現実支部と本当の力
「フェリシダットにスパイ?」
「まぁスパイと思われるやつがいるというだけ。そいつの名は、、・・・・」
「あの人が、、、」
「これが一つ目の目的もう一つは君の魔法についてだ。」
「私の魔法ですか?」
「りあの魔法の特性上、終奥が何個かある。基本一回しか使えない終奥だがりあ、君は何回か使える方がいい。だから君を最強にする。」
「私を最強に、、、、どうやってするんですか?」
「僕に終奥を撃ちまくれ。君は最強になる資格がある。」
訓練室の空気が重くなる。ここにいるのは最強と言われる人物と最強になる資格がある人物。彼らがぶつかる。
「わかりました。」
りあが魔力を上げる。ハセリはその光景を静かに観察する。りあは今現在、雷降、風翔、そしてあと1つ。この先に覚える新たな魔法を入れ4つ使用可能となっている。りあは今使える3つの終奥をぶつける。
「終奥解放!雷降奥義激永雷切!」
りあの体が変貌する。その全てが雷となり轟音が鳴り響く。りあが動き出す。りあから高速の雷がハセリに襲いかかる。それを華麗に避けるハセリ、避けられてもりあは攻撃を続ける。
雷降奥義 激永雷切は自身が雷となり反雷激光と同じ強力な威力の雷を任意に放てる技。魔力が尽きるまで、りあが攻撃をやめることはない。
そしてりあから出る雷は溜まり、雨と同じペースで再び敵を襲う。今この場に逃げる隙は全くない。この技は正真正銘雷降の3つの型を合わせた奥義なのである。
しかし、この奥義を避け続けるハセリ。りあは避けられる理由を解明しようとはしない。これは訓練なのである。ハセリも避けるだけで反撃はしない。この状態が5分ほど続いた時、ついにりあの魔力が尽きた。
「はぁはぁはぁ。もう動けないです、」
限界が来たりあ。基本的にはもうここで動けるはずがないのだが、ここからが訓練なのである。
「さすが終奥だね。でもここからだ。今の技をもう一度出せ。5分ほど休む時間はあげるよ。」
「り、了解です。」
りあは息を整える魔力はもう尽きているが、りあはここで限界を超える方法を見つけないといけない。フェリシダットの未来のため。自分の未来のため。
「君が弱いから人が死ぬ。君の家族も君の世界の人たちも死ぬ。どうせ向こうに行ったカイードも倒せない。目の前でレアトは無惨な死を遂げる。それを見届けることしかできないのは君が弱いからだ。これから誰も助けることができないまま君も死ぬ。」
りあはこの言葉を聞き、沸くはずのない怒りが沸いた。そしてりあは限界をこえることになる。
「何を言っているのですか!」
ないはずの魔力が彼女を包む。
「雷降奥義激永雷切!」
再び雷化するりあ。ハセリに攻撃を開始する。
「成功だね。」
瞬時にりあの目の前に現れたハセリ。りあのおでこにデコピンをかます。
それと同時にりあの魔法が解ける。
「え?」
りあが膝から崩れ落ちる。何か起こったか分からない。
「君の魔法を解除した。どうだい?魔力は復活してる?」
「え?あ、はい」
りあの体には魔力が漲っていた。その魔力は本来あるはずのないもの。りあは壁を超えたのである。
「りあ。君は終奥を数回使えるようになったが、基本1回だけだ。いつか来る大きな戦いの時に備えておけ。」
「了解です。」
「、、、さっきはごめんね。君を煽るのが一番早いと思って。」
「さずがにやりすぎですよ。」
「でも言ったことは本当に起きる未来なんだ。ここで君が力を得れなかったら本当にそうなっていた一つの未来。」
「そうなんですか。」
りあはそう言って気を失った。
目が覚めたりあは元の世界、フェリシダットでいう現実の家に戻っていた。
(誰が私を?)
