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バックフォース 〜僕は異世界の救世主〜  作者: 阪岸春
第2章 才器陽国編
21/27

作戦開始。

「そのアロンダイト以外の名前って、、」


「ピジェット君の探しているそのぺカードクラスとやらだ。」


「見つけたのか?」


「昔の当主がな。」


「そうか。俺はウィルと一緒に戦うべきなんだろうけどよ。そいつらにも会ってみてぇ。」


「ピジェット。彼らの中にはもう相棒を見つけ君と同じように言ってくれた人がいたよ。その人にはこちらから連絡した時に協力してくれと伝えている。」


「そうか。だが俺はアロンにこの世界を見てもらいたいし他のぺカードにも会ってみたい。それが終わった時また来るってのでいいか?」


「探検家らしいね。君の人生だ。好きに生きろ。」


そうしてピジェットとカインは別れを告げそこから彼らが会うことはなかった。

ピジェットはアロンと一緒に色々な場所に行った。そしてその最中に出会った一人の女性との間の子供ができリーアス村という村を拠点に探検を続けた。彼らはエクスカリバー以外のぺカードクラスに会うためにカインに場所を聞くようなことはしなかった。その足で探し出しそれを文字にして残していった。


「アロン。君と旅をしていろんなことを知ることができた。君がスサノオで俺がイザナミの転生者。一つ心当たりがある。そこに君を置いていくよ。きっと次の主が見つかるはず。」


ピジェットは最後の旅としてアロンを陽国に届け、彼が書いた本を静かにフェリシダットに置きカインとその息子ウィルには会わなかった。

そしてその生涯に終止符をつけた。


その後アロンは陽国の将軍のもとで三代目に出会う。そこから国宝として彼は陽国に健在し名を改名。そしてエクスカリバーと再会を果たした。


***


「アロン、今は天だったか。お前人を殺してたのか。」


「そうだよ。お前と違って俺は苦しかった。」


エクスカリバーは彼が人をたくさん殺していたという事実を受け入れられずにいた。


「今もか?」


「今もだ。」


「辞めろよ。」


「辞めない。」


「なんでだ。」


「お前には関係ない。」


そこから彼らが会話をすることは無かった。

フシカと転星は互いの国の最高権力者ということを知り協定を組むことになった。そして陽国とフェリシダットは助け合う中になりそこからフシカの孫であるハセリの創設したフェリシダットの支部となった。その時には剣城が主となりわがままということから天上天下天刀通称三天と名前を改めた。


***


「三天の能力。強いですね。」


「だろ?まぁこいつが人を殺してるのは陽国がさせてることだからなぁ。三天も本当は嫌なんだよな?」


エクスカリバーは衝撃の事実を耳にする。


「おい!剣城!三天!どういうことだ!」


エクスカリバーはその事実を信じれずにいた。それに三天は何も答えない。


「フツロ。エクスカリバー。この任務が終わったら全部話すから何もかも。」


「だってさ。エクス。」


エクスカリバーは胸のモヤモヤが取れないでいた。

そしてセルカの魔力が体に完全に戻った。


「では行きましょう。みなさんこれを。」


次恒が何か小さなシールのようなものを渡した。


「それを胸のあたりに貼っていてください。僕と通信が取れるようになりもし心拍が停止。即ち死亡したとき瞬時にわかるようにするためのものです。」


3組は準備が終わりそれぞれ配置についた。


(三天のやろう。何も俺に言わないで。)


(エクス。今は任務に集中してくれ。)


フツロは心の中でエクスカリバーに声を掛けた。


(分かってる。俺の主はフツロだ。迷惑だけはかけない。)


(頼むよ。相棒)


・・・・・・


(おい剣城。なんであんなことを言った。)


(だってお前本当は仲良くしたいんだろう?)


(、、、、、、)


(これが終わったら全部話そうぜ。)


(そうだな。)


(頼むぜ。相棒)


