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バックフォース 〜僕は異世界の救世主〜  作者: 阪岸春
第1章 発見と成長編
17/27

鷹見VSクルート

撃拳花火(うちあげはなび)


覚醒したレアトの魔力を使用した渾身の撃拳花火(うちあげはなび)一瞬にして塵と化したボーダー。アートの完全勝利。完全体となったボーダーはまだその体に慣れていなかった。もし完全にその扱いに慣れた状態だとアートでもこうはならなかっただろう。

「おいレアト。これが本当のお前だ。」

レアトはアートの戦いを見て学び理解した。自分の本当の戦い方を。


バシュン!

亜空間を解いたアートはそれと同時にレアトと変わった。

「じゃあまた。」

そしてレアトは周りを見渡す。

今まで戦っていた亜空間が消えていた。

(亜空間が消えてる?)

「レアト!」

レセアがレアトの元へと駆けつけた。


「亜空間が消えた、、、これは彼が戦い始めたということ。助けに行ってちょうだい!」


レアトは瞬時にそのことを理解し鷹見の元へと向かう。


***


「あのカイードどこに飛んでった?」


鷹見はクルートが飛んだ方向に向かっていたが魔力が感じられずどこにいるか分からないでいた。

クルートはかなり飛んだらしい。見つける方法は彼が行き着く先まで行かないと分からない。鷹見は周りを見渡しながらクルートを探す。ある程度まで向かった時山の一部に木がなくなっている部分が合った。鷹見はそこにクルートがいると確信した。

着地した鷹見は違和感を覚えていた。明らかにさっきまで人がいたであろう部分に死体がない。生きている可能性が高くなったのだが、魔力を感じることができなかった。

(どこに行きやがった。)

「お前は誰だ。」


振り向くとそこには生きながらえていたクルートが木にもたれかかっていた。


「生きていたときお前を始末するためにきた。」


「始末ね。まぁあの少女が僕にここまでのダメージを与えたんだ。本気を出してあげよう。」


ズワッ!

鷹見は魔力の高鳴りを感じたのだが、普通の魔力とは違う新たな魔力。

「カラーミーの人間化。完全なカイードになったときそいつらは人間の魔力とカラーミーの魔力両方使うことができる。カラーミーの魔力を真に使えるカイードは新たな魔法を手に入れることができる。これが可能になったカイードだけの組織。レイズ。」


「レイズ?」


「テキーロレイズ。クルートパーロミーロだ。」

「あの少女は終奥と言ったな。こっちとは呼び方が違うらしい。」

「レイテンド解放愛煙化(オーブラック)


クルートの見た目と魔力が変貌していく。元の体に一本の角。まさしく鬼。りあから受けた傷がどんどん回復していく。


「レイテンドだと?」


鷹見はこの新しいカイードの能力レイテンドの前に動けずにいた。

(長い間現場に出てなかった枷がここで出るとはな。)

鷹見は亜空間を解除し自身も戦闘態勢に入る。鷹見はできるだけ相手の情報を集めたいため観察することにした。クルートはそこに立っているだけ。動かないクルートを警戒する。動かない二人だがその均衡が崩された。鷹見は動いたのだ。

動いたと言ってもクルートに攻撃したのではない。距離を取ったのだ。クルートの周りの木が枯れていたのである。先程までは綺麗な木だったはず。それを確認し距離を取る。

「流石に無理か。」

クルートは立っていたのではなく目に見えない毒を放出していた。鷹見に気づかれる前に彼を倒す算段だったが、木が邪魔をしてしまった。もし無かった時鷹見はやられていただろう。

距離を取った鷹見はクルートを見失っていた。実際のところ見失ったのではなくクルートが透明化したのだ。鷹見はここで彼が取る選択肢を考える。

1、透明化のまま逃走

2、このまま戦い俺を狙ってくる

3、応援を呼ばれる

この中で最悪なのは3明らかに鷹見に勝ち目がなくなる可能性が高い。1なら最高。2ならギリ耐え。逃げることができる今。鷹見は自身の選択を間違えることはできない。鷹見はここで迎え撃つことを決めた。もし相手が逃げた時はそれでいい。このまま戦うとなった時鷹見は応援が来ることを知っていた。亜空間を解除したことは戦いが開始されたと知っているレセア。レアトが必ず来てくれると確信している。そうなれば戦力が増えるため倒せはしないものの情報を得ることができる。