「あら?おはよう?」
「あなたは?」
「フェリシダットの現実支部の一人よ。明日ちょっとレアトとりあさんには支部に来て欲しくて、場所を伝えるついでに君を家まで届けたの。まぁ場所は分かるようここに置いておくから明日の放課後きてね。」
***
〜次の日〜
(昨日の人が現実支部の、、)
りあは昨日の出来事を振り返りながら学校に向かう。これでも一人の高校生なので行けるときは行くようにしている。
高嶺の花のりあは学校についた時周りの空気が変わるのが嫌でいた。教室について考え事をするりあはあまりにも美しいため話しかける人がいない。りあの話相手は今現在レアトとその友達のしおんのみである。
「りあ?おはよう。なんか考え事?」
レアトが教室に到着しりあに話しかける。
「おはよう。まぁ色々あってね。」
「りあも考え事するんだね。」
「人間だからね。とりあえず今日支部に行かないと。」
「そうだね。」
二人が話すこの光景は周りから見るとアダムとイブが現実に来たと思えるほどの美しさ。
レアトはフェリスになり長い間訓練していたため入学当初の見た目とは大幅に変わっている。今は彼も高嶺の花だ。
「おーぃ。席つけ〜。」
りあとレアトの担任の鷹見護。教室に入り、声をかけ朝礼を始める。みんなから護先生と言われるほど人柄は良く彼を嫌いな生徒はいない。
本来学校を休みすぎるのは良くないが、りあとレアトはその見た目が良すぎるので芸能活動をしているという程で学校に話をしている。
「じゃあ今日も頑張れ〜。」
そう言って朝礼が終わると思いきや、護先生がりあとレアトのところに近づく。
「二人ともちょっと良いか?」
教室の後ろに呼ばれた二人。周りの視線が集まる。
「おい!お前らは1時間目の準備しとけ!」
空気を読み生徒に呼びかける。
「どうしましたか?」
「いや〜お前ら最近どうよ?頑張れてる?」
「まぁまぁですかね。」
「同じくです。」
「そうか!悩みとか出てきたら言えよ?担任だからな。一緒に頑張ろう!」
「ありがとうございます。」
そして学校生活が始まるのだが、久しぶりの学校で全く勉強が追いつけないのは分かりきっていたことだった。
勉強についていけなくなっているのに絶望していた二人。そのまま1日が終わる。
絶望している暇がない二人は支部に向かう。
「昨日教えてもらった住所。マップに入力して行きましょう。」
「そうだね。」
携帯のマップに住所を入力した二人はその場所に驚いた。
「小山学園???」
入力したところは二人が通う小山学園だった。二人は学校の門の前で立ち尽くす。
学校のどこにいけな良いのか分からずにいた二人に1つの影が近づく。
「あれ?何してるの?ここの生徒だったの?」
聞き覚えのある声に二人が振り向く。
「昨日の?!」
「昨日の人よ!」
りあは昨日会った人物がいたことに驚いていたのだが、隣のレアトはさらに驚いて開いた口が塞がらない。
「母さん?!」
「えーーーーー!!レアトくんのお母さん?!」
「言ってなかったっけ?レアトの母の結城レセアです。レアル支部の一人です。」
「フェリシダットの人だったの?!」
「黙っててごめんなさい。言うのはまだ早いかなと思って!そんなことより行くよ。」
3人はそうして学校の中に向かった。
「この中でどうやって活動を?」
「部活として紛れ込んでる感じかな。」
部室に向かいその部活名に二人は驚愕した。
「異世界研究部?」
「部員いなさそうですね。」
「一応一人いるよ。」
3人が部室に入りその一人を確認する。
「しおん?!」
「レアトやん!それとりあさんも!お前らもこの部活入るん?!」
「入るというかなんと言うか、、」
「この二人は顧問に用があって来たそうだし、今日は活動できないから解散!」
「了解っす!じゃあなレアトとりあさん!」
そうしてしおんは帰らすことにした。
フェリシダットのメンバーだけになったことでレセアが口を開く。
「ハセリから聞いた通り今こっちにカイードが来た。そいつの討伐を一緒に協力するんだけど、、、、、りあさんは置いといてレアトは今どれくらい強いの?」
「花火化の使用は可能。時々謎の力に侵されますが仲間に被害はなし。おそらく神陽化もいずれできるでしょう。魔法も強力です。」
「トレスフェリスさんが言うってことはまぁまぁね。」
りあがフェルテフェリスモードに入りレアトもフェリスモードに気持ちを切り替える。
ガチャ
部室のドアが開く。顧問が来たようだ。
「護先生?!」
「よっ!」