『了解。』

二人の伝説と二つの最強のタッグが今ここに復活した。



「みなさん準備はできてそうですね。では行きます。」

「才器解放 数珠丸恒次。」


次恒の持つ才器。数珠丸恒次は空間を支配する才器。五羽烏衆は自らの魔法は持っておらず才器たちに選ばれることで才器の真の力を魔法として使用することができる。


才器を解放したことで次恒は本来の操作範囲である陽国全体を自由に操れるようになる。


「では検討を祈ります。」

パァン

手を叩いたと同時に彼らは目的の場所にそれぞれ到着した。


〜〜フツロ&剣城〜〜   

  出雲国


「初めて来たが、森だな。」


「森ですね。」


〜〜月近&世光〜〜

  下野国


「これは何もないですね。」


「あるのはあの一軒家だけでありんすか。」


〜〜国丸&切綱〜〜

  越後国


「ここは浜辺ですか。」


「浜辺に妖怪なんているんだな!」


〜〜セルカ&エスパシオ〜〜

  鈴鹿山


「まずは妖怪探しからか。」


「おっきい山だ!!」


それぞれまずは対象である妖怪を探すところから始まった。

ここに分家もしくは本家があると分かったのは八咫烏の五羽烏衆よりも下の位のものが探し出した。彼らはフェリシダット陽国支部ジャポーニャの人間として生きている。公表されているという理由で彼らは地方に行きやすい。そこで妖怪を見つけ出した時は基本的に次恒に連絡を残し戦闘に入る。ジャポーニャの人間は

そこそこの戦闘力は持ち合わせている。それでも倒せない時に彼らは五羽烏衆に襷を渡すのだ。彼らの中に襷を渡せずにその妖怪に殺されたものがいた。その妖怪こそがこの四体。彼らに渡していた通信機を元に妖怪の特定に成功。今に至る。

その中ですぐに妖怪のいる場所を特定する組がいた。


「あの一軒家怪しいでありんすね。」


「攻撃します?」


「しなくても向こうから来るでありんしょう。」


月近と世光の前には明らかに怪しい一軒家。しかし妖怪が家に住んでいるとは思ってもいない二人。相手の様子を伺う。


「世光はん。大典太光世はんを使ってもろてよろしい?」


「了解。」


世光は彼女の才器である大典太光世を使用する。大典太から大量の霧がゆっくりと地面に広がっていく。その霧がある一定の境目を超えた時世光が違和感を感じとった。


「月近さん。ここから先魔力が漂っています。それもあの家を中心に。」


「決まりでありんすか。あの家に玉藻前がいるでありんす。まずは私の

分身を行かせましょう。」


月近は腰に刺さっている三日月宗近を持つ。それと同時に彼女の分身が目の前に現れた。その分身体が家に向かって歩き出す。そして世光が言っていた場所を通過した時家から女性が出てきた。


「あれは人ですね。」


「人でありんすか。」


月近は分身体をさらに進ませる。すると家から出ていた女性が分身体の方に歩き出し分身体に何か話しかけている。しかし分身体は話すことはできないしその女性が何を話しているかも月近たちには聞こえない。月近はそれも無視し、分身体を進ませた。その時女性はその分身体を後ろから丸呑みにした。


「分身体が食われたでありんすね。」


「あれって、玉藻前ですか?」


「そうでありんしょう。まさか妖狐だったとは。」


玉藻前の正体は人間に化けた妖狐だった。玉藻前は今食べた分身体が本当の人間でないことを口にして理解した。そしてそれと似た魔力が範囲外にあることも。


(お前たちか。)


玉藻前が月近と世光の目の前に瞬時に移動してきた。


「なっ!」


その速さに反応が遅れた二人。玉藻前の攻撃を喰らった。しかしその攻撃にはダメージはなくただ遠くに飛ばされた二人。これは玉藻前の威嚇。

元の場所からかなり遠いところに飛ばされた二人。範囲内から直視が可能なギリギリのところの人間が敵ではないと区別し範囲内に入ってきた人間には容赦しない玉藻前だが、範囲外の人間が敵であると判断した今玉藻前は彼女らに威嚇した。


(来るなら来い)


遠くに蹴り飛ばされた二人。


「あくまで範囲内でってことですか。」


「こればっかりは行くしかないでありんすね。」


二人は作戦を入念に立てるために次恒の報告した。


「次恒はん。今よろしい?」


「はい。」


彼らの司令塔である次恒は一人で全体の場を取り仕切らなければならない。しかし彼は才器解放による魔法の使用でそれを可能にしていた。


「なるほど。範囲内に入ってくる敵にのみ反応する、ですか。やはりあなた達にして良かった。こういうのはどうでしょう。・・・・・・・・・・・」


「それはいい案でありんすね。」


「かしこっ!さすがだ!」


「これが上手くいく保証はないですが相手と同じ土俵には立てるでしょう。そこからは頑張ってください。」


「大丈夫だよ!いざとなったら、」


「世光。それはだめです。ここで使う代物ではありません。」


「うぅ。分かったよぅ。」


「それでは月近さん。頼みました。」


「了解でありんす。」


そして二人は決戦の場へと向かった。


「行きましょう。」


二人と玉藻前の戦闘が開始される。

再び玉藻前がいる場所に戻ると、家の外に彼女らを待っていたかのような玉藻前が立っていた。


(やはり来たか。)