「おい!どこに行ったかしらねぇが俺も本気を出してやる。」


「じゃあ逃げる意味がなくなったねぇ」


鷹見の作戦は成功した。相手の狙いは自分。自分がここでリスクを犯し魔法を使うことで相手に1と3の選択肢を無くした。


「お前のレイテンドが何であれ俺の魔法にはついてこれない。」

「魔力解放。」


鷹見の魔力が上昇していく。ついに最初のフェルテフェリスが本気を出す。

透明になっているクルートはどこからか鷹見を見ている。気付かれないよう気を張っているクルートだが、鷹見はそれでもクルートを見つけ出した。

「そこか。」

完全に目が合っている二人。

(なぜ場所がバレた?)

「もうお前が見えないのは意味をなさない。」

毒を放出していたクルートだが、鷹見は独自の方法でそれを帳消しにしていた。一歩ずつ近づく鷹見。クルートは異様なその雰囲気が自分の負けに直結するのが分かっていた。しかし、彼らの目的が目の前にいる。最低でも彼の魔法を知りたいと考えていた。

鷹見はクルートを見つけたのはいいのだが、鷹見はここで倒すべきではないと考えていた。鷹見は現実(レアル)支部のレアリードそのもの。魔力が無くなれば今までレアリードに関連した人の消してきた記憶が解放され異世界の存在、フェリシダットの存在が公になってしまう。それは鷹見にとって防がないとならないこと。本気を出すとは言ってもそれは最低限。それを相手に悟らせないため鷹見はクルートに自分から近づいていた。そして鷹見は現実(レアル)でしか魔法が使えない。フェルテフェリスが彼らにギリギリ通用するのは分かったが、このレイテンドにどれほど通用するかはわからない。倒すべきではないと考えていた鷹見は再考した結果。今の自分では倒しきれないという結論に至る。

(あいつを倒す術が無い。)

それでも鷹見はクルートに一歩ずつ近づく。


的確に透明なクルートを追いかける鷹見を見てクルートは透明化を解いた。

その意図は透明化が意味を成していないから解いただけだが、鷹見からしてみると何か意図があるように見える。足を止めた鷹見を見てさらにクルートは身構える。二人はそれぞれ相手を過剰評価しているため結果的に鷹見の時間稼ぎにつながっていた。知る由もないがレアトは今アートがボーダーを気絶させて撃拳花火(うちあげはなび)をため終わり撃つ段階。そしてレセアは新たに作り出された亜空間を見守る。

そんなことを知らない二人は相手の動きを観察するがクルートは自分が動かなくても攻撃する手段があるが逆に鷹見はそれを止める手段を持っていた。膠着の時間が続く。お互い相手の魔法が分からない状況なので迂闊に攻め込めない。


(レイテンドかー。正直なんじゃそりゃって感じだよなー。なんとか俺の魔法があったから相手も困ってる状況だけど正直めんどいな。)


(なんで透明化してたのに場所がバレたんだ?こいつの魔法なんだろうけど。なんで今回の目的がこいつなんだよ〜。正直めんどい。)


それでも逃げるという選択肢は頭に無かった。ここで逃げることはこれからお互い戦う時のデメリットが大きいからだ。その点で言うと鷹見は逃げた方が良いのだが、ここで逃げた時相手が追いかけて市街地に被害が出る可能性がある。鷹見は今逃げるデメリットがあるのだ。鷹見が本気を出せない今がクルートの攻め時。しかし相手にレイテンドの効果を知られるのもまずい。色々なことが噛み合っていた。


(やるか)


鷹見が覚悟を決める。今自分が使えるレベルの魔法の中で最高の魔法。

「空気よ。私の意思に答えよ。」

カイードといえど人間の言葉は理解できる。このそのままの意味。

鷹見がここ一帯の空気の操作する権利を得た。

「空気よ。私の半径一メートルを除き私の操作する権利を持った辺りの二酸化炭素と窒素を消去せよ。」

辺り一帯の二酸化炭素と窒素がなくなる。


辺り一帯の二酸化炭素と窒素が無くなった。クルートはなぜ生きるのに必要な酸素ではないのかという疑問に至る。

クルートが一呼吸したと同時に血中の酸素濃度が上がる。そして起こる減少といえば、過呼吸。誰にでも起こる現象。

(これは過呼吸?)

