトは、この二ヶ月間ヌエボと体術などを鍛えていたので慣れている。よって2人のコンビネーションは即興にしてた。中々の出来だった。


シュ!

りあとレアトがパンチを喰らわす。必ずどちらかはヒットするようなパンチ。


パシッ

いとも容易くその2人の攻撃を止めるオーガン。


「ん〜良いですね〜。やっぱり戦いはこうでなくっちゃ!でも〜物足りないですね〜。」


そう言うとオーガンが2人から距離を取った。


「殴り合いも楽しいですが、やはり魔法を使った戦いがしたいですね!」


オーガンの両手から炎が出てくる。

このゾージーニ王国の火は全てオーガンの魔法炎によるものだった。


(魔法が使えるカラーミー、いやカイードか。)

「レアト君!私達も魔法を使いましょう!連携は合わせるしかないので私が合わせます。」


「分かった!出し惜しみなしでいくよ。」

武器を操るもの(ミハエルアルマ)常時発動。」


レアトの周りに空間ができる。ミハエルアルマ常時発動。いつでも好きな時に好きな武器を取ることができる。


能力を操るもの(ガキツカイ)


レアトのスピードがさらに上がる。

それに合わせてりあもスピードを1段階上げた。


「そうこないと!」


ボウッ!ボウッ!

オーガンの両手から炎の玉が2人目掛けて飛んでくる。


スルッ

華麗に避けた2人だか、避けた先にはオーガンがすでに放っていた炎が飛んできていた。


ジュ!

ギリギリ避けることに成功した2人だが、そのダメージは相当なものだ。

以前カラーミーが出した炎とは違い、温度は圧倒的にオーガンの炎が上。かするだけでもダメージはある。


「でも、この攻撃。見えなきゃ意味ないね。」

視界を操るもの(ウランスパエンテル)


スッーー

りあとオーガンの視界からレアトが消える。

こうなってしまえばオーガンが直接レアトに攻撃することはない。しかし、りあがレアトの連携を取れなくなってしまう。


「連携取れなくなりますが、大丈夫なんですか?空絵りあさん?」


「余り私を舐めるなよ。この野郎。」


ドン!

りあがとった行動は連携なんてもってのほかレアトの事を気にしない。オーガンとの殴り合いだ。


ただオーガンはこれに答えない。殴り合いをするつもりが無く逃げ回る。


「くそっ!逃げるな!」


「まぁそうカッカしないで〜。肌に悪いですヨッ!」


ブシュ!

オーガンの左腕が宙を舞う。


「うわ〜、僕の左腕が取れちゃったよ。いや切られたの間違いかな?」


スッーー

レアトが姿を現す。ミハエルアルマで出した剣には血が付いていた。


「さすがにあそこまで走り回ってたら嫌でもこうしますよ。」


「逃げ回るのも終わり。」


「い〜や?まだ逃げますよ?」


ブリュッ!

逃げる宣言をしたオーガンの左腕が再生される。


「確かにダメージは入ったかもですけど〜こんなの屁でもないんですよね!そんで〜!」


ボッボッボヴッ!

オーガンの体に高温の炎が纏わりつく。


「これであなた達の剣の攻撃は届きませんね。」


「再生もして、炎も出されると僕にできる事ないよ。」


「さすがに心臓潰せば死ぬでしょ。今からは私があいつとサシで戦います。レアト君はヒーラーになってください。それが多分今取れる1番効率のいい戦い方です。」


「分かったけど、大丈夫そう?」


「何回も言うけど私トレスフェリスだから舐めないで。いくよ!」


「サシで戦ってくれるの!やったね!」


ドン!バン!

オーガンとりあが床を蹴る音が開戦の合図となった。

炎を纏った拳で攻撃するオーガン。りあにとって圧倒的に不利な状況にしか見えないレアトは今できる最善の事をするしかなかった。


ボガン!

オーガンの攻撃はりあを襲う。

炎はすぐにりあが風翔で消すのだが、ダメージが高い。


(2、)


「あれ〜?ヒーラーって言ってたけどレアト君の助けいらないの〜?」


「そんなの無くたってお前は倒せる。」


実際はそうでもない。レアトが回復してるうちにオーガンが攻撃する可能性があるからだ。りあはそれを見越して必死に攻撃に耐えている。


「てゆーか魔法使わないで勝てるわけないじゃん。舐めてんのはどっちだよ。」


(確かにりあは魔法をまだ使っていない。何かあるに違いないが隙を見て回復させるのに専念しよう。)


ボガン!ボガン!!

