討伐。分家と鬼丸
膳藤家に抑え込まれていた力を解き放った。その姿は女性の見た目は変わってはいないが明らかに妖怪。牙が生え妖狐の証である狐の尾が生えている。
「ここからは本気で行こう。」
ついに声を出して彼女らに話しかける玉藻前。その声からも先ほどまでとはレベルが違うことが理解できる。
「ここからが本番でありんすか。」
彼女らにはこの玉藻前を倒してもその後がある。それを考慮して戦っていたつもりだったのだが、真の姿を見た今その考えは無くなっていた。今目の前にいるこの妖怪を倒すことしか頭にない。月近は大量の分身体を生成した。
「世光はん。時間を稼ぐのでお願いでありんす。」
「了解!」
分身体が玉藻前に攻撃を仕掛ける。玉藻前はそれを驚きの魔法で対応した。
「模倣魔法。竜の番。」
二匹の竜が出現。月近はこの魔法に見覚えがあった。
「この魔法は、、」
竜魔法これは自らの魔力を使用し竜を顕現する魔法。この使用者は先代三日月宗近の使用者であり、月近がジャポーニャ時代の時の先輩、獅子竜矢の魔法だった。剣城ほどではないがその強さに尊敬の念があった竜矢が死んだことを知らされたのは三日月宗近の候補者として自分が呼ばれた時だ。その時既に神烏だった剣城に理由を聞くも教えられなかった。五羽烏衆の情報は一切外に出してはならなかった。
竜矢は玉藻前に殺されていた。元から魔法を持っているという陽国にしては珍しい竜矢。だがその竜矢が三日月宗近を持っていてもこの妖怪には勝てなかった。竜矢が玉藻前の情報を残していたのだ。
「お前が殺したでありんすか、、、、」
「この持ち主と知り合いなのか?じゃあこれで戦おう。」
竜矢と月近が知り合いということを知った玉藻前は自らの顔を竜矢の顔にすり替えた。
その顔を見た月近の怒りは頂点に達していた。その時、竜が分身体を全て倒しきり月近本体に標準を合わせていた。玉藻前しか見えていない月近は今にも竜の攻撃を喰らう瞬間だった。
「月近!!」
「!!!」
世光が月近を霧で包む。竜はそれを見て攻撃をやめた。霧が晴れた場所に月近はいなかった。
「月近!大丈夫?」
「今ので正気を取り戻せそうでありんす。」
彼女らは霧となっていた。大典太光世により自らを霧化することができる世光。彼女は触れたものも霧にすることができ月近に触れた時で彼女を玉藻前の視界から消していた。
「どうするの?あいつ多分他にも魔法持ってるよ?」
「奥義を使用するでありんす。」
「えっ!ダメだよ!それは!」
「そっちじゃなくて普通の方でありんす。」
「そっちか!分かったそれで行こ!」
「こっちから来たぞ。」
霧魔法で見えていないはずの二人の側で玉藻前が二人に話しかけた。
「霧が広がっていたが匂いを覚えたからな。もう逃がさん。」
「模倣魔法。竜の番。」
場所がバレた二人は霧化を解き戦闘態勢に入った。
二匹の竜が二人を攻撃する。世光が霧化を駆使することで2体の竜の攻撃を対応する。そして月近が玉藻前と相対する。月近の援護には行けそうに無い世光。月近と玉藻前のサシの勝負が始まる。
「なぜその魔法が使えるでありんすか。」
「食べたからに決まってるでしょう?」
月近の予想が当たっていた。玉藻前は食べた人間の魔法が使用できる。しかし陽国に魔法が使える人間が少ないため使える魔法は少ないと考えている。実際玉藻前は竜矢の魔法しか使用できない。分身体がいる方が邪魔になると考え月近は己の体一つで戦う。つまり今から行われる二人の戦いは正真正銘の殴り合いである。
月近が玉藻前に殴りかかったことでこの戦いは幕を開ける。それをもろともしない玉藻前はそのまま殴り返す。しかし月近もその攻撃をもろともしない。魔法が珍しい陽国では基本的にゴリゴリの戦闘タイプしかいない。玉藻前はこの状況に少し驚きの表情を浮かべる。月近は魔法が発現してこなかった今までの人生はこの瞬間のためにあると信じた。お互いの攻撃がダメージにならないと分かり魔法を使った方が負けると感じた双方は魔力を殴るためだけに使用し自然とノーガードの殴り合いへと発展していった。
(月近のとこに行けないっ!)