カイードにも過呼吸という知識があるらしい。

「過呼吸ってしんどいよな。」

鷹見はそう言ってゆっくりとクルートに近づく。

しかし鷹見は選択を誤っていた。クルートが元に状態に戻っていく。


「どう言うことだ?」


「どうの何もこっちも空気を操作できるってことだよ。」

クルートの空気を操作することができたのだ。操作と言っても実のところ自身の煙を操作し空気中の酸素の量を減らしていたのだ。

だが、鷹見はクルートが空気を操作できると思い込んでいる。こうなれば自身が空気を操作するのは意味がないと考えこの権利を放棄することを考えた。そうなると辺り一帯の空気は元に戻るがクルートは酸素を減らしているため鷹見が一呼吸した時、逆に酸素濃度が減る。それを理解し放棄するのを辞めた。

鷹見はこれで五分五分と言うことに気づいた。鷹見は魔力を消費しないため最低限使用する。再び膠着状態。時間を稼ぎたい両者にとってここから動くという選択肢はない。


「最強と言われた君の魔法は一体なんなのかな?教えてくれないかい?」


「教えねぇよ。お前と一緒なんじゃねぇか?」


鷹見の魔法はクルート側からしてみると似ている魔法を使用している。しかし、クルートも本来の使い方とは少し違う。お互いに相手の魔法を考察していく。


(空気を操作するのが魔法の応用っぽいな。実際はもっと高度な魔法なのか?)


(同じように空気を操り、なおかつ透明化?)


鷹見はレイテンドを解放する前の魔法が煙化し煙を操るということを知らない。レイテンドば元の魔法のさらに上位互換。このことを知っていた場合予想するのは簡単であった。だが、このことをしらない鷹見は自身の経験を元にクルートの魔法の正体に一つの解を出した。

一方クルート。完全体のカイードになったとしても彼の戦闘経験は鷹見に比べて圧倒的に少ない。しかも相手は最強と言われている人物。彼が現実(レアル)でしか戦えないという事実は知らない。今後異世界に戻った時に鷹見と戦わないといけないと思っている彼らはどうしても鷹見の魔法を知る必要があった。


鷹見はクルートの魔法を確かめるために新たな魔法を使用する。

「自然よ。私の意思に答えよ。」

「自然よ。辺り一帯に大量の雨を。」

大量の雨が降り注ぐ。そしてその雨はクルートの体を濡らすことなく通過していく。


「ビンゴで良さそうだな。」


体を大量の雨で濡らしている鷹見と一切濡れていないクルート。クルートは自分の魔法がバレてしまったと確信する。


「バレたかぁ。でもバレたところで倒せはしないんだよな。」


鷹見はクルートのレイテンドを解明した。しかしクルートの言う通り倒すことができない。最低限の魔力での攻撃はカイードに効かないということは分かっていルガ、この戦いに置いて鷹見は勝ったのである。しかしクルートにも鷹見の魔法のヒントを与えてしまっていた。

(空気の次は自然かぁ。だいぶ魔法のレベルは高そうだな。あの人がいるから大丈夫そうか。)

カイードの目的は先ほども言った通り鷹見の魔法を解明し戦うことになった時有利な状況に立ちたいという理由。ここで鷹見を倒せるとはクルートも思っていない。鷹見が使用した魔法の共通点を理解し自分たちに脅威ではないと確信した。


(もう帰るか。)

「お互いにもう用事は済んだようだね。」


「らしいな。」


鷹見もクルートが自分の魔法について何か確信したことには気づいていた。しかしそれよりもクルートのレイテンドが分かったことのメリットが大きい。もうここでクルートを逃してもいいと考えた。


(ここでこいつは倒せなさそうだしな。)


「あ、いた。」


戦いの終わりを二人が確認したと同時に何者かの声がクルートと鷹見の頭上からした。


「カースか。」


クルートの仲間のカイードが新たに現れた。


(まだいたのか。)