オーガンがりあを殴る。りあは反撃はせずただ炎を風翔で消し攻撃に耐えることしかしない。


(3、4、5、6、、)

「グワッ!」


耐えていたりあだったが、オーガンの蹴りがりあの頭に飛んできた。なんとか腕でカバーしたもののりあは蹴り飛ばされた。


「りあっ!」


レアトがりあが飛ばされるのを体で止める。

なんとか炎の海まで飛ばされずに済んだ。


体力を操るもの(ラファエラ)


この隙にりあの体力を回復させる。ダメージは残るが今のりあからするとこれはかなりの勝機。


「レアト君、....」


「わ、分かった。」


りあが作戦をオーガンに聞こえないようこっそり伝える。


「じゃあよろしく。」


シュ!

りあがオーガンの背中を取る。

りあの風翔を足に纏った蹴りがオーガンの炎を消しながら体に刺さる。


「グハッ、楽しくなってきたー!お返し!」


ボガン!ボグッ!

オーガンの殴りと蹴りがりあに当たる。りあはこれをノーガードで受けた。


(やっぱり限界なんだ!)


(7、8、)


「ノーガードは余計舐めてるよね!魔法使えよ!」


ボグッ!

腹に渾身のパンチを喰らわすオーガン。

しかし、りあはこれも風翔で炎を消してノーガード。

(9、)


バキッ!

次にオーガン渾身のかかと落としがりあの頭目掛けて振り下ろさせる。これをりあは腕で受け止めて腕が折れる。


「りあっ!!!」


(10、)

「大丈夫!レアト君!もう、溜まったから。」


「え?」


シュン

レアトの横に一瞬で移動しオーガンから距離を取ったりあ。


「今日は戦いすぎたから!あなたとの短期決戦は無理かと思ってね!あなたの攻撃をわざと喰らってたの!さすがにちょっと疲れたからね!最後の攻撃はやばかったし、実際腕折れちゃったけど、これであなたは終わり。」

「さっき言ってたあれよろしくね。レアト君」


「え、わ、わかった。」

(わざとだったんだ。」


「なーにが終わりだ!魔法も使わないでどうやって僕を倒すの?!舐めるのも大概にしてよね!」


「その魔法を使うのよ、馬鹿ね。」

「雷降2の型 反雷激光(はんらいげっこう)


バチバチバチ!

りあの体に雷が走る。


「雷降2の型 反雷激光はダメージを喰らうと自身に雷が溜まっていく。10回ほどダメージを喰らうと誰も逃げられない稲妻が完成する。この技はオート。あなたを捉えるまで逃がさない。とは言っても光から逃れる人はいないけどね。」


「なっ!」


バン!

逃げるオーガン。天井を突き破り外に逃げる。全力で逃げる。

カイードのオーガン。カラーミーより敏感になったその感覚は自分の死を知るには十分なほど敏感になっていた。


「逃げれないって言ってるのに、」


バッ!

右腕を伸ばし掌を誰もいない穴があいた天井に向ける。


掌に稲妻が溜まっていく。


バリバリビリリ!

「発射。」


ズドン!!!

掌から発射された稲妻。高音を放ちオーガンに向かっていく。


***


炎の中を全力で走るオーガン。


ブジュ!

無惨にも稲妻がオーガンの体を貫通する。

この瞬間オーガンの死は確実なものとなりそれと炎を保てなくなったゾージーニ王国の火の海が消える。


ボエッ!

血を吐くオーガン、上半身と下半身はほとんど繋がっておらず、大腸がその二つを繋いでいた。


「こ、こんなところで!死ぬなんて、僕はいつか、レ、」


ザッ!

「やっぱり、りあの言ったとおり生きてた。

りあにトドメをよろしくって言われたんだよ。」


「くそが!何もしてないやつに殺されるなんて!」


「じゃあ、」


ズキン!

レアトに頭痛が走る。


「ごめんなー殺すのは俺だ。」


「な、お前、まさか、」


ブシュ!

オーガンの心臓が潰されて絶命した。


「ハッ!」


目の前には死んでいるオーガン。

一緒の出来事に混乱するレアトだが、とりあえずりあの元へと向かう。


「りあっ!」


「あ、トドメありがとう。」


「いや、また記憶が飛んで僕がやったのかはわからないけど死んだよ。あいつ」


「そ、良かった。」


(レアト)

「あ!りあ!腕!治すよ!」

体力を操るもの(ラファエラ)


スッーーー

りあの腕が元通りに戻ってゆく。


「ありがとう。とりあえず戻りましょうか。」


こうしてりあとレアトはオーガンの死体を回収し、車まで戻った。

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