2体の竜を相手取っている世光は苦戦していた。攻撃を喰らうことはないが自分の攻撃が竜に効かない。空を飛ぶ竜、攻撃を当てるためには霧の中に居続けさせなければならない。悪魔の霧しか攻撃手段がない世光は最低でもこの二匹を月近の邪魔にならないようすることに最善を尽くす。竜側は世光に攻撃が当たらないことに苛立っていた。竜は世光のことしか見えていない。今考えれる最高の状況なのだが少し亀裂が入るとそれは瞬く間に広がっていく。
苛立ちから咆哮を上げた二匹の竜。その竜の口から吐き出されるのはその大きな音と大量の空気。その空気が霧化し軽くなっている世光を軽々と遠くに飛ばした。その瞬間二匹の竜は世光ではなく主と戦っている月近に狙いが定まった。
(やばいっ!)
「月近っ!!」
殴り合いに集中していた月近にその声が聞こえることはなく竜が月近に噛みつき天に登っていく。
「クッ、」
耐久性があり竜の歯にも耐えれたとしても高い場所から落とされれば月近もそう無事ではないだろう。助けに行きたい世光だが残った竜と玉藻前を相手にしなければならなかった。五羽烏衆である彼女は任務を優先しなければならない。月近がここで戦闘不能になっても死ぬまで任務を遂行するだろう。それが八咫烏であり五羽烏衆なのだ。
空に登っていく竜と月近。月近は最低限の被害に抑えるためにできるだけ高いところに行かさないと抵抗していた。しかし竜の硬い皮膚を破れない。月近は一つ残っていた選択肢をここで使用する。
「分身魔法。奥義。親愛せし貴方。」
月近の奥義新愛せし貴方、は月近がもっとも親愛する人物の分身をその場に顕現するもの。月近の親愛するその人物は現神烏天剣城。陽国最強が今この場に顕現した。
顕現した剣城の腰には三天。これは基本的にはないことだが三天の能力がこれを可能にしていた。
「あとは任せな。」
一撃で竜を切り刻む。落ちていく月近と分身体の剣城。この高さでは死ぬと感じた月近だが、気がついた時には足が地面についており無事だった。
世光は霧化して玉藻前と竜の攻撃を耐え忍んでいた。月近は必ず無事に帰ってくると信じながら。
そこに一瞬で現れた月近と剣城。
「えっ?剣城さん?!」
「横のそいつは誰だっー!」
月近が戻ってきたことよりの剣城という謎の人物に驚いた玉藻前。玉藻前の標的は完全にその剣城になっていた。
「月近!使ったんだね!」
「あとは剣城はんに任せるでありんす。」
「了解!」
「あとは任せろ。」
世光は月近をその場から逃がした。月近の奥義は代償として分身体が消えるまで本体の月近がその場から動けないというものである。もちろん月近がこの瞬間に攻撃され動くことがあれば分身体の剣城は消える。世光は動けない月近を守ることに全力を尽くす。
「さぁ月近に召喚されたわけだが、お前を倒せってことらしい。」
「誰なんだ貴様は。」
「あいつらの上司だよ。そんでお前が使っている魔法の上司でもある。」
「そうか。」
「そうだよ。」
「模倣魔法。奥義竜神。」
「竜矢の奥義か。」
奥義竜神。召喚した竜と自分を合体させる魔法。
「竜故一閃。これでお前を殺す。」
魔力を消費し脅威の速さで突撃する真の竜矢の奥義。この奥義が技を出すために少し時間がかかるが剣城はその隙を突くことはない。
「俺にそんなの見せるなよ。死ね。」
双方の距離はそれほどなく、竜故一閃が到達する時間は一瞬。つまりこの戦いに終止符が打たれるのも一瞬。
「起きろ。三天。」