頭上からクルートの隣に降りてくる。カースと呼ばれる人物。


「クルート。もう帰るよ。あの子らも死んだし。」


「ちょうど帰りたいと思ったところ。」


帰るのならば鷹見からしたら都合がいい。新たなカイードのカートの魔法も知りたいところだが、今の鷹見にそれができるほどの魔力はない。クルートの魔法だけでも分かっただけ良かっただろう。この情報戦の勝者は鷹見かと思われた時。カイードたちにとって最高の情報がやって来た。


「護先生!」


鷹見の助けに来たレアトがちょうど今到着したのである。それを見たクルートとカースは帰ろうとしていた手を止めた。レアトを見て驚いた顔をしている。


「おい。坊主。名前は?」


「は?」


レアトは咄嗟のクルートの質問に困惑する。そしてレアトはレイテンドを目にする。


(なんだ。この魔力。これがカイード?)


「おい。名前は?」


再度質問するクルートは同時に大量の魔力を解放した。


(おいおい。やっぱりまだ上があったのか。)


鷹見はまだクルートが本気を出してないという事実を知る。


「レアト。」


魔力に圧倒されたレアトは自分の名前を自然と口に出していた。

その名前を聞いたクルートとカースはこの情報戦の勝者が自分たちと確信し、笑った。


「レアトか、、、また会おう。」


そしてカースが作り出した空間の中へと消えていった。


「フッー。緊張したー。」


「さすがに先生でもあれには気を張るんですね。」


「流石にな。カイードなんて俺も初めてだし。しかもレイテンドなんていう終奥みたいなものまで使いやがる。お前らがあれを倒すとなるとやっぱり協力しないといけないしぺカードクラスの力も必要だな。」


「そんなにですか。」


「レイテンドなしのあいつらと終奥を使ったフェルテフェリスがギリギリ同じレ

ベルと言える。」


「そんなにですか、、、、、、あ!りあは?!」


「お前の母さんに任せたぞ。戻ろうか。」


「戻りましょう!」


二人はカイードの目的などは一旦忘れりあの元へと向かった。


りあはレセアの治療で命に別状はなく寝ていたのだが、レアトは自分の周りの人間が大きな傷を受けるという経験がなくりあが危ない状況だと思っている。


「りあ?!りあ?!」


りあがレアトの声で目を覚ます。


「レアトくん???」


りあはレアトがアートと一体化したということは魔力でわかっていたが、目の色が両目で違うということは知らない。雰囲気も変わっているので少しレアトということを認識できなかった。


「りあ!大丈夫だったんだね。」


「りあも疲れ切ってるレアトも疲れ切ってるだろうから。もう今日は休め。報告書は俺が作っとくからそれ明日持ってってくれ。」


「ありがとうございます。」


こうして現実(レアル)支部の任務は終わった。実際この戦いでりあは終奥の二度の使用。レアトはアートとの一体化そして新たな魔法。カイードの新能力レイテンド。様々なことが起きた戦いだった。りあはこれからのカイードとの戦いがさらに危険を伴うことになり、最悪フェルテフェリスの誰かが死ぬにまで至ると考えている。りあはここからさらに強くなる必要がある。レアトは自分自身では気づいてたいないがフェルテフェリスの域に達している。しかし、彼がフェルテフェリスになるのはまだ先だった。


***


「ありがとう。カース。ちょうど良かったよ。」


タバコを咥えながらクルートが礼をいう。


「まぁもっと前についてたんですけどね。なんかまだ帰る雰囲気じゃなかったから。」


「確かにねぇ。でもまさかのまさかだったね。」


「ですね。ちょっと怖いです。」


二人はこうして自分たちの本拠地に戻っていった。


***


レアトたちが現実(レアル)支部の任務をこなしているとき。フェリシダットの本部ではある情報が出回っていた。

それは先にフェルテフェリスにのみ知らされる事実。

 

           〜フェルテフェリス任命式〜

            フツロフェリシダット

           貴公を新たなフェルテフェリス

            ヌエヴェフェリスとする




               第1章完


  

 

第1章完です

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