顧問の正体は担任の鷹見護だった。
顧問の正体は鷹見護だった。つまり彼もフェリシダットの一員。りあはその事実に驚いていた。
鷹見護が顧問と言うことは彼がフェリシダット現実支部の組織リーダーということ。そして強いということ。
支部のルールとして最低組織リーダーとその支部を守れるほどの戦力が必要とされている。ディーキェにはセイスフェリスのテクトファミリアと組織リーダーのプーリヤという形が基本である。例外として多いのが大量にフェリスがいるということなのだが。例外も例外なのはこのレアル支部の組織リーダー一人という支部である。レセアは元フェリス。りあはそれを彼女の魔力を感じることで理解していた。レアトはこの事実に気付いていないのだが、りあからすると異常である。これから導き出されるのは今りあとレアトのいるこの鷹見護はフェルテフェリス以上の戦力ということになる。りあは詳細を詳しく聞く。
「なぜあなたは、」
「あぁそのことを含めて詳しく話すよ。」
りあはまだ何も聞いていない。彼はもうすでにりあの質問は知っていたのだ。
そして詳しい話を聞く。
しおんがここに入っているのはイレギュラーで彼はレアトとレセアと長くいたせいか、異世界の魔力を感知できる。この部活は鷹見護の魔力で守られているということ。そして今回りあとレアトに協力を求めたのはカイードの狙いが鷹見自身であり、彼がもし死ぬようなことがあれば世界が終わる。ということらしい。
りあはこの人が死ぬことが本当にあるのか?という疑問を残してたが、1%でも残っているのなら私が死んだ方がマシという結論に至った。
「俺の紹介は簡単にいうとフェルテフェリスっていえば良いかな?」
「え、でも。」
フェルテフェリスの中に彼の名はない。つまりこの言葉は間違っているのだが、これは間違いでもないらしい。
「俺は最初のフェルテフェリス。フェリスゼロだ。」
鷹見の正体はフェリスゼロ。フェルテフェリスに最初になった男。ゼロフェリスがいるという噂は本当だったのだ。
この男は元々は現実の人間でこっちの世界全てを任せられているらしい。余計に死ぬことはないのでは?と思う二人だった。それと同時に二人は気づく。
「気づいたか。こっちの人間がフェリスになるとき。その人間は最強になる。
レアトは置いといて。りあ、お前は最強になる人間だ。」
その言葉を聞きりあが思い出したのは昨日のハセリの言葉。全く同じ言葉を言われたことに彼女は最強になる覚悟を得た。
そして彼女は気づく。この任務が最強への第一歩ということを。
「んで、レアトだが。」
「あなたには異世界の血が混じってるからあなた次第ってこと。」
「母さん異世界の人だったの?!」
レセアの母は元は異世界の人間で彼は異世界と現実のハーフに当たる。彼が最強になるためには必要以上の努力が必要になるかもしれない。そしてハーフという事実はこのレアトの一件しかない為何も分からないという結論に至る。分からないため彼も最強になる人間かもしれない。なので彼も今回の任務につくことになった。レアト自身確かめたいことがあるのでこの任務はちょうど良かったのだ。
「今回俺とレセアさんは裏でサポートに回る。亜空間にカイードたちを閉じ込める。おそらくだが、お前らが遭遇した個体より強いのが一体いる。そいつはりあが頼む。そんでそれ以外をレアトっていう形だな。」
「了解。」
「決行は明日。ここに攻め込むところを閉じ込める。そのあとは任せた。」
***
〜次の日〜
彼らは万全の準備をしてカイードを迎え撃つ。今回は体力も魔力も満タン。そして最強のサポートもある。りあは最強になるために。レアトは自分の成長のための第一歩を踏むことになる。
今日は幸い学校は休み。屋上で待機する二人。いよいよその時が来る。
「来たぞ!北方向はりあ!南方向レアトだ!行ってこい!」
「了解!」
りあとレアトが二手に別れる。
りあサイドには明らかに前回よりも強いカイード。レアト側はオーガンレベルのカイードが2体。
それぞれ鷹見護が作る亜空間に閉じ込める。
〜りあサイド〜
「へぇ〜。すげーなこれ。」
りあが敵対したカイードは言うなればイケおじと言おう。
タバコを咥えたその姿は肌の色が違うだけのイケてるおじさんだ。
「カイードなら名があるだろう?!」
「俺かい?俺の名はクルートパーロミーロ。そんで、、」
りあが攻撃を仕掛ける。
「ちょっとまだ話してるんだけど。」