「起きてる。」
「そうか。」
魔力が溜まり切った玉藻前。
「模倣魔法。竜神奥義竜故一閃。」
ビュン
剣城に向かってくる奥義。剣城は三天を抜き構えた。
「焔の龍。」
振り下ろされた三天から巨大な龍型の炎が出現し玉藻前を覆う。
「これで許してくれ竜矢。」
一瞬にして燃やされた玉藻前。声をあげることもなく灰と化した。
「これでいいか?月近。」
「はい。ありがとうでありんす。」
「じゃあまた本体で会おう。」
そう言って分身体の剣城は消えた。
***
「またな竜矢。」
「ん?どうしたの剣城さん?」
「いや。なんでもない。それにしてもいねぇな。」
三天の影響で分身体の記憶が本体の剣城に継承されていた。
***
残された月近と世光はこのあとの膳藤家の戦いを捨て玉藻前を倒した。この後の戦いは命を捨てる覚悟で挑む。
玉藻前が死んだことにより膳藤家が玉藻前の魔力を使用して作っていた結界が切れた。そして家のあった場所に巨大な門が出現しその背後には明らかに膳藤家のものであろう屋敷があった。
「月近?行けそう?」
「行くしかないでありんす。」
二人は満身創痍で目の前に広がる屋敷に侵入することを決意する。
剣城のためなら命をも賭ける。屋敷の門番である玉藻前は倒した。二人は屋敷の中の構造がわからないどういう状況でも対応するために入念に作戦を立てる。
「中には分家の人間がたくさんいるでありんす。玉藻前は私たちと相性が良かったけれど他の五羽烏衆だったらすぐに倒せるはずの敵でありんす。中にいるのは人間私たちとは相性が悪い。」
「楽にここのトップのところまで行けるってことね。」
「入ったら霧を展開して走り抜けるでありんす。」
「了解。」
門を開ければそこを狙われる可能性があるため飛び越えることにした。魔力と体力がギリギリの月近が分身で門を開け中の人間の注意を引く。月近はここに残り世光一人でここの当主を討伐する。
「じゃあね。」
「ありがとうでありんす。」
「またどこかで。」
「また必ず。行くでありんす!」
門が開き世光が飛び越えたその時、彼女らを迎え撃つ敵の姿は無く人の遺体がそこら中にあった。
「え?」
「なっ!」
距離を取っていた二人はその状況を理解し瞬時に背中を合わせこの状況の整理を行う。
「また会ったね。」
「すぐだったでありんすな。」
大量に転がっている遺体。彼女らを迎え撃つ準備をしていたのだろう。すぐに仕留められるような陣形の形に遺体が置かれていた。
「とりあえず当主も死んでいるかもしれないでありんすね。」
「当主の部屋ってどこにあるの。」
「とりあえず奥の方でありんしょう。将軍様の部屋を奥にあるでありんすから。」
二人は気配のしない屋敷を歩き進める。気配がないとはいえいつどこで敵が襲ってくるか分からない。満身創痍の自分達。精神が削られる。
しかし、敵と遭遇することなく進んでいく。門の前だけでなくそこら中に転がっている膳藤家の人間の遺体を見て彼らよりもさらに上の存在がいることが明らかになっている。このナニカは敵なのか味方なのか分からない。
「もうすぐ屋敷の奥にある広間に着くよ。」
世光は薄い霧を展開することで屋敷の内部の構想を汲み取っていた。敵に気づかれるのを防ぐため誰にも見えない霧であることから世光自身も誰がどこにいるかは分からない。
「ここでありんすか。」
誰にも遭遇することなく奥の奥にあった部屋にたどり着いた二人。
「開けるでありんす。」
シャッ!