声を出していないはずの玉藻前だが、彼女らの頭の中には聞こえていた。


「相当強そうでありんすね。」


「強そうだね。」


彼女らが逃げることはない。任務だからということもある。しかし彼女らは剣城に忠誠を誓っていた。彼のためなら死ぬと。彼のためにこの命を使うと。彼がいなければ既に彼女らはこの世に存在していなかった。


***


___天月近。本名加奈子。この名を最後に呼ばれたのは随分と昔のことだった。幸せは人生を送るはずだった彼女は親に売られ最終的に吉原の遊女になっていた。しかし彼女はそれでも幸せだった。本当の幸せを味わったことのない彼女はいつか元の世界に戻りたいと願っていた。ここにい続けることは死に値し、私はもう死んでいる人間だと考えていた。誰かが彼女をもらうと言わない限りは外に出られない。しかし彼女の吉原での位はそう高いものでもなかった。あくる日、吉原に妖怪が襲撃してきた。吉原の人間はもちろん逃げるが彼女はここで死のうと自ら妖怪に身投げした。その時には他の遊女たちは避難しており誰にも見られることなく死のうとしていた。妖怪に殺される直前にその妖怪が当時まだ神烏になりたての剣城によって倒された。たまたま近くに用事があった剣城、奇跡的に彼女は助かった。加奈子は外に出るにはこの人にしかいない。それが頭によぎった時には既に声に出ていた。


「ここから出して!!」


それを聞いた剣城は自分は人を助けるために生きていないと、ただ生きたいのなら八咫烏に入れ。それしかない。ということを伝え加奈子はその足でジャポーニャに入団。助けてもらった剣城のために生きようと決意。初めて自分の気持ちを人間に伝えた加奈子は剣城以外に本当の自分を見せたくないという強い気持ちがあった。その強すぎる気持ちこそが彼女が三日月宗近に選ばれた理由である。

そして彼女は自らの名を捨て、五羽烏衆となる。


***


___天世光。本名一葉。彼女の家族は村から嫌われていた。村のハズレに住んでおり母の生まれつきあるアザのせいで化け物、妖怪の家族と罵られていた。軽蔑視されていた家族は早くに親が罵られるのに耐えきれなくなり自殺。娘の一葉とその兄を置き去りにした。兄である直斗は9才でありながら自立し、妹の一葉と村の人間に軽蔑されながらも一生懸命生きることだけを考えた。そんな時に村に妖怪が出現、村の人間は一葉と直斗に知らせるはずもはく避難。当時まだジャポーニャのフェリスだった加奈子(後の月近)と他のフェリスがこの妖怪を退治するために村にきたが妖怪が逃走。その妖怪を追う加奈子。それ以外のフェリスは妖怪は一度襲った村は基本襲うことはないと言い加奈子を置いて帰ってしまう。しかし、その妖怪が逃げた先には一葉と直斗の家があった。妖怪はその家を見つけるや否や中にいた直斗と和葉を襲った。兄である直斗は妹を死なせないと妹を布団で覆いそれに抱きつき妹に被害がないようにした。だが兄に容赦はしない妖怪。月近が到着した頃には既に直斗は死んでいたがそれでもその腕の中にいた妹を離そうとしなかった。


「名前は言えるでありんすか?」


「一葉」


一葉は親のこともあり兄が死んだことに対してあまり悲しいという感情が無かった。彼女が育ってきた環境が彼女の感情を奪っていたのだ。加奈子はこの子に普通の子に育ってほしいという願いから彼女を保護することにした。そこから加奈子は一葉を育ててきた。一葉も感情が戻ってき、月近を尊敬と感謝の目で見ていた。しかし、月近は一葉に尊敬されるような生き方をしていない。そんな月近だが一葉枯らしてみると心からの恩人。月近のために行きたいと強く願うようになった一葉は月近に話した。