りあの奇襲は彼にとってそれほど奇襲では無かった。いうなれば小さな子供がいきなり抱きついた程度。りあはこの攻撃の実感のなさを感じるがそれでも攻撃を続ける。クルートはそれを楽に対処する。
「雷降1の型 瞬光雷撃」
雷と化したりあがクルートに突撃する。しかし当たった感触がないりあ。雷となった今攻撃を続ける彼女は早すぎるためその光景を見ることはできない。止まる必要があるりあは攻撃を止め、雷化を解除する。
「それが君の魔法かい?」
「一部ですが。あなた今魔法を使ってましたよね?」
「流石にバレるかぁ〜。でもどんな魔法かまだバレてない感じかな?」
「なら攻撃を続けるまで!」
りあはその戦闘センスである程度魔法を絞っていた。
その確認に相応しい技をお見舞いする。
「風翔1の型 獄風閉閻」
クルートの周りに暴風が発生し彼を閉じ込める。
その暴風は刃と化した風触れるものを切る。りあの推理が当たっているのであればこの攻撃は彼には届かない。
暴風が徐々に小さくなり消える。その消えた先にはクルートが無傷で立っていた。
「いい魔法じゃねーか。」
「気体化ですか。」
「そりぁバレるか。」
クルートの魔法は正確には煙。自身を煙化することで風に切られることなく、雷に貫かれることなく無傷でいた。りあはこの魔法に対処できることができない。彼女の天敵である。りあはこのカイードを倒せない。りあだけでは、、、、
〜レアトサイド〜
レアトとカイード二体。今までの彼なら一体だけでも苦労しただろう。しかし今の彼は精神的に成長している。実力は変わってないかもしれないが心の部分はすぐに変わることができる。レアトはフツロとの任務で確実にレベルアップしている。
「オーガン???」
ゾージーニ王国で倒したオーガンに瓜二つのカイード。カイードの中には双子の個体があってもおかしくはない。
「お前がオーガンを?ちょうど復讐じゃないか。ボーダーマニキュリアだ。いい悲鳴を聞かせてくれ。」
「ベレーラマニキュリア。オーガンのためにも死ね。」
彼らはオーガンの兄弟の双子だった。実際倒したのはりあだが、レアトがオーガンの名を呼んだことで彼らはアトが復讐の相手だと認識した。
レアトはこれを逆手に取り相手を煽りにかかる。
「あいつの兄弟?じゃあ余裕か。なんせ弱かったからな!逃げる姿が面白かった。」
完全に悪者としか思えない言動のレアトだが、こうすることで彼は敵を殺す罪悪感を消していた。
これに怒ったボーダーは自身の魔法を繰り出す。
「ケルーテカ!」
彼から出てきたのは水。火を扱っていたオーガンの兄弟だから彼らも火を使うと思い込んでいたレアトは奇襲をくらう。水の檻がレアトを捕まえる。
「ウッ」
息ができないレアトだが、これを冷静に対処した。
「自然を操るものモード風翔」
風翔を発生させ水の檻を破壊する。そのまま二人を風で攻撃する。
ブシュ!
ベレーラに傷をつけることに成功したが、カイードの再生能力は凄まじくすぐに傷を治す。
「視界を操るもの」
レアトがすぐさま透明化する。ベレーラとボーダーの視界から消え奇襲。
致命傷になる傷はつけることは出来ないが少しでも再生に体力を使わせる。
しかし相手は透明化を力づくで対応する。
「エリーエス!」
ベレーラが大量の木を生成し、レアトの動ける範囲を限定する。これにより透明化を無力化した。透明化を解き姿を表し二人と対峙する。
ズキン!
ここでレアトに頭痛が走る。
(来たっ!)
レアトはこの頭痛が来ることを予想していた。この頭痛の後レアトの中の別の人格が出てくる。レアトはこの人格をこの戦いの中で支配しようとしていたのだ。
「だいぶ強くなったじゃねーか。今ならこの声も聞こえるんじゃないか?」
レアトの中の人物が話す。前まではもうここで入れ替わっていたが成長したことで彼の声を聞くことができるようになっていた。
「聞こえるが今回は変わんねーぞ?」
「いいぜ。そのかわり一緒に戦おうぜ。俺の力を貸してやる。」
そう言うとレアトの体に魔力が満ち溢れた。この魔力にはベレーラもボーダーも反応せずにはいられない。最大出力の魔法をレアトにぶつける。
「空間を操るもの」
レアトが亜空間を作りそこにベレーラとボーダーの魔法を移動させた。
「これが新しい自分。」
「まぁそう言うことでいいんじゃねーか?」
中の人格と一体化したレアトは元の目の色をした右目と暴走したときの左目というように目が別々の色になっている。
「君は何て呼べば?」
「俺もレアトだからなー。分かりやすくアートでいいぞ。」
「アートね。了解。」
「さぁ!楽しもうぜ!レアト!」