襖を開け部屋の中を確認する。そこの部屋には座っている人間が一人、下を向いている。大柄で見た目はエスパシオに近いものがある。
「死んでる?」
「いや。生きてるでありんす。」
「スッースッー」
よく聞くとその座っている人物が寝ているのが分かる。
「フガッ!」
「!!!」
急に起きたことに驚く二人。戦闘態勢に入る。
「フワッー。やっと来たがや。」
大きな欠伸を一つかまし二人に話しかける。その声に敵意がないことを二人は感じ取っていた。敵意丸出しだった玉藻前とは真逆のそのオーラに二人は困惑する。
「へ?敵の人だよね。」
「膳藤家の人間じゃないでありんすか、、、?」
「まぁ一旦座れや。」
二人を自分の前に座らせようとするその人物。罠かもしれないので二人はその人物のいうことは聞かない。
「あーーーまぁおみゃーらがそう身構えるのは分からんこともねーが一個だけ言っとくと外の死んどー奴らを殺したのはわしじゃ。ほら敵じゃなかろう?」
「それでもそれが私たちの敵であるという証拠にはならない。」
「はぁ。そんならこれが証拠になるか分からんが言ってみるかのー。」
「何をでありんすか。」
「先代の三日月宗近に選ばれしもの。獅子竜矢。」
その人物が発したのは元三日月宗近の所有者であり玉藻前にやられた月近の先輩である人物の名だった。
「なんで本名を、、、」
「だから俺は元八咫烏でおみゃーらの仲間だよ。おみゃーらは五羽烏衆でいいのかや?」
元八咫烏と名乗る人物。つまりこの人物は元五羽烏衆なのだ。
「あなたは味方なの?」
「味方。今しがた膳藤家の本家に敵なのがバレてもーたところじゃ。んでなんて今は名乗ってるんかのー。」
「わっちが月近でこっちが世光でありんす。」
「そうかや。わしは五右衛門とでも呼んでくれや。じゃ座ってくれるか?」
二人は五右衛門が味方なことを理解し、その部屋に入り五右衛門の前に座った。
「よう玉藻前を倒したなぁ。」
「なぜ助けてくれなかったんでありんすか。」
純粋な疑問である。なぜ五右衛門は自分たちの助けに来なかったのか。
「まぁ今の五羽烏衆の実力が知りたいっていう理由。あとはわしが玉藻前に勝てないっていう理由。あとは、ギリギリまで本家にバレたくなかったって理由。もうバレた今、わしゃおみゃーらにできることをして死ぬ。」
「死ぬんですか?」
「もうわしの任務は終わる。月近と世光。二人にわしが調べた膳藤家のことを話す。」
「では早くお願いでありんす。」
お互いに神烏に全てを捧げる五羽烏衆。自分たちの命のことは考えない。
「その前におみゃーら飯食え。死んどーやつでいっぱいだが、今はそんなこと考える暇ねぇだろう?このあとおみゃーらは剣城と一緒に戦わにゃーといかん。」
「剣城はんを知ってるの?」
「まぁな。とりあえず話すぞ。」
五右衛門は飯の準備をしながら膳藤家の情報を伝える。
***
〜国丸&切綱〜
「浜辺ですね。」
「浜辺だな!」
二人は美しい海と砂浜を堪能しながら歩く。
「こんなところにこんな綺麗な海があるとはな。」
「いやぁ。やはり海はいいな。」
二人は任務のことを忘れていた。これは彼らの探している妖怪酒呑童子の攻撃のものである。彼らがこれに気づくことはこの時の酒呑童子から見てありえない。勝ちを確信していた。
二人は自分たちの過去すらも忘れかけてきている。それは忘れてはいけない過去。それをなくしかけている、つまり剣城の忠誠心がなくなりかけているということ。しかし二人は感情は消えていなかった。
_____天国丸。本名は椿。彼はごく普通の家庭の子だった。父を知らない彼と母は一緒に血が繋がっていない新たな父と家族になった。見かけだけは普通の家族だったが、家族内ではそんなことは全く無かった。日々母からに虐待。父もそれを見て見ぬふりをする毎日。なぜ自分はこんなことをされるのかずっと分からない毎日だった。事実彼の父は人斬りそれに襲われた母がその時に身籠った子が椿だった。最初の頃は可愛がろうと頑張っていた母が日に日に人斬りの父に似ていく椿を見て何かの糸が切れた。
椿はそんなことは知らない。椿が十歳になったある日いつも通り虐待を受ける椿。その頃には包丁や簪で刺されるようになっていた。その痛みに耐えるためように椿に新たな人格が生まれた。名もないその人格。その人格の時の椿は彼の父を具現化しているようだった。その人格が生まれたとき母が持っていた包丁を奪い取り刺殺。家にいた父も殺しその血の繋がっていない父が持っていた刀を奪い彼は本物の父と同じ”人斬り”になった。
”人斬り椿”その名は瞬く間に陽国中に広がった。人格が出ているその時彼はどんな人でも斬った。女、男、老人、老婆、そして赤子。本物の椿が出てくる時間は昼の時間。刀は持っているがまるで弱そうな彼を見て”人斬り椿”と思う人はいないだろう。
時には侍を切ることもあった。元の人格の彼がまるで弱い。数ある侍が彼に鞘当てすることが多々あった。
「弱い奴が刀を持つなよ。死ね。」
「死ぬのは多分君だ。」
まるで死霊。生きている人間の目ではない。
「人気のいない所に行こうか。」
「死に場所は自分で選ぶってか。」
裏道に移動する。それは彼のもう一つの人格が暴れるのを防ぐため。
相手が刀を構えた時。彼が起きる。
「お前が次の死にたがりか?」
「は?誰だお前。」
気配が変わったのに気づく侍は彼の名を聞く。
「椿。」
「お前がっ”人斬り椿”っ」
逃げようとする侍。しかしそれに関係なく彼はその侍の首を斬った。
ゴトッ
「よわ。さぁ赤子でも狩るかぁ」
「おい。」
「あぁ?」
別の新たな人間が声を掛けた。
「お前が”人斬り椿”か?」
「らしいぜ。」
「もう一人の人格はどうしてるんだ。」
「適当に生きてるぜ?俺は斬りたくなったら変わるしテメェみたいな侍と戦うときは俺が斬る。」
「可哀想なやつだな。」
「黙れカス。死ねや。」
「お前だけ殺す。」
脅威の速さでその人物に斬りかかる椿。しかしその彼はそれよりも速い速度で構え攻撃を放った。
「虚空の権利者。」
その技は切りたいものを選ぶ技。彼はその”人斬り椿”の人格のみを殺した。
「え?」
人格が消えたことにより本物の椿が彼の前に現れる。
「お前が本物の椿か?」
「はい。」
「そうか。」
「なんで自分は殺してくれなかったんですか?」
「お前を殺す理由はない。かといってお前を生かす意味もない。意味は自分で見つけろ。」
「じゃあその機会をくださいよ。」
椿は感情がなかった。ただ少しの怒りがこの言葉を彼に吐かせた。
「まぁ確かに人格を殺した俺にも責任があるしな。じゃあ椿。俺の部下になれ。」
「じゃあそれで。」
「全く感情がない奴だな。お前に感情を思い出させてやるよ。」
「なんて呼べば、」
「剣城。天剣城。」
「剣城。」
それが彼と剣城の出会い。裏ルートでジャポーニャを経由せずにいきなり五羽烏衆の候補者となった。元々彼に秘められていた刀の才能。そしてその感覚。さらにその時唯一あった感情。人を斬るのは自分で斬ると選んだものだけ、斬るものは自分で選びたい。その感情が彼と鬼丸国綱を繋げた。
現五羽烏衆の中で一番歴が長い彼はその”人斬り椿”の名を捨て、その名を知るものは減っていった。