「私のためにじゃなくて私が尊敬する人のために生きてくれないでありんすか?」


「月近の尊敬する人?」


月近は剣城のことを話した。

そして一葉は月近からの初めての願いを聞き、ジャポーニャに入団。そして剣城と出会う。


「お前が一葉か!よろしくな!」


「はい!」


一葉は月近が尊敬している人物ということですぐに剣城に馴染んだ。しかしその二人以外の人間には馴染めず過去の罵られていたトラウマが蘇る。それでも彼女はフェリスとして生き、いつしか月近と剣城以外の人間の記憶にいたくないという強い願いが大典太光世と彼女を結ばせた。そして一葉の名を捨てた。


***


(月近のために。)


(剣城はんのために。)


『才器解放』


「大典太光世」


「三日月宗近」


彼女らは魔力と魔法を解放し玉藻前の攻撃範囲に侵入した。それと同時に世光が魔法を展開。


「霧魔法。世界からの拒絶」


玉藻前の目の前に広がる霧。一つ瞬きをした玉藻前の視界には先ほどまでと違う光景が広がっていた。そこにはたくさんの赤ん坊。玉藻前の大好物だ。その赤ん坊を食べようとする玉藻前その時自身の体から血が吹き出す。


(???)


何が起こったかわからない。玉藻前は霧の魔法が展開されていたことを思い出す。


霧魔法。世界からの拒絶は対象をその対象の一番の欲望が好きなだけある世界を見せれる幻術である。その欲望を満たそうとしたときに霧がその対象を攻撃する魔法。この魔法の解除方法は自身に傷をつけること。霧が晴れ幻覚が解除される。玉藻前は欲望を満たそうとすると攻撃されると知った。しかし彼女が辛いのはこの目の前に広がる景色。自分の大好物があるのにそれを食べれないという苛立ち。その苛立ちから解放するために彼女は爪で体を掻きむしった。それがたまたま傷となり幻術が解除された。元の景色に戻った玉藻前は月近と世光に対しての苛立ちがマックスに達していた。だが目の前に彼女らの姿はない。


「お怒りでありんすか?」


後ろから聞こえた敵の声。振り向いた先にいたのは何人もの月近。分身体だ。


「分身魔法。偽物の愛。」


分身体と分かっているが苛立ちから自分の感情の整理ができていない玉藻前。分身体に攻撃する。しかしその分身体はそれぞれ本人並みのスペックを持ち耐久性も高い。数で玉藻前を押していた。玉藻前は押されはするも最強格の妖怪。フィジカルだけで分身体を消していった。最後の一体になり月近を追い詰める。


「流石やな〜。」


余裕を見せる月近に玉藻前はさらに苛立つ。


(調子に乗るなよ。)


そうして最後の本体を倒したと思われたがそれも分身体。


「あら。分身体倒すのにえらい時間が掛かかったでありんすねぇ。」


再び後ろから月近の声が聞こえた。振り向くと本人が霧の中に姿を隠す。追いかける玉藻前だがそれは二人が仕組んだ罠。

霧に入った途端四方八方から謎の斬撃が玉藻前を攻撃した。


「霧魔法。悪魔の霧。」


その霧は敵意を持ったものが触れるとそのものを攻撃する。明らかに世光と月近に敵意がある玉藻前には霧からの大量の斬撃が飛んでくる。どうすることも出来ない玉藻前は霧からの脱出を試みるため地面を蹴り範囲外に出ようとする。


(出なければ)

バンッ


無事に霧の範囲からの脱出の成功した玉藻前だが、かなりの疲労。


「あら。随分疲れてるでありんすなぁ。」


脱出した先に待っている月近。


「もう一回戻ってくださいな。」


謎の力に引き戻される玉藻前。戻った先には分身体の自分がいた。


「分身魔法。昔への憧れ。」


この魔法は対処の分身を作成することからはじまる。その分身体は本体と同じ行動を取る。そして月近の任意の時に分身体を固定する。そして本体が別の行動をした時月近の任意のタイミングで発動すると再び固定された状態に戻るというもの。

二度目の斬撃。


(クッ。腹が立つ)


少しずつ玉藻前にダメージが入っていく。完全に玉藻前は二人のコンビネーションにハマっており、その頭で攻略法を考える。


玉藻前はこのような経験が無かった。近づいてきた人間を自分を認識するとすぐに逃げていた。それ以外には食料になるはずの人間。仕えている膳藤家の人間以外に強い人間がいることを知った玉藻前は膳藤家に抑え込まれていた本来の力を解放した。


「ガァァァァア!」


その解放で一気に世光の霧魔法が吹き飛ばされた。そして二人は玉藻前の真の姿を目にする。